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江戸川競艇・取手競輪
平成9年2月4日・5日
江戸川競艇は河川をそのまま利用した競艇場で、競艇創成期の姿をそのまま残しているよ
うな感じがします。私はずっと江戸川で競艇をしているものと思っていましたが実際は新中川で 「江戸川」は所在地の区名に由来するようです。少々紛らわしいですが。また川といっても河口 に近い為満潮時には逆流することもありまた運河としても利用されている為航行船がレースの 合間に堂々と通り過ぎたりと水面状況は非常に厳しく一度は見て見たいなと思う競艇場でし た。そんな江戸川競艇と取手競輪に行ってきました。 ![]()
東京駅から京浜東北線で秋葉原に行きそこから総武緩行線へ。東京の場合緩行線と快速
線は別々に動いており乗り換えの便は全く考慮されていません。それどころか快速が普通に 抜かれる(快速は特急に抜かれる為長時間停車することがある)という腹立たしい思いをした こともあります。平井駅で降りると無料バス乗り場には長蛇の列が出来ています。一番後ろに 並びバスに乗り込みます。バスは渋滞の中をのろのろと進み20分ほどかけてようやく競艇場 につきました。これに懲りて平井からは2度と行っていません。都営新宿線の船堀からだと歩 いても10分くらいで2回目の訪問以降はここを利用しています。総武快速線の馬喰町で乗り 換えれば便利ですし。ここの無料バスは都バスですがたまに施設会社のバスも駆り出されま す。レース終了後は競艇場から宿舎へと選手を運ぶバスですのであの選手と同じ椅子に座れ るかも、という期待も少々。 ![]() ![]()
系統番号が「艇」の無料バス 屋上の様子
立派なスタンドが建っていますが場外発売所の如く椅子は殆どありません。快適にレースを
見ようと思ったら特別観覧席しかないようです。かってはかなり高額でその意味でも注目を集 めていたものですが今は普通の値段に収まっているようです。堤防を越えると内側に椅子が 並んでいますが鉄板の長椅子で背もたれはありません。まあ堤防内ですから流木に引っかか ったりするような障害物は作れないのでしょう。大時計や標識にも河川の占有許可証みたいな ものが貼ってあります。出走表はもちろん新聞の予想面にも潮の流れる方向が記載されてお りこれが重要なファクターになるようです。単純に考えて下げ潮だとまくり有利、上げ潮だと逃 げ有利という感じがしますが実際には枠なりに進入し1号艇が連を外すことは殆どありません でした。考え様によっては当てやすい競艇場でここしか行かないというマニアが存在するのもう なずけます。私もたまに行くから面白く見られるのであっていつもこういうレースだったら見飽き てしまうかも知れません。 ![]() ![]()
スタンドと堤防の間には道路が 堤防のスタンド
スタンド内にはいろいろな物が売られていますがなぜか串に刺したものが多く大判焼きやシ
ュウマイまで串に刺して売られています。串物といえば焼き鳥や串カツ、おでんくらいしか思い つかないだけに非常に珍しく思ったものです。単に箸より串の方が安いから、というような理由 の気がします。まあ大阪の串カツにもしゅうまいはありますが。その他の食べ物を含めてどち らかというとおやつ系主流です。これといったものは見つかりませんでした。
堤防の椅子で煙草をくわえながら競走の合間の水面を見ているとタンカーがやってきまし
た。西日本では石油はローリーで運ぶのが殆どなのですが関東や中部になるとこうした内航タ ンカーや鉄道輸送がシェアを伸ばしているようです。河川を航行するタンカーは初めて見たの で興味深かったのですがL字で片方にキャビンがある形状は大きさに差はあれ外航タンカーと 同じです。中身が重たいだけに曳き波もかなり大きく通りすぎた後救助艇がやってきてぐるん ぐるん競走水面上を回転し波を打ち消していました。航行船の影響で発走時刻が遅くなります とアナウンスが流れましたが慣れっこになっているのか文句を言う客はおらず私一人がいらい らしながら水面を眺めていました。 ![]() ![]()
浮遊物の清掃中 屋上からの眺め
それでも物珍しさもあってか江戸川には後に何度も訪れています。風が強く2周回戦になる
日もありましたし船堀の駅に着いてから「江戸川競艇中止」の看板を発見しおいおいと思った こともあります。かっての西宮競輪同様創成期のとってつけて開催を始めたようなスタイルは サーカスを思い浮かべます。それはそれで面白いのですがこのままでいいのでしょうか。死亡 事故も相次いでいる競艇だけに。
泊まっていたホテルから取手に向かう。上野から常磐線に乗り向かうのだがエメラルドグリー
ンの快速と白地に青帯の普通列車(首都圏では中電というらしい)が走っているものの停車駅 は同じ。ただ快速は取手までしか行かないが中電はその先の土浦や勝田まで行くというだけ の違いで。取手までは直流で電化されているので通常の電車で走れるのだが取手以遠は交 流電化のため両方走れる電車でないと行けない。そういう電車は高価だったのでかっては機 関車の牽引する客車列車が遠距離(仙台あたりまで)へ走っており、機関車は電車より加速が 悪いので停車駅を減らしていたらしい。ところが両方走れる電車が増備されると今まで通過し ていた駅に停車するようになり結局現在のようになったらしい。なんだかよくわからない。 ![]()
利根川の長い鉄橋を渡るとすぐ取手で茨城県になる。いちおうここまでが首都圏なのだろう
が非常にのどかな感じがする。駅の端からディーゼルの私鉄が出ているからそんな気がする のかもしれない。通勤圏はここからさらに奥まで続いているようだがよく通えるなという気がす る。もっとも距離からいえば39.6キロに過ぎなく大阪からだと須磨あたりになる。雰囲気と時 間が距離感を混乱させているようだ。旅打ちとは言いながら私もこの私鉄(関東鉄道)に乗る のが目的で取手まで来たわけで競輪はあくまでもおまけだった。 ![]() ![]()
ホームスタンド(左)よりバックスタンド(右)のほうが新しく特別観覧席つき
無料バスで競輪場に向かう。駅前を出るとすぐに坂を上りすぐに降りる。しばらく進んでまた
丘を登ると競輪場だった。アップダウンの激しいところである。とりあえず2〜3レース見ようと 古ぼけたスタンドに陣取った。400バンクながら直線が長いような気がしたが気にするまでも なかろう。関東のB級一般戦に知った選手がいるわけもなくもともと長居する気がなかったから 専門紙も買わずスポーツ紙の片隅の車柱と地乗りを見て買ったが言うまでもなくかすりもしな かった。ここの車券は「取手競輪」の文字は隅っこに用紙に印刷されているだけなのが珍し い。大きく書かれているのは「茨城県」だった。(投票券いろいろ参照)
売店スタイルの食堂が何店かあったが何も食べていない。現在は2ヶ所に統合されているら
しい。弁当箱に好きなだけおかずを入れられるスタイルもあるらしく(おかわりは出来ないから バイキングではあるまい)なかなか評判もいいみたいで楽しそうである。 ![]() ![]()
3レースまで見て駅に戻ったのだが帰りはバスはないので歩いて駅に戻ることにする。坂は
意外ときつく特にいったん上ってから降りるのを知っているだけに「トンネルでも掘れよ」と真剣 に腹が立ったものである。厚いコートを着ていたこともあり2月だというのに駅にたどり着いたと きには汗をかいていた。
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