青森競輪・門別競馬


平成10年10月5日・7日
 北への旅打ちも最後になってしまった。何度も訪れた北海道もこれからはそう行くことはない
だろう。結局残ったのは行きにくいところで行程を組むのにはだいぶ苦労した。行き帰りは飛
行機としても門別競馬はクルマで行かざるを得ない。そこでJRのレール&レンタカーを利用し
た。200キロ以上JRに乗る場合割引料金のレンタカーだけでなく運賃も2割引、特急料金も1
割引になるという切符で途中で行程を変えない限り非常に便利でお得な切符である。公共交
通期間を利用しての旅打ちを原則としていたがここと北見競馬は仕方があるまい。本当は青
森競輪もレンタカーを利用したかったがさすがに両方は・・・ということでバスで行くことにした。
電車の本数も少ないし行き方も決まっているので行程を変えることはないだろう。

 伊丹空港から青森空港行きの飛行機に乗る。青森空港と青森競輪場は地図上では近接し
ているのだがどちらも山の中にありこの間の道はなさそうである。結局一旦市街地に出て競輪
場行きのバスに乗らざるを得ない。
 飛行機は新潟上空をすぎ海岸線に沿って北上していった。右下に円錐形の山が見えた。こ
こまで円錐に近いきれいな形の山は珍しく富士山よりも美しかった。見とれていると客室乗務
員が「鳥海山です。私たちの間では日本で一番きれいな山だって言ってますよ」と声をかけた。
飛行機は空港上空を越え津軽半島の先端部分までいきそこでぐるりとターンして着陸体勢に
入った。ところが全く地面は高いままである。おかしいなと思ったら突如標高が高くなり滑走路
が見えた。小高い丘の上に空港はあったのである。

 青森駅行きのバスに乗り駅で降りて無料バスに乗りかえる。割合混雑しておりほっとする。バ
スは長々と線路に沿って走った。津軽新城という駅の近くで左折し山奥に入っていった。この
津軽新城は最寄り駅になろうが歩いていけるような距離ではない。山道に入ってからもだいぶ
走り結局駅から30分くらいかかって競輪場についた。
 競輪場と付属施設しかないような山奥で夜なら熊やサルが出てきかねないようなところだっ
た。こんな所の選手宿舎に泊められたら怖いだろうなという気がする。非開催日はサルの運動
場と化しているのではなかろうか。車での来場が当然メインなので大き目の駐車場があった。
あとこの競輪場で面白いのはバック側には入れるもののスタンドはなく公園のようになっている
ということである。スタンドを建設する予定で止まっているのかはたまた元々の計画なのかは
定かではない。現在はこの部分にはねぷたが展示されているらしい。
 青森競輪のホームページはなかなか充実している。時々掲示板の方に書き込みもさせて頂
いているのだが毎年お正月に管理人様からメールが届くのには非常に驚いている。そんなこと
もあって非常にいいイメージを持っていたがそれを裏切ることはなかった。場内で売られている
りんごジュースもさすが本場という味だった。最近(といっても10年以上経っているか)移転し
ただけあって施設はまだ新しく居心地はよかった。辺りでは紅葉も始まっておりなかなかの眺
めでもあった。もう少し近ければいいのにと思うのだが市街地に近ければこんな光景は見られ
ない。

 同じように無料バスに乗り青森駅に戻る。青森といえばやはりりんごでありまず外れはない。
何度か購入したことがある駅前の市場のとある店で20個入りの箱を実家に送っておく。店の
名前は覚えていないのだがなぜか青森に来るたびにこの店で買っている。私は意識していな
いが送り状を見るといつもこの店だと母が笑っていた。ついでに言えば私の弟も青森に行った
とりんごを送ってきたことがあるらしいが同じ店だったそうな。
 快速に乗り込み函館に行き今日はここで泊まり。

 この日(10月6日)の門別競馬の開催はないので函館で観光にあてる。例の如く路面電車に
乗り込み谷地頭温泉の赤いお湯に入り行先を検討する。朝市の冷やかしは飽きたし函館山も
夜登るものだから・・・ということで五稜郭にする。五稜郭の周辺は住宅地になっておりイメージ
とは少々異なるので戸惑った。路面電車をこちらに延長しようという動きもあるらしい。北海道
のバス停や電停は市街地でも距離が長く「停留所2つか。じゃあ歩いていくか」と行くと1.5キ
ロほどあったりする。そんなこんなで街歩きは結構疲れ特急北斗に乗り込み苫小牧に行き泊
まる。

 駅のレンタカー事務所は9時に開くので8時50分頃行くともうやっていた。典型的な北海道系
の顔、ジャンプの原田雅彦選手を思わせる風貌の担当者が「どちらの方面に」と聞いてきたの
で「日高」と答え道順を教えてもらう。最近高速道路が途中まで開通したということなのでそれ
にのって行くことにする。苫小牧の市街地は4車線の区間もあるがだんだん細くなっていき高
速も1車線だった。そして車は1台も見当たらなかった。たまに何度かすれ違う車は馬運車ば
かりなのが土地柄である。高速国道なのだが無料共用中で仮に有料だったら本当に誰も走る
まい。
 高速道路を走ったせいで10時前には競馬場近くまで来ていた。こんなに早く行っても仕方が
ないのでその先まで車を走らせる。道の両脇には牧場が広がり名前の知らない馬たちが遊ん
でいる。西山、シンボリといった本当に門構えまで立派な大手から今にも崩れそうな厩舎(失
礼)のところまで見ながら走り11時過ぎに競馬場に着いた。

 駐車場は土のままでほこりが舞っていた。いかにも形だけという感じの入場門がありその前
にバス停があった。なんだ、バスもあるのかと見てみたら従業員の送迎バスのバス停だった。
ややこしいものを建てるものである。門を入ると4コーナー側でスタンドはゴールの前に申し訳
程度にあるだけでホームストレッチに沿って歩き続けないと馬券も買えない。ちょうどレースも
始まっており馬に追い越されながら歩いていった。コースは広く内側にも各馬場や練習用コー
スがあるがターフビジョンはもちろん着順確定盤さえない。そんなところがもともとトレーニング
センターだったことを思い出させる。ちなみに着順確定はテレビモニターでのみ行われる。
 スタンドは200人も入ったらいっぱい、という感じでこの日も団体らしき集団が占領しており
座るところはなかった。売店を兼ねた軽食堂がありおにぎりとそばを食べる。そんなにうまいも
のではないが外に出たところで外食産業が存在するようなところではなく食べられる時に食べ
ておいた方が無難である。発泡スチロール容器のそばを立ったまま平らげスタンドの外でレー
スを見ることにする。外は晴れておりこの方が気持ちがいい。青空が見えても気温が低いのが
北海道である。もともと日高地方は南向きなので割合暖かい。パドックもスタンドとコースの間
にありスタンド内にいると移動距離がないというずぼらな構造になっている。あくまでもレース場
で馬券は札幌などでどうぞ、というつもりなのだろうか。この日のようにスタンドがいっぱいだと
パドックもゴールもろくに見られないことになる。まあ場内はこんなもんだろうと思っていたので
来たことだけで満足し3レースほど見て競馬場を後にする。

 早来の方に行こうと浜厚真というところから内陸部に入った時あっと気づいた。道も方角もわ
からなくなっていたのである。地図を見てもどこにいるのかわからない。周りはすべて同じ風景
(単なる原野)で現住所は電柱だけが頼り。ときどき十字路が現われるがこの道を曲がればい
いのか、直進すべきなのか全く見当がつかない。車は1台も通らない。時間と太陽の位置を見
てこの方角だと思う方に曲がり全くのカンで車を動かした。ガソリンはあるがこのまま帰れなく
なったらどうしようか、そんなことをほんの少し考えた。30分ほど同じ状況を繰り返し上厚真の
集落が見えてきた時にはほっとした。郵便局で道を確認し早来へ抜けることが出来た。カーナ
ビがないとヘタしたら野垂れ死にだなと本気で思った。私がカーナビがほしいと思ったのはこの
時だけである。
 だいぶ寄り道したのでレンタカーの距離が心配だったが割増料金を払うことなく苫小牧の事
務所に返却した。サーモン寿司を買って電車に乗り込み千歳空港から大阪に戻った。

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