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足利競馬・高崎競馬
平成9年7月31日、8月1日
北関東は旅行者にとって非常に行きにくいところです。大阪からだと数回にわたる乗り換え
が必要、車中心の街づくりの為公共交通機関の本数が少ないと「よそ者は来てくれるな」と言 わんばかりの状況。私の母も「星野富弘美術館に行きたい」と言っていますが連れて行けそう にはありません。羽田空港や東京駅からレンタカーでは遠すぎますし。
秋葉原のホテルを出て浅草へ。浅草寺を抜けてウインズ浅草に行き前売りを購入し東武浅
草駅に戻る。それにしてもこの東武浅草駅は狭い。4つのホームの内二つは特急用ホームに なっており残る二つのホームから準急が発着する。ホームの先端はカーブして大きく車体と開 いており事故が起きないのか心配である。とても大手私鉄のターミナル駅とは思えない。1時 間に1本A準急と呼ばれる停車駅の少ないタイプが走っておりそれに乗る。急行りょうもう(現 在は特急)で行こうかとも思ったが急ぐわけではないのでいいだろう。途中で抜かれたが。
それにしてもこの東武鉄道、ミニ国鉄なんて呼ばれているだけあってちょっと都心を外れると
のどかな雰囲気である。そんな駅を特急スペーシアが通過するのを見るとサファリラリーで原 住民の住まいの前をカラフルなマシンが埃を立て通りすぎるのを思い出す。途中駅で貨物列 車を追い越し最後部に緩急車が連結され車掌が乗っているのを見てびっくりする。旧国鉄でさ えとっくに貨物列車のワンマン化を終えている時代である。まさにミニ国鉄。
注:この直後に貨物列車の車掌は廃止されさらに貨物列車自体も廃止された。また「A準急」も
現在はありません。
足利市駅に着きバス乗り場のポールを見る。県別地図帳を見てバス路線があることを確認
していた。それくらい情報は少なかった。そして唖然とする。バスは1日4本しかなかった。私の 母の実家は岡山県の秘境みたいなところだがバスは1日5本ある。ここは秘境以下か。タクシ ーに乗り込み競馬場まで、と告げる。「競馬場のどちらへ」と聞かれたので不審に思いつつ「入 場門お願いします」と答える。運転手と話したところ関係者だと思ったらしい。渡良瀬川の堤防 のような道路を約15分で到着。競馬場周辺には幟がずらりと並んでいた。
スタンド内に荷物預かり所があったので預ける。住所に「大阪」とかいたらおばさんにびっくり
される。バックストレッチの向こう側は渡良瀬川なので景色は開けている。南向きなので結構 暑い。新聞を買い見てみるが・・・調教タイムが載っていないのである。何という手抜きの新聞。 記者も何を参考に印をつけているのだろうか。こんな新聞を参考にする気にもなれず騎手リー ディングを見て買うことにする。馬券は全く磁気化されていないシングルユニット券だった。払い 戻し窓口では機械を通すこと無く全くの手作業で払戻金を数えていた。このようなシステムはこ こが最後だった。残念ながら払い戻しに並ぶことはなくオールスカだった。暑かったこともあり 帰ることにする。そしてリベンジは果たせないまま廃止されてしまった。
負けたのでタクシーの世話になる気にならず最も近いJRの駅だという山前駅まで歩くことに
する。白線を引いただけの歩道を20分ほど歩きようやく小さな駅に着く。15分ほど待って電車 が来た。ようやく冷房にあたりほっとする。完全にのぼせ上がっており頭が痛い。この日は桐 生競艇も開催しており電車からも見える。行くつもりだったのだがその気になれなかった。その まま高崎まで乗りホテルにチェックインした。
次の日は高崎競馬に向かう。新幹線の駅から歩いて行ける競技場は珍しい。小田原(競
輪)、水沢江刺(水沢競馬)くらいか。新幹線側の出口からてくてく歩いていくが競馬場が近い 雰囲気はない。そこに向かっていくような人も見えない。10分ほど歩いて回りの家々に紛れる ように競馬場のスタンドが見えた。 ![]() ![]()
前日の足利競馬で懲りたこともあり専門紙は買わなかった。スポーツ新聞の片隅を参考に
買うことにする。そしてこの日も暑かった。暑くなると思考が鈍ってくるものらしい。全然当たら なかった。スタンドの下の方は椅子が無いスタイルだったがこんな立見スペースが必要なほど 人が来るとは思えない。そしてここの設備はJRAの払い下げのようなものばかりだった。馬場 をならすウニモグからゲート、スタート台に至るまでJRAのものにそっくり。スタート台にJRAの マークがついているのを見た、という話を聞いたことがあるが私は確認していない。 ![]() ![]()
この日は大阪まで帰るつもりだったので1時過ぎに競馬場を後にする。今回は北回りで大阪
まで帰ることにする。高崎から越後湯沢を経由し直江津に出て北陸回りで。これでも距離だと 東京回りより短いというのだから驚きである。暑い時に競馬場めぐりは無謀だったなと思いつ つ帰ったのである。
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