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芦屋競艇
平成10年5月12日
関西在住者にとって芦屋といえば芦屋市でありこの市はギャンブルとは全く縁が無い。市内
にパチンコ屋も無いくらいである。芦屋競艇といわれてもどこにあるのか長らく疑問だったが福 岡の芦屋町と聞きどうしてまた福岡県に3ヵ所もと少々うらやましく思ったり。実際に芦屋競艇 を訪れたのはそれから大分たってからのことで競艇場としては全場で最後の訪問でした。
午前中福岡市内で用事があったのでそれを済ませて昼前の電車に乗る。最寄り駅の遠賀川
駅は普通しか停まらないと聞いていたので普通に乗っていたら途中で快速に抜かれ特急に抜 かれていった。ここは無料送迎タクシーがあると聞いていたので乗らねばなるまい。そう思いつ つ12時34分に遠賀川駅に着いたらタクシー乗り場にいる係のおばさんは片付けをしていた。 尋ねてみるとこの間までは無料タクシーは13時までだったが最近12時半までに短縮されたと のこと。おいおい、そんなもの電車の時間に合わせろよと私を含めた4人でぐじゃぐじゃ言って いたら一人が何か言った。おそらく「行かないものは仕方が無いし4人で頭割りしましょう。大し た金額にはならないでしょう」という意味のことだろう。早口で方言だとさすがに聞き取れない。 そんなわけで見知らぬ4人は同じ車に乗り込み競艇場に行った。田舎の競艇場だし他の3人 同士は顔見知りか何かかと思ったがそうでもないらしかった。遠賀川に沿って北上し15分くら い走っていったら大きな駐車場が見えその中を走って競艇場に着いた。
後でわかったことだが無料タクシーは快速の停まる折尾駅からも出ており抜かれる時に乗り
換えておけば折尾から乗れたのである。
非常にのどかな競艇場だった。こんな風に緑に囲まれた競艇場は他には三国や唐津くらい
か。その静寂を破るかのようにボートが走りさらに「キーン」という金属音までした。対岸の向こ う側には自衛隊の基地があり訓練の飛行機が離着陸していたのである。緑が多いのは防音 対策かもしれない。飛行場のさらに向こうには玄界灘が広がっているはずだが見えない。ただ 潮の香りはするのでそう遠くはないのだろう。尼崎競艇なんかもそんな感じがするがここでは 海は北側になる。スタンドは北を向いているので東に向かってスタートする形になるのだが私 はまた錯覚してしまうのである。西に向かってスタートしている=カドが優勢と。太陽より海を信 じてしまうというのは海の近くで育った人間の宿命なのだろうか。
少々古ぼけたスタンドが建っているが北向きのせいかガラス張りだった。ただしガラスはサッ
シ窓の為窓枠がやたら目立ち非常に見にくい。そして薄汚れていた。鳴門競艇のスタンドのよ うな形で鳴門の場合海に面しているので汚れやすいのはわかるのだがここの場合は陸地であ る。掃除をサボっているのではという感じがした。
スタンドの裏には大屋根のついたスペースがあり反対側に食堂があった。このスペースでは
朝市なんかもやっているという。私が来た時には来場時間が遅かったせいか何もしていなかっ たが。
とりあえず先に食事にしようと食堂に入りちゃんぽんを頼む。九州の公営競技場ではおなじ
みのメニューだがどこでもそこそこの味のものが出てくるのは素晴らしい。少なくとも関西の街 中の中華屋よりはいい。そんな九州の各場のちゃんぽんの中で(全ての場のちゃんぽんを食 べたわけではないが出来るだけ食べるようにしている)一番美味しいちゃんぽんだった。
スタンドは屋内しかなく前述のように見にくいので外で見ることにする。締切間際に関わらず
舟券発売中は常にBGMが流れている。一応レース間毎に音楽は違っていたが歌謡曲のほか にオリジナルソングもあった。なんとも牧歌的な歌であった。
そしてアウト艇から狙っていた私の舟券はことごとく紙屑となり芦屋町の財政に大きく貢献す
るのであった。村や町が運営するところは応援したくなるものだが少々大きく外し過ぎたか。錯 覚に気づいて修正しようとしてももう遅かった。現在芦屋競艇はタワーまである立派なスタンド を作っているが(「ふたたび行くと」参照)だいぶ貢献したことは間違いない。
とぼとぼとバスに乗り込み折尾駅まで向かいかしわめしを買って小倉へ。新幹線で帰ったの
であった。
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