松山競輪


平成11年6月14日
 最後の未踏公営競技場は松山競輪場でした。なぜ松山が最後に残ったのかといえばここは
土・日・月の3日開催で自分と休みが合わなかったこともありますが移転の計画がありどうせな
ら新しくなってからと思ったこと、松山には知り合いが多くいていつでも訪問できると思っていた
ら最後になってしまったということもあげられるでしょう。結局移転はだいぶ先延ばしになり20
05年あたりになりそうです。

 松山へは今でも多くのルートがあります。大阪からのフェリーも健在ですし九州は小倉からも
フェリーが、広島からは高速艇もあります。瀬戸大橋を渡り鉄道ルートもいけますが福山からし
まなみ街道のバスを使うのも面白いです。もちろん飛行機だって飛んでいますし。陸海空より
どりみどり、お好きな交通機関をどうぞ。私は上記の全てを試したことがありますが松山競輪
旅打ちに際しては往復飛行機という一番面白くないパターンで行っています。高知競輪のとこ
ろに書いたようにJR四国に絶縁状を叩き付けたからでもありますが。

 松山空港から市街地へのバスは普通の路線バスだった。それくらい近いということなのだろ
うがしょっちゅう乗降がある。探せば直通のリムジンバスみたいなのもあったかもしれないがま
あ急がないしこんなのも面白い・・・と思ったのは行きだからだった。
 伊予鉄道の松山市駅でバスを降り競輪場に向かう。競輪場は松山城内にあり松山市駅から
歩いても15分とかからない。路面電車の南堀端停留所からならもっと近いが松山市駅からは
一つ目だけに乗るほどの距離でもない。JR松山駅からの場合道後温泉行きの路面電車に乗
れば便利である。この松山の路面電車は5分間隔くらいで走っていながら停留所の時刻表に
は律義に時間が全て書いてある。普通「この間5分間隔」などと手を抜きそうなのだが。松山の
路面電車は小規模ながら面白く今ではここにしかない「電車の交差点」や環状路線、坊っちゃ
ん列車と称するレトロ調車両もあり松山訪問の際はぜひ乗車をお勧めする。

 移転を控えているだけでなく史跡(松山城)の中ということで改築もままならないという理由で
競輪場はスタンドを含めて古いままで一部分でも直していこうという気さえないようだった。スタ
ンドの椅子はメインスタンドもコーナーも鉄板の長椅子でところどころ錆が浮き出ている。昔の
動物園なんかを思い出す感じである。穴場は金網を張ってありなんとも物々しいというかそん
なに信用できないのかと憤慨したり。500バンクの内側は陸上のトラックになっているが高知
競輪同様使用している形跡はなく雑草がはえていた。最後に残った場がこんな具合だとは
少々興ざめだが仕方がないか。街中ということもありそう人口の多くないわりににぎわっており
ほっとする。移転すると当然郊外になり新しいのに観客が少ないという矛盾が出てくるのではと
いう恐れもあるが地方都市の場合車での来場がメインになってくるだろうしそれなら今よりも行
きやすくなるだろう。梅雨のさなかだが今日は晴れており古ぼけたコンクリートの打ちっぱなし
は熱くエアコンのついているところは人が一杯でエアコンの役目を果たしてはいなかった。そん
なわけで3レースほど買って早々に逃げ出してしまった。場内では何も食べなかったように思
う。というより当たりそう(食中毒)な気がして手が伸びなかった。それくらいの蒸し暑さと汚さと
いうところで。
 余談ながら松山競輪のホームページではこんな場内の写真を載せているが(私が行った頃
と殆ど変わりはない)これを見て松山競輪に行こうと思うのは怖いもの見たさかレトロ研究家だ
けだと思う。

 汗を流しに道後温泉に行く。松山といえば坊っちゃんで夏目漱石が自身の松山中学での教
師生活をもとに創られた小説だが夏目漱石は本来松山ではなく岡山県の津山中学に赴任す
る予定だったらしい。もし津山に赴任していれば坊っちゃんの舞台は津山で湯郷温泉あたりに
行っていたかもしれないが松山以上の田舎である津山が小説の舞台になったかどうかは疑わ
しい。当時の東京と田舎の差は我々の想像以上に大きかったはずで「面白くない」と思ったの
は漱石も同じだろう。散々ネタにされている松山だがそれに怒ることなく観光資源にしているの
は心が広いというか、何でもありというべきか。

 松山市駅に戻り行きと同様に路線バスで空港に向かう。ところが途中の停留所での乗降が
あまりにも多くだんだん飛行機の時刻が迫ってきた。私以外にも飛行機に乗ろうという人は多く
同様にいらいらした顔をしている。スーツケースを持った人と学生服という妙な取り合わせのバ
スは学生服の比率を段々落としながら空港に向かった。空港近くになりさすがに乗降客はなく
なり猛スピードでバスはターミナルビルへ向かっていった。

松山競輪ホームページ


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