いわき平競輪


平成10年12月20日
 いわき市のある福島県浜通りは大阪からは非常に行きにくいところです。東京まで新幹線で
上野からさらに特急スーパーひたちだと5時間少々、あるいは伊丹から福島空港へ飛び郡山
までバス、さらに高速バスでいわき平でも4時間はかかるでしょう。そんなわけで訪問も最後の
方になりました。そして私には珍しく記念競輪(いわき平は12月に記念競輪を開催する)を訪
問しています。

 前日に東京に乗り込んでいたこともあり朝、東京駅から高速バスでいわき平に向かう。なんと
いってもスーパーひたちの半額以下である。常磐道は進行方向の彼方に山並みが見える。そ
こが関東平野の果てであり東北の入口である。はるか彼方に見えた山並みはバスが進むにつ
れだんだん大きくなりそしていくつものトンネルで越えていった。
 いわき平に到着したらまず大黒屋デパートに行った。ここには毎年1等が当たるという宝くじ
売り場がありはるばる東京から買いに来る人もいるという。そんなわけで年末ジャンボのシー
ズンでもあるしせっかく来てみたのだからここで買うことにした。バラ10枚を購入したのだが言
うまでもなく300円当たりのみだった。数年後このデパートは倒産し宝くじ売り場は移転したら
しい。

 無料バスに数分揺られて競輪場へ。歩いてもそう遠くはないだろう。太平洋側ということもあ
り雪はないし晴れていれば暖かいが陰ると風が冷たい。場内は記念競輪ということもありにぎ
わっていた。もっとも屋外のスタンドは寒いのでスタンド下や屋内に固まっていたこともあろう
が。スタンド裏のバックスペースが殆どなく手狭な印象に拍車をかけた。この時にはまさか数年
後生まれ変わるとは思いもしなかった。


 いわき平競輪場が生まれ変わったのは2006年だった。既存のスタンド、バンクを全て取り
壊し1階に駐車場を設けバンクはその上に作られた。ホームとバックは入れ替わり2センター
上には大型ビジョンも設置された。

正門

 そして競輪界初の試みとしてバンク内に入れるようになっており内側からも観戦できるスペー
スが設けられた。そんな生まれ変わったいわき平競輪場に私が向かったのは平成18年12月
11日だった。
 この日は勤務明けだったためどんなに急いでもいわき着は14時過ぎになってしまう。それで
も行ってみたかった。新幹線とスーパーひたちを乗り継ぎさらに駅からもタクシーで競輪場に向
かう。8レースの発走間近だったので入場門を入るや否やスタンドの階段を降りバンク内に向
かう。

 バンクは建物で宙に浮いたような感じになっており内側の「カーニバルリング」とは独立してい
る。力が要るバンクではなかろうかという感じがした。ここには殆ど椅子がなく「おいおい」という
感じがしたのだが理由はすぐにわかった。まずコースより低い位置になるので立ってないと見
られない。さらに選手の動きを追うためにぐるぐる回転しながら観戦せねばならず座っている
暇は無いのである意味正解かもしれない。
 

 陽が落ちてきて寒くなってきたのでスタンドに向かう。スタンドは1階に売り場と食堂が、2階
は管理スペースで3階・4階が一般席になっている。いずれも前傾したような形になっているの
でバンクが真下に見える。5階の指定席は1列のみである。スタンド内は禁煙だがガラス張り
の巨大な喫煙室がある。紅白に並んだ椅子は壮観であるが床はコンクリートの打ちっぱなしだ
ったのが最近の建物には珍しい。ならばタバコくらい吸わせろよという気も。
 

 まだ選手も新たなバンクに手探り状態のようで私も車券をとることはできなかったがまた来た
いと思わせるに十分だった。バンク周囲やパトロール等上部には照明もつけられておりナイタ
ー開催も視野に入れているのだろう。バックスタンドも完成したグランドオープンは2年後の予
定でその時にはふたたび訪れたい。


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