海外輪行事情
旅とサイクリスト

  ☆ 航空機
  ☆ 列車
  ☆ 長距離バス
  ☆ 路線バス
  ☆ タクシー

◎始めに

○ 海外での自転車輸送は、日本国内と比べると、非常に融通が利くように思いますが、以下の交通機関で、必ず積んでくれる、という保証は出来ません。
ただし、私個人としては、もう海外に輪行袋を持って出る事は無いと思います。


○ 各交通機関における自転車の扱いは、日本と比べて乱雑です。
航空機の場合、輪行袋に入れて預けるよりも、壊れにくいとは思いますが、壊れないという保証は出来ません。

☆ 航空機

以下の航空会社については、自転車を完成車のままで、積んでもらった事があります。

エール・フランス
タイ航空
キャセイ・パシフィック
フィリピン航空(受付カウンターは日航)
ブータン・エアー

私はバンコク発着のチケットで動いていた事もあり、空港にいきなり持ち込んでいるのですが、断られたことはありません
国内からの発着でしたら、航空券を購入する前に、飛行機会社で確認することを、お勧めします。

○料金
国際線の場合20キロ以内は無料ですから、その範囲にまとめれば、自転車も無料です。
私は、サイドバッグのひとつを、フットレスト代わりに、機内へ持ち込むので、フル装備の時でも、その範囲で収まっています。

○ タイヤの空気圧を落とす
以前は、後で空気を入れるのが面倒なので、高圧のまま積んでもらっていたのですが、ある時、前後のチューブ共、バルブの付け根で、スローリーク(ゆっくりとした空気洩れ)が発生しました。
荷物室の与圧が不充分ですと、こういう事が起こり得ます。
国際線では、念のため、落とす方が無難です。

○ ペダルを外す
付けたまま預けた時に、係員が私の自転車に乗って遊んでいた、という事がありました。
空気圧を落としているため、チューブが、八の字切れを起こす恐れがあります。
また、横積みされた場合、クランクやペダルシャフトが、曲がる可能性が出てきますから、外すことをお勧めします。

○ サドルやチューブにカバーを掛ける
私は気にしませんが、そのまま預けると、各種シール類をサドルやチューブに張られる事があります。
シールは強力で、なかなか接がせません。

☆ 列車

以下の国で、完成車のままで、自転車を積んでもらいました。

タイ、インド、フランス、スイス、オーストリー、ドイツ、スペイン

○ 料金
高くて乗車賃の半額程度でしたが、元が安いので、あまり気にならないと思います。

○ ヨーロッパ
近郊列車では自分で客車内に持ち込める場合がありましたが、長距離では、あらかじめ預けた上、連結されている貨物車両に積み込まれますので、二時間ぐらい前までには、駅に着いておいた方が無難です。
また、長距離列車では、積んでもらえる場合と、別の列車で送られる場合がありましたが、駅の時刻表には、マークでそれが記されていました。

○ アジア
インドでは、北部と南部では対応が違いまして、南部はヨーロッパに準じていますが、北部ではちょっと面倒でした。
駅に着いて真っ先にすることは、どこかのポーターが、ナンバープレートと呼ばれている、二十センチ四方の板を持っているので、それを捜す事です。
私の場合は、そのプレートだけで、五十ルピーを請求されていました。
以後の手続きは、受付場所を含めて、駅により異なるようです。
また、面倒な書類もありますから、ポーターに任せる方が無難です。
ただし、ポーターに任せると、他のガイドを連れてきたりして、さらに、五十ルピー程度を請求される事が多いです。
私はそれに抵抗をした時に、押し掛けガイドが自転車を指して、
「バザール」
と言われたり、メーターのラインを切られたりという事がありました。
また、自転車が確実に積み込まれたかを、必ず確認して下さい。
降車時は、降ろし忘れを予防するため、真っ先に積み込まれた車両に行って、その場で受け取るか、所定の場所まで付いて行くかして下さい。
大きな駅では、いったん見失うと、見つけるのも大変です。

他のアジアの国では、ヨーロッパに準じるようです。

☆ 長距離バス

○ アジア
アジアでは、一般の長距離バスは、荷物と人を、一緒くたにして運びますから、自転車も、そのままで積んでもらえます。
自転車は、バスの屋根に積まれるのですが、この時ポーターから、料金以外に、20バーツとか20ルピーといった程度の、チップを請求される事が多いです。
自分で積まないといけない場合もありますが、一人旅の場合は、下に置いた荷物が心配になりますから、近くにいる人をつかまえて、チップを払ってでも、積んでもらった方が無難です。
ただし中国では、非常に親切に対応してもらいました。

○ ツーリストバス
ツーリストバスと呼ばれている、外国人相手の豪華バスは、基本的に載せてもらえないようです。

ヨーロッパの長距離バスには、積んだことが無いので、わかりません。

☆ 路線バス

アジアでは、空いている時には、そのまま車室内に持ち込める場合もあるようですが、基本的には屋根の上です。
ダメだと言われても、自分で載せて、少額のチップを払うか、チップを押しつけて、積んでもらえば良いでしょう。
ただし、混んでいるバスは避けましょう。

ヨーロッパでは、モンブラン・トンネルが、自転車走行禁止のため、一度利用しましたが、他はわかりません。

○ 料金
ヨーロッパでもアジアでも、料金は無料から、最大で、おとなひとり分、というところでしょう。

☆ タクシー

完成車のまま、トランクに頭から、積み込まれます。
運転手は、トランクから、自転車がはみ出していても、全然気にしません。
もちろん傷が入っても気にしません。
気にされる方は、当て物をするとかの、工夫が必要です。

○ 料金
特別料金を請求される場合もありますが、アジアでは、乗車賃自体がええ加減なので、交渉の余地ありでしょう。
自分で積んだ場合は、チップも不要だと考えています。

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