独り言

そんな道行くより、こっちの道の方が良いよ

   道を尋ねると、よく言われますね。

   自転車の事を知らない人は、大抵、広くて、路面がきれいで、真っ直ぐな道を教えてくれます。
   国内ならどうしてもこの道を行きたいと説明して、入り口を教えてもらったり、自分で地図を見て確認したりできるのですが、海外なら、それも自転車遊びを知らない国なら、ちょっとやっかいです。
   大ざっぱな地図から、小さな道の入り口を見つけるのは大変ですからね。
   それに、せっかく教えてもらっても、変な奴と思われるのは面白くないですし、自分にきっちり説明できない事にも、なにか、もやもやする物がありました。
ところがある時その答えが思い浮かびました。

   その時私は、タイ北部のツーリングを終え、ナンに向かって進んでいました。
タイ切っての田舎に向かっているというのに、道路は広く真っ直ぐで、おまけに平らで、絵に描いたような嫌いな道?でした。

   気がつくと、あまりの退屈さに、何故こんな道が嫌いなのかを考えていたのですが、この時、長年の疑問が解けました。
「眼一杯にアスファルトとコンクリートが拡がっている」
これです!!!
気付いてみると、こんな単純な事でした。
私はそれを視野率と呼ぶ事にしました。
これは他の場面にも当てはまります。

   日本(左側通行の国)で海沿いの道を行く時は、時計回りが良いのは、そうする事で、海の視野率が高くなり、逆回りだと、コンクリート壁や道路の視野率が上がるからですね。

   日本で峠を越える時、河が進行方向に向かって左側にある方が楽しいのも、このためですね。

   こんなアホな事で悩んだり、感心したりしているのは、私だけかな?

どうして、こんな所に来てしまったのかなあ?

   そう思うのって、よくある事ですよねえ?

   出発前から、ある程度予想がついていたのに、何故か引かれてしまったんですよね。
もっと気持ちの良い所が、行くだけで、胸が熱くなるような所が、いくらでもあるというのにね。

「そんな奴、おらんやろう」って?
「自分で決めたんやろう」って?

   その通りかも知れませんが、ある程度分かっている好きな土地より、まだ見ぬ土地へ行きたくなる事も有ります。
   そんな時にこそ、極たまに、予想を超えた出会いや驚きがあります。

   そんなわけで、次こそ日本でツーリングと思いながら、アジアにばかり出かけています。
   でも最近は、アジアの旅にも慣れてきたので、そろそろ他の所に・・・

ツーリングとリスク

「日本ほど安全な国は無い」
と、よく言われますね。
実際、私も旅をしていると、何度か怖い目に遭いました。

   道を走っていると、シューン、パン、と言う音と共に、こぶし大の石が数個、私の前後に落ちてきたり、

   山道で銃を持った猟師が、眉間にしわを寄せ、トリガーに指をかけながら、
「一人か」と、鋭く尋ねてきたり、

   やはり山道で、出会う人がみな、私の姿を認めるなり逃げ出したり、

   ちょっと休憩に立ち寄ろうとした村で、警告の発砲を受けたり、

と言う程度の事は、別に、外務省が危険情報を出していないような所でも、時々起こります。

そんな事を気にしていては、アジアの旅は出来無いなあと思います。

でも、これって、普通に考えれば、やはり無謀という事になるのでしょうか?
でも、アジアで田舎道を走るのなら、ある程度は仕方がないと割り切らなければ行けません。

ちょっと感覚が麻痺してきたのかなあ(=_=)


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