上埜 進Prof. and Dr. Susumu Ueno)

    Last Update: 2011/09/05          HOME PAGE     ENGLISH                      戻る 上へ 

                                           


 

 

 

 

 

  

 

  修士論文の作成について

・修士論文がどのようなものなのかを早い段階で知っておいてください。

・複数の候補となるテーマを探し、それぞれが、どのようにアプローチできるのか、また、資料はどれだけ入手できるのかを調べ、その上で、テーマを絞ってください。

・研究課題を特定したら、参考文献リストを作成し、文献研究を行ってください。

・文献研究を踏まえて、論文の構成、各節の内容の箇条書き等をして下さい。

・この段階からは、先生のチェック、ならびに指導を受けて下さい。

・評価ポイントは、「論文としてのまとまり」、「文献調査の完全性」と「内容のレベル」といったことになると思います。

  
修士論文の作成スケジュール


一回生前期: 財務会計・管理会計の基本書を読破する

一回生夏休み:  雑誌『会計』の1990年以降の管理会計論文の要約表を作成する。

一回生後期: 修士論文のテーマの決定と概要書の作成

一回生春休み: 修士論文の草稿の作成

二回生前期: 外国論文の追加

二回生夏休み: 修士論文の草稿の完成

二回生後期: 修士論文の手直し(学会報告)

 

  注意

 
 修士論文は、研究課題に関して既にある文献を整理し、要領よく解説するといった程度のことを目標にしてください。構想をまとめて論文にすることは容易でありません。したがって、自分で何か新しいことを考案し、それを論文にするといったことは期待されていません。実際、そうしたことは一、二年という短期間でできません。

 研究とはどのようなものかを知るために、上埜進著『日米企業の予算管理 ー比較文化論的研究ー 増補版』を精読してください。なお、修論テーマは、上埜進著『管理会計ー価値創出をめざしてー』(\4,000税務経理協会)や上埜進他訳『行動会計学の基礎理論』(\3,500 同文館)の中にみつけることができます。歴史的な視点も取り入れると修論が立体的になります。廣本敏郎『米国管理会計論発達史』(\6,500 森山書店)や伊藤博『管理会計の世紀』(同文館)の購読を勧めます。

 学部の卒論では、執筆上の注意事項として以下の指示を与えております。
@「です。」「である。」といった表現様式を卒論全体を通して、いずれかに揃える。
Aプリントアウトした原稿を、三回程度、時間をかけてゆっくり読み返して、表現、漢字転換、その他のミスがないかを点検し、校正を行う。
B表紙、目次(必ず設ける)、本文、参考文献と謝辞(追記)は別ページとする。
C本文の各節では、その節が何のために、何を目的に準備されたのかを、各節の始めに手短に述べる。
Dはじめにでは、論文での研究目的、それを選んだ動機、論文の構成を論理的かつ明確に述べる。
Eおわわりは、研究目的の確認、論文の要約、研究からの知見、取り残した課題といった順序で作成する。はじめに と おわりにを読むだけで、論文内容を知ることが出来るようにする。
F感謝文や感想文を挿入する人は、謝辞、あるいは追記と記して、論文の最後に掲載する。

様式が大切なことは、これまでも述べてきたとおりです。卒論は君たちの大学生活のまとめであり、一生の記念となる作品です。
すばらしいできばえを期待しております。

 修士論文の審査をしていて毎年気になることは、少なからずの論文が大変にお粗末であることです。
 論文としての形式を欠いている、書き上げた論文を読み返すことなく提出しているのか、日本語の誤り、漢字やスペルの誤り等が目立つことです。よく推敲された論文に出会うことは希です。また、原典からの引用ではなく、二次的な引用で済ませている論文が目立ちます。外国の制度を論じているにもかかわらず、その国の文献を全く用いていない論文も多いようです。

 残念ながら、学部学生が執筆したすぐれた卒業論文に及ばない修士論文がみられるというのが甲南大学経営学部の現況です。修士論文には修士論文としてのレベルを期待されていることを肝に命じ、論文作成に取り組んでください。


 社会人大学院生は、得てして、@勉強に費やす時間が少ない、A英文文献や分析的(数学手法を用いた)研究論文を理解できない、B論理構成力が弱いといった弱点を抱えています。これでは、フルタイムの学生に見劣りします。弱点を克服する強い意思をもって論文作成に取り組んでください。