立川競輪・千葉競輪


平成8年6月6日・7日
 今競輪のメッカとして立川をあげないわけにはいかないだろう。12月30日に行われる競輪
グランプリは一度は見てみたいレースであるが年末に東京まで行けるわけもなくいつもテレビ
やラジオでの観戦となる。4万人という観衆を飲み込んだ場内を見るとかっての競輪黄金時代
は毎日がこんな感じだったのかと思ったりします。


 新幹線を降りて一番端っこにある中央線ホームから特別快速で立川へ。15年程前に昭島
市に住む親戚のところに行った事があり立川駅で降りるのはその時以来である。かなり大きな
駅という印象があったのだが(なのに特急あずさが通過してびっくりした)今来てみればそうで
もない。よくあるケースである。
 無料バスの乗り場は長い列が出来ていた。案内看板は見えないところまで列は伸びていた
が雰囲気で競輪場行きとすぐにわかる。最後尾に並んだがするすると行列は進み10分ほど
でバスに乗れた。乗る前に振り向くと私が並び始めた時以上の行列が出来ていた。


 乗るとあっという間に入場門についた。非常に狭くバスの回転場もようやく1台入るかという
大きさしかなくよくこれで4万人を捌けるなというのが素直な感想だった。ゲートのもぎりも出走
表を配っているのもミニスカート制服の若い子で儲かっているところはこんなところにもお金を
かけられるんだなあと妙に感心した。彼女たちは箒とちりとりをもって掃除までしていた。
 場内の「すいとん」の看板を見てつい笑ってしまった。現在の関西には存在しない食べ物で戦
争中や終戦直後の遺物だと思っていたのだがここではまだ現役らしい。(立川以外にも関東の
競輪場では見かける)漫画のギャンブルレーサーでは場内の光景としてすいとん屋が出てくる
が本当に現役だとは思わなかった。ホルモンやどても同じ類だと思えばいいのだがそれらと同
様に食べようという気にはならなかった。
すぐ裏に住宅地が迫る

 この頃の競輪場で大型ビジョンがあるのはここと西宮くらいではなかったかと思う。野球(アメ
フト)兼用の西宮と違い競輪専用だけに力の入れ具合がよく分かる。どこも「成功するわけが
ない」と開催を渋った(現在では考えられないが)競輪グランプリに手を挙げたり攻めの運営を
してる事が立川の売りであり賑やかな証明ではなかろうか。
 人いきれで少々気分が悪くなり3レースほど見ただけで後にする。帰りのバスはなく駅まで歩
いていった。競輪場は住宅地の中にあり周辺とのトラブルもあるだろう。旧立川基地など近くに
広い土地もあるのだから移転を考えてもいいのではなかろうか。
 中央線と総武線で東京を横断し千葉マリンスタジアムで野球を見て千葉市内のホテルに泊
まる。

 千葉駅はY字型をした駅でその分かれた上部に駅舎がある。はるか上空をモノレールが通っ
ているが上部にレールがありそれに車体がぶら下がっている懸垂式という珍しいタイプだっ
た。乗ってみると下に何もないだけに少々不安を感じてしまう。そんなわけで普及しなかったの
かもしれない。とりあえず試し乗りということで終点まで行ってから千葉公園駅に戻り降りる。こ
こが最寄り駅で駅からバンクが見えるくらい近い。

 千葉といえばやはり滝澤正光だろう。私は公営競技選手のサインを1枚だけもっているがそ
れは滝澤のものである。ラグビーかアメフトの選手を思わせる巨体で風などものともせず重戦
車の如く先頭を切って走る。トップスピードに達すると落ちる事はなくそのままゴールになだれ
込む。体当たりしようものなら弾き飛ばされてしまうような迫力。すべてが魅力だろう。
 2000年頃の滝澤で私はおいしい思いをさせていただいている。全盛期はとっくにすぎており
特別の負け戦が主戦場となっていたがそんなレースに乗るとかっての意地がもちあがるのか、
よく1着をとって万車券を提供し何回か取らせてもらった。さすがに今では記念でも勝つ事は難
しくなってきたがそれでも走る続けるに違いない。中野浩一のようなスマートさはなく「不器用」
が似合う選手である。もっと早い時期にマーク屋に転身していればタイトルのもう二つや三つ
は・・・それでは滝澤ではなくなってしまうか。

 競輪場の方は公園の中にあるということもありしかも500バンクなので広々としていた。昨日
の立川ほど入っていないこともあろうが。かってここで日本選手権を開催した時枠番連勝式し
か発売せず車番連勝式を発売した場外の立川の方が来場者が多かったという話もあるくらい
だから。普通大きなレースがあったらそれまでに準備するだろうに。
 この日はヒラ開催で同様に500バンクである大津びわこや大宮で感じたようにA級、B級だと
どうしても間延びしたような印象がありあまり面白いとは思わなかった。場内でもそう食べたい
と思うものもなく暑かったこともありやはり3レースほど見て帰ることにした。

 立川、千葉とも再訪するチャンスに恵まれずこの1回しか訪問していないのですがいつかグ
ランプリを生で見たいものです。


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