尼崎競艇
  


 尼崎競艇の最寄り駅は阪神電車の尼崎センタープール前駅である。かってこの駅名は全国
で2番目に長い駅名(路面電車を除く)として知られていた。ちなみに一番長いのが名古屋鉄
道の蒲郡競艇場前(かな15文字)駅だから競艇場関係が上位を占めていた。最近は地方の
第3セクター鉄道が冷やかしの如く次々に長い名前の駅をつけるようになった為何位くらいに
なったのかは知らない。
 小学生の頃駅の電車の運賃表に「尼崎センタープール前」を見て競艇場だとは知らず大きな
泳ぐプールだと思い込み親に連れていってくれと言ったのを思い出す。親がどう答えたのかは
思い出せない。

 
阪神電車から見たセンタープール              正門。やたらでかいのは住之江と張り合っているのか?

 そんなアマ(なぜか尼崎は競艇場に限らずアマと呼ばれる。「どこ住んでるの」「杭瀬」「アマか
ら来てるんだ」という風に)に初めて行ったのは15年程前である。高校の友人だったF君が競
艇好きでよく話しをしていたので一回見てみるかということで行ったのである。
 プール前で降り専用通路を歩く。今みたいに屋根のついた通路じゃなく普通の歩道と金網で
区切られたいかにも、という通路である。岸和田競輪にもそんな通路が最近まであった。15時
を過ぎていたがまだ3レースくらいは楽しめるだろうと思い入場門に着き入場券を買おうとした
ら警備員が来て無料だというのでそのまま入った。入ってみると11レースのレース中だった。
最終レースが16時前だなんてずいぶん早仕舞いだなと思った。少し歩いたところの売店群か
ら香ばしい匂いが漂っていておりその中の一店に入りてんこもりにされた焼きそばをかき込
む。関西人にとってソースの香りは麻薬のようなものである。店内ではここで舟券が買えるとい
うことでメモ帳(はずれ券の裏)に買い目と金額を書き込み店員らしき人物に金額ともども渡
す。最終レースを見る為店を出ようと食事代を払おうとしたらいいですとのこと。競艇はサービ
スが良いなあと思いスタンドへ。スタンドは建て増しを重ねた温泉旅館のようにばらばらで統一
感が全くなく黒ずんだコンクリートの上に所々欠けたプラスチックの長椅子が並ぶ。この椅子
は座るものではなく立つものらしい。レースはあっけなく終わり当然ながら外れる。こうして競艇
初体験は終わったのである。

 
1マーク側スタンド                        新スタンド

 さらっと書いてきましたが何かおかしな事が。何がなんでも売店で舟券が買えるなんてことが
いくらサービスのいい競艇だからといってあり得るのか。
 そう、これはノミ行為だったのである。私がメモを渡した店員らしき人物は胴元側の人間で売
店での飲食はこの胴元が支払ってくれるのである。それにしてもこんなに堂々とノミ行為が行
われているというのも恐ろしい。まさに無法地帯。私が気づかなかったとはいえノミ行為に加担
したのはこの時だけ。
 現在この売店群は殆どの店が閉鎖されているが(一部は新スタンドに入っているが)その理
由はこのあたりにあるようだ。
 なお現在残っている売店や新スタンド内の食堂でこのような行為は行われていませんので念
のため。

 
ピット。後方は駅への専用通路             名物の多幸焼き

 その後何度も通ううちに競艇というものがわかってき面白くなってきた。ただ地元兵庫に強い
選手がいないというのが残念だった。他県の選手が優勝をさらっていくのはあまり気持ちの良
いものではない。現在の兵庫支部の状況を見ると感慨深いものがある。が、ここ一番で力が
出し切れないような気がする。大事な時にフライングしたり。吉川、魚谷、松本、聞いてるか。
 ボートピア新開地がなかった頃は住之江と尼崎の同時開催も多くそんな日は当然ながら売
上は半減した。現在尼崎では来場ポイントカードがありますが住之江と同時開催の日はボーナ
スポイントがあります。「いい予感、尼に来るたび狙うたび」というキャッチフレーズは近隣に阪
神競馬、園田競馬、甲子園競輪、西宮競輪、住之江競艇とライバルに囲まれた尼崎が産んだ
名キャッチでしょう。現在尼崎とは少々縁が遠くなっていますが向かい風になることが多くかま
し優勢の水面は競艇の醍醐味を味わえるすばらしい場だと思うのは私だけでしょうか。
南向きのスタンドは晴れていれば冬でも暖かく(そのかわり夏はとてつもなく暑い。審判席は大
変だろうと思う)古い温泉旅館のように建て増しを重ねたようなスタンドは新たに生まれ変わり
長椅子は個別の椅子に変わり非常に過ごしよくなっています。昔ながらの雰囲気がいいという
方は1マーク側のスタンドへ。ここには上方に高圧線が通っており改築は難しそうなのでまだま
だこのまま残るのでは。
 予想屋は大喜社がいいですね。的中云々ではなく一開催を通じての予想結果を的中、外れ
に関わらず貼り出しています。高配当を当てた時だけどでかく貼り出したりする予想屋が多い
中全てを出すのは自信がないとできない事です。もちろん客は「あ、今日はこの人不調だな」と
思えば予想を買わなければいいのですから。

 最近はSGの開催も多くなった尼崎。ナイターの予定もあり(発表だけでその後の進展がない
のが不安だが)ますます楽しみです。

専用通路の入り口。競艇場は「スタジアム」らしい

尼崎競艇ホームページ

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