天使の落し物

 

地球の夕焼けを見に

時々天界より降り立つ、天使がいると云う

大気を持っている地球上の夕焼けは

太陽系きっての景勝地となっている

その日も砂漠の夕日は

地平線の空を紅々と染めながら、沈もうとしていた

少し時間を間違えた天使は

あわててオゾンホールを潜り抜け

何時もの小岩に降り立った

一時の至福を堪能した天使は

やがて天界に帰っていった

重大なミスを犯した事に、気付かないで


それは天界の芥を、地球に持ち込んではならないと云う事である

その日あわてた天使は、オゾンホールの手前で、体を叩く事を、すっかり忘れていた

そして

岩陰に落ちた天界の芥が

やがて芽を出し始める事も

 

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