袋田(ふくろだ)の滝〜生瀬(なませ)の滝〜月居山(つきおれさん)

 今回はついにメジャーな滝である。日本三大瀑布のひとつ袋田の滝(他は華厳の滝、那智の滝)を見に行く。インターネットの紅葉情報では最盛期だそうである。実は一週間前から最盛期なのだが時間がとれずこのタイミングになってしまった。果たして紅葉はちゃんと見れるのだろうか。
 また、紅葉情報によると周辺には奥久慈渓谷というのもある。多分、久慈川周辺の広い範囲が見所で電車やドライブしながら見るものなのだろうが、袋田の滝も含まれているのだろうか?その他の名所はどこ?何も情報がつかめない。よくわからないから一駅分、川沿いを歩いて見ることにしよう。そうすれば素晴らしい景色に出会えるであろう。
 まずは上野から常磐線スーパーひたちに乗り水戸まで行く。そこからは水郡線(水戸から郡山)に乗る。車窓からの景色を見ていると、紅葉はちょっと最盛期過ぎてるという雰囲気。まあ木の種類が違えば時期もズレるから実際は現地に行ってみないとわからないと思うことにする。
 途中から久慈川が見えてきた。ここから奥久慈渓谷の景観が見れるかと思ったが大した見所もなく袋田駅(写真左)に着く。水郡線は駅員がいない駅が多いので車掌さんが電車から降りて切符を回収してくれる。
 ここで半数近くの客が降りる。駅は小さく、路線バス、ホテル送迎バス、タクシーが止まっているが袋田の滝まで3km弱なので景色を見ながらのんびり徒歩で行く。ちなみに袋田の滝はこの駅の南で久慈川に合流する滝川という川にある。
 滝までの道は看板が出ているので迷うことはない。それにしても平日なのに車が多い。道を横断するタイミングがなかなか取れない。みんな滝に向っているようだ。
 滝方面の山は灰色の岩肌に黄色や赤の紅葉で彩られている。この秋いろいろな渓谷でよく見た風景だが、この周辺がそういう風になっているということは知らなかったので、期待がどんどん膨らんでくる(写真右)。
 道の周辺に飲食店、土産物屋が見えてきた。鮎の塩焼き、こんにゃく、うどん、そばあたりが名産らしい。まだ昼には早いので帰りにいただくことにして先を急ぐ。観光バスから降りてくるツアー客がいる。平日とは思えない人の多さである。普通の観光地のハイシーズンの休日くらいはいる。さすが茨城、いや関東の誇る紅葉の名所だ。
 有料トンネルで300円を払って、滝を目指す。だんだんと滝の音が大きくなってくる。観爆台につくと人が結構いる。そこからは目の前が全て滝である(写真左)。やはり三大瀑布、スケールが違う。上から計4段の美しい滝である。滝の種類の説明で段爆の例としてこの滝が必ず出てくるわけである(一般の人はあまり知らないか)。霧状の水しぶきがかかってひんやりと冷たい。さっそく最前列にいって写真を撮る。滝の全景は大きすぎて入りきらないし、青空も綺麗だし、紅葉も入れたいし、夢中になり一気に50枚くらい撮ってしまった(写真左下)。
 次に滝の下にある吊り橋に向かう。吊り橋の手前には係の人がいて券のチェックをしている。お金がなくてトンネルにいけない人は別ルートで吊り橋までしかこれないということらしい。自分はお金払ってさっき観爆台から見たんでもう満足だし。と思って吊り橋のところから滝を眺めるとこれまた絶景(写真右)。滝の上部には切り立った岩が、左手には先ほどの観爆台が見える。なんかすごい風景だ。この滝は見るところによっていろいろと姿を変えてくるのである。また写真を撮るはめになった。しかし、実は写真を撮るポイントがまだ数箇所残されていることをこの時は知る由もなかった.。

 吊り橋を渡ると袋田自然研究路の階段が山に向かって伸びている。またまたいつものとおり滝から山へのハイキングパターンである。
 少し登ると人が数人いる。滝の上部が見えるポイントだ(写真左)。なぜか道で肘ついて寝転んで見ている男がいる。気持ちはわからないでもないがそりゃちょっと・・・。
 途中で道が分岐している。川沿いのほうにいくと生瀬の滝が見える。紅葉の木々の隙間から見えるその滝は袋田の滝の1/6くらいのスケールだが風景に溶け込んで絶妙である(写真左)。つい生瀬勝久(俳優)を思い出してしまうが、彼もそんな名脇役である?

 ここからは月居山を目指して階段をどんどん登っていく、周りの山はどこも紅葉していて澄んだ秋空の下、遠くまで見渡すことができる(写真下)。いったん山の頂上に出るが、特に何もないのでそのまま下っていくと、赤と白の建物があった。ハイカラ(古っ)なトイレだなあと思ったらそこは月居観音堂であった(失礼)。すぐ下には鐘が吊るされてある。
 近くで案内地図を発見した。どうやら月居城跡というのがちょっと登ったところにあるみたいである。「若い人には、ここから男体山へ足をのばすコースもとれる。」という案内にちょっと挑発されそうになったが時間的余裕がないのでそれはやめておくことにする。
 月居城跡までは結構急でところどころにロープが付けられている。頂上はちょっとしたスペースの場所であたりはもみじで覆われていて、3分くらい紅葉している。既に来ていた数人が弁当を広げて談笑している。月居城は佐竹家の家臣袋田定義が築いたものだそうであるが当時を偲ばせるものは下にあった観音堂くらいでここには何もない。
 もう13時になってとにかく腹が減ったので緊急用に持ってきていたカロリーメイトを食べる。
 先ほどの案内板まで下り、分岐から滝の下流に出る道に進路をとり、昔からあると思われる杉並木の道を下る(写真左)。立て札によるとこのあたりは幕末に天狗党と諸生党が戦った場所であるらしい。

 途中でベンチのある休憩所がある。なんでこんなところにと思ったらここも滝が遠くに見渡せるポイントだった。また、下ったところにある飲食店が立ち並ぶあたりも滝を見ることができるので写真を撮り、駅方面に戻ることにした。

 カロリーメイトでは腹の足しにならないので何か食べたいが時間もない。こんにゃくもそそられるが、いかんせんエネルギー補給には向かない。結果、鮎の塩焼き400円を買う。ずっと焼いてるので皮が燻製にちかい。最初はおいしく食べていたが、食べ進むにつれて食べにくいことに気付いた。食べれば食べるほど串の周りの肉が剥がれ、安定感がなくなる。しまいには頭と尻尾でなんとか串にしがみついているが、ぶらぶら状態である。なんとか完璧でないまでも食べたが、今度はこれをどこに捨てたらいいものか。案外、ゴミ箱が無いものである。何度も観光客とすれ違う。当然、骨だけになった魚串は、すれ違うのとは逆の手に持ち替えて隠す。自分が食べ始めるところを見た他の客は、「あっうまそうだな。自分も!」と思うだろうが、食べ終わった姿を見られると「そうか、案外鮎の塩焼きって処理に困るなあ。やめとこう」と思うに違いない。
 結局、土産物屋がなくなったところあたりで大きい缶を針金でぶらさげた吸い殻入れを発見し、そこに入れて一件落着。
 もと来た道を引き返し、久慈川沿いに出た。ふと川を見渡すと関東あたりでは珍しい沈下橋がある(写真上)。四万十川でよく見かける、洪水時に水に浸かることで流されるのを防ぐあの橋である。 この川は川幅は結構あり特にまわりに岩場があるわけでもなく、川沿いの紅葉はもう終わりに近い状況のようである。渓谷のイメージからはちょっと遠い。どっちかというと川下りに向いている川である(写真右)。歩いていると道沿いのちょっとしたスペースにベンチが置いてあったりする。しかしそこで一休みして景色を眺めるという気もあまりしない。結局、想像していた渓谷の風景はここにはなかったのだが、故郷山口の錦川(三大奇橋の錦帯橋が架かってる。地元では水中橋と呼んでたが沈下橋もあり、川沿いに電車が走り、鮎が取れる)になんとなく似ていて郷愁を誘われるのであった。
 街に近づくと観光やながある。やなとは竹とかで水流をせき止め、そこに飛び込んでくる鮎とかを手づかみでとったりする漁で、子供にはウケが良さそうである。しかし今は営業してないみたいだ。
 その先には道の駅「奥久慈だいご」がある(写真左)。車は満車に近い。トイレの手洗いのところにはなぜかリンスinシャンプーのでかいボトルが置いてあった。石鹸と間違えて危うく使うところだった。奥久慈しゃもカレーにそそられるが電車の時間に間に合うか心配なので、奥久慈りんごソフト300円でエネルギー補給をする。下校途中の女子高生もソフトを購入していた。東京みたいにハーゲンダッツとかサーティワンとかないからあたり前なんだろうがなんとなく違和感があるなあ。

 常陸大子駅から水郡線に乗り帰ったが寝不足と疲れのため風景をみる間もなく眠りについた。

−あとがき−
・常陸大子から郡山に向かって次の駅に下野宮という駅があり、滝の裏側に入れる月待の滝があるんですが、袋田の滝で時間をくってしまったのと、電車の本数が少なくタイミングが合わなかったのとで結局行けませんでした。このあたりはどこの駅に降りても山や川などそれなりに見所がありそうなのでまた機会があれば来ようと思います。

【参考移動時間】 袋田駅
−徒歩50分→袋田の滝−徒歩15分→生瀬の滝−徒歩20分→月居観音堂−徒歩10分→月居城跡−徒歩25分→袋田の滝−徒歩1時間10分→道の駅奥久慈だいご−徒歩15分→常陸大子駅
【所要時間】 4時間40分(上記以外に休憩時間含む)