福岡競艇


平成7年6月18日
 福岡競艇は都心の真ん中にあるとして知られていました。また広告も斬新なデザインで他場
とは一味異なっていました。一度行ってみたいなと思い九州の旅打ちとしては比較的初期に乗
り込んだのです。

 熊本行きのANA便は天候悪化の為福岡空港に着陸する可能性がある、と伊丹空港のアナ
ウンスは何度も伝えていた。なんで福岡競艇に行くのに熊本なのか、当時全日空にはトライス
ターという飛行機があり退役が近づいていた。ロッキード事件で非常に話題になった飛行機で
ありロッキード社もこれ以降旅客機は製造していないことから最初で最後、乗ってみようと思い
わざとトライスターが就航していた熊本行きに乗ることにした。当時は特割とかそういう割引運
賃はなく距離に応じて普通に航空運賃は決まっていた。だから熊本は福岡よりちょっと高い程
度だった。
 目的地は福岡なのだから板付(福岡空港)に降りてくれた方が便利である。乗客のうちでダイ
バードを希望していたのは恐らく私だけだろう。そんな少々不謹慎な態度で乗ったせいか熊本
地方は晴れていき無事に着陸した。のちに仙台空港への飛行機が満席で仕方なく秋田行きに
乗ったところ同様に天候悪化の為仙台に着陸するかもという条件つきだったことがある。この
時もダイバードを期待したのだが無事に秋田空港に降りてしまった。

 電車を乗り継いで福岡へ向かう。JRの博多駅より西鉄の福岡駅の方が近いというので大牟
田からは西鉄特急に乗りかえる。さすがに熊本まわりだとかなり時間はかかる。天神につくと
すでに13時を過ぎていた。福岡は初めてではなかったがさすがに迷い競艇場についた時には
10レースの最中だった。
 とりあえずスタンドに入りレースを見る。スタンドはガラス張りだったもののかなり曇っており
煙草を吸う客も多くスタンド内は思いっきり霞んでいた。ウインズ並の空気の悪さだなと思っ
た。場内アナウンスは女性でしかも最終ターンマークを過ぎてゴールまでの間だけ実況してい
た。水面の向こうは都市高速が通り近代的な風景である。高速道路に入っていく車はバスが
多くしかも普通の路線バスである。大阪にも阪神高速を走る市バスは存在するが本数は知れ
ているだけに非常にめずらしい光景である。競走水面は狭くピットはバック側にあり「の」の字
回りをして(「の」とは回る方向が逆だが)スタートラインに正対しアウト艇も後ろにひくことは殆
ど出来なかった。1マーク側は川になっておりその川の中にターンマークがあった。構造として
は平和島に似ているがそれ以上に狭く感じた。

 残り2レースしかないがとりあえず舟券を買おうと穴場に並ぶ。で口頭で買い目を伝えよう
(当時はマークカードは無し)とすると「先にお金!」とおばさんから怒鳴られた。意味がよく分
からなかったのでとりあえず2000円を出し1200円分の買い目を伝えると「あと800円は?
お釣は出ないよ」とまた声がした。つまり先にちょうどのお金を出し口頭で買い目を伝えなけれ
ばならないらしい。面倒なので残り800円を適当な組み合わせで発券してもらったがなんとも
客を馬鹿にした商売である。このレースが余分な組み合わせまで買わされた上外れたこともあ
って非常に気分が悪くなった。そしてそのまま競艇場を出た。初めて来た場の旅打ちで1レー
スしか買わなかったのはこの時だけである。レース場を出るとすぐ踏切があった。博多市場ま
で延びている貨物線だろう。そういえばかって福岡でモーターボート記念をした時には競艇場
の裏に仮設で駅を作り臨時列車を動かしたこともあるらしい。もっともこの貨物線は香椎につ
ながっており博多駅からは思いっきり遠回りなので利用客は少なかっただろう。現在この貨物
線は那珂川の対岸の福岡貨物ターミナルまでに短縮され競艇場うらの線路は撤去されてい
る。鉄橋はだいぶ長いこと残っていたが今はどうだろうか。

 そんなわけであまり印象のよくない福岡競艇旅打ちでしたが2度目に訪れたころは先にお金
を出す必要はなく窓口で釣り銭も出すようになっています。くすんだガラスのスタンドは変わりあ
りませんでしたが現在は新スタンドが出来たと聞いていますしもう一度行ってみてもいいなと思
っています。ただ2回行っていずれも払戻に並んだことが無いだけに相性が悪いのかなとも思
っていますが。

福岡競艇ホームページ

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