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一般台日記 1

 平成14年7月某日

 旅打ちを終えた今、私はパチンコに依存する生活をやめた。もっとパチンコの奥深くが知りたくなったのだ。以前のパチンコをしていては踏みこめな領域に、足を踏み入れてみたかった。
 その為に私はジグマスタイルのパチンコを選んだ。

 

 決めたのは地元のE店。新規オープンから1年弱。
 最初はCRとスロットだけだったが、最近一般台が2機種入れ替えられた。
 スーパーファインプレーとビックシューターV。共に7台ずつの計14台。
 主に打つのはビックシューターの方。
 36個交換で、3200発打ち止め。ひとり2回打ち止めで交代のルール。
 また、20時以降は無制限になるというサービスもある。 

 
 
始めのうちは釘も甘く、かなりの好成績をあげられていた。ところが、釘がしまると稼動も下がり、状況がどんどん悪くなってきた。それでも我慢して打っていたのだが、一時的に1500発ぐらい出ただけで、「今日は調子がいい」などというていたらく。
 早番の仕事が終わり(今はパチンコ屋の店員をしている)、地元に帰ってくるのが18時45分。この時間でさえも、データカウンターが0−0(当り回数ー鳴き回数)だったりするのだから、何をか言わんやだろう。

 そんな状況に痺れを切らし、遂に他の店に様子を見に行ってしまう。とことんジグマというものにこだわろうと決心しながら、早々に我慢ができなくなってしまう。振りかえると、私のパチンコはいつだってそうだった。だから立ち回りだけどんどん上手くなる。もっとも、それが旅打ちの成功の要因ではあったが・・・。
 
 閑話休題。その時の他店の状況は悪いものではなかったが、やはり「なにがしかの後ろめたさ」を感じて、もとのE店に舞い戻る事となった。
 
  もう自分の中では打てる台はない。
 だが、打たねばなるまい。


 あれこれ記憶をたどりながら、選んだのはビックシュターVの377番台。この台は、以前に打ったときに鳴きに不足を感じた台。だけど、ちょっとしか打たなかったので、ただ単に状態が悪かっただけかもしれない。そんなことを考えながら打ち出すと、500円で当り。そこからたいしたハマリも無く出続けてくれた。3700発も出れば、上出来だろう。

 今回は鳴きにそれほど不足を感じなかった。何故これほどの台を見逃してしまったのか?今日の結果から私の決定的なミスが浮かびあがることとなった。
 私がこの台を敬遠してきた理由。それは「ハカマがしぼられていない」という一点である。見た目ばかりを重視して、台のデキ(クセではない)ということを考えていなかった。ハカマはしぼられていなければいけないものだと思いこんでいた。

 そういった思いこみを根底から覆してくれた今日のパチンコ。
 
「これだ!!」
 こういうことを知りたいからこそ、私はジグマにこだわったのだ。


 全く、釘読みの上手い人から言わせれば「何を今更・・・。」というような話であったが、今の自分はその程度の実力。
 今までとは違った階段を、こつこつと上がるとしよう。

投資     500円
回収   10500円
収支  +10000円 

一般台日記 2

 平成14年8月某日

 あれからというもの、すっかり調子を取り戻し、順調にビックシューターで勝ちを重ねる日々が続いた。

 
その日も、いつものように早番の仕事を終えて店にたどりついたのが18時45分。
 「今日は開けているだろうか?」これといった狙い目が無い以上、やはりそういうことを期待してしまう。そんなことを考えながら正面の入口から入場。そこから一番奥のシマへと向かう。
 期待と不安の入り混じる瞬間。


 
すると、見知った顔が一人。以前は同じようにプロだったTさんだ!たまに一般台のシマで見かけるだけに、それだけでは驚かないのだが、ビックリしたのは打っている台とその出玉。Tさんが座っている左から2台目は、シマで一番のクセ悪台。それがもうすぐ打ち止めになりそうなのだから、わが目を疑うのも当然というもの。
 異常事態に戸惑いながらも他の台をチェック。
 うーん、どうも芳しくない。とりあえず、クセ良し台のTさんの左隣に腰を下ろす。
 すると、1000円打ったところで、Tさんがやめて行ってしまった。ならば移るしかないでしょー。クセが変わったかもしれないしね。景品カウンターにいるTさんに一言断って、いざ勝負開始。

 それにしてもジグマパチンコを続けて思うのは、「一般台のクセというものは、本当にがらりと変わる。」ということ。
 クセが良くて好んで打っていた角台は、いつの間にやらどうにもならないクセ悪台になってしまったし、この台だって、パンクの頻度こそ今と変わらないが、以前はクセが良かったのだ!

 
 一軒のパチ屋で打っていると、そういうクセも含めた台に対する想い入れがどうしても強くなってしまう。そして、そんな幻を追い続けて、何度も失敗した・・・。
 だから同じ失敗を繰り返さない為にも、ハマリには手を出すべきではない。分かってはいる。わかってはいるのだが、いざそうなってしまうと、決然たる態度をとれない。そしてずるずると深みにはまっていく。
 もう、こうなったら最後。頭に血をのぼらせながら、当るまで投資する事8000円。
 
 
バカなことをやった。

 しかし、こういうパチンコもいいものだ。何度も同じ失敗を繰り返すのはどうかと思うが、今日は今日で学べた事がある。そうやってパチンコを理解していけばいいのだ。
 その後、当然のように出玉は呑まれてしまったが、粘り強く他の台で頑張って負けを減らしたところで本日のパチンコは終了。
 これにめげずに明日からも頑張っていきまっしょい!!

 

投資   11500円
回収    7000円
収支   −4500円 

一般台日記 3

 平成14年9月某日

 早番の仕事を終え、いつもの時間にE店着。
 すると、なんだかいつもと雰囲気が違う。

 普段は人っ子一人見当たらないファインプレーに、半分以上の客つき。
 しかも見かけない人間ばかり・・・。
 得体の知れぬ異様さを感じながらも、とりあえずビックシューターに着席。
 すると――――――――

 
チャチャチャチャッチャチャー、チャーチャーチャー ドン!!
 ピュイピュイピュイピュイ

 なるほど、そういうことか・・・。
 スーパーファインプレーは”ドツキ”に強いとは聞いていたけど、どうやら完璧ではなかったのね。

 チンピラみたいなやつが1人。その舎弟のようなのが2人。
 まー、昔のパチ屋ならめずらしくもないような光景なんだけど、今でもいるのね、こんな連中が。
 私はパチンコを始めた時から、
「パチンコ屋とは、自分の実力を試す場所。」だと常々思ってきた。
 だから、こういう人達が許せない。ましてや、真の実力が問われる一般台のシマでやられたら尚更だ。

 
荒らすな!!

 ジグマになって、シマに愛着があるだけにそう思ったりもする。

 
・・・・・・・。
 だけどね、悲しいかな私は彼らを完全には否定できない。それは、兵庫県での開店プロに対する考えと同じような理由だ。私は彼らに対して、嫌悪感を抱く。しかしそれと同じように、ニューパルの設定判別で勝っていた私に、常連さんが嫌悪感を抱く・・・・・。
       

 もちろん、”ドツキ”と”設定判別法”という手段はあまりにも違い過ぎる。
 だけど、パチンコで利益をあげようとしていることに変わりはない。

 
結局のところ、私は勝つことの罪悪感から逃れる為に現役を引退したんだろうな。
 働いた後のパチンコ、休みの日のパチンコならその罪悪感も薄まるから・・・。

投資   1000円
回収    1400円
収支    +400円 

一般台日記 4

 あの一件以来、私は自然と一般台から遠ざかっていた。
 心の傷も大きいが、やはり「釘を開けなくなった」というのがもっと大きい。
 そして、その存在を気にはしながらも、CRやらスロットなどを打ちながら、どうにか誤魔化す日々が続いた。
 そしてそんなある日、愛しの台は姿を消してしまった。
 別れも告げられずに・・・。

 
だから今言いたい。
 「色々教えてくれて、ありがとう!色々な思い出をありがとう!!」

 それはいいとして、残念ながらE店はCRやスロットでジグマを続けられるような店ではない。
 現役を引退してから今まで、ジグマパチンコを目指して来たのだけれど、これで全てが崩壊してしまった。

 そのことをきっかけとして、私のパチンコへの接し方が180度変わる事になる。
 
突然、負けて当然のパチンコをしてみたくなったのだ。
 とはいえ、きちんとした理由はある。
 私は今まで、
「勝つためのパチンコ」をずっとしてきた。
 そして
「勝つためのパチンコ」とは、いかに”パチンコにおける楽しみ”の部分を削れるかにあると思っていた。

 だから、いったんそのベクトルを違う方向に向けてみようという気になった。

 そうは言っても、流石にパチンコの回らない台を打つというのではなく、あくまで設定の見えないスロット。つまりは「一応は希望が持てる。」という状況で打つわけだ。

 その後の戦績はというと、スペースバニーというスロットで運良く大勝をおさめたものの、その後は負け続ける日々。”打ちたい”という欲求から、あまりに適当な台選びをし過ぎてしまった。
 でもね、楽しいんだよ。好きな台を好きなように打つのは。
 私はこれまで、そういう打ち方をする人を、ある種の軽蔑の眼差しで見ていた。

 
「そんな打ち方では勝てる筈ないよ」
 「パチンコは我慢しても、勝てる打ち方をした方が絶対に楽しいよ」
 と。

 でもそれは、単なる自分への戒めだったんだろう。
 そういうパチンコへのあこがれを打ち消す為に、自分に言い聞かせていただけなんだろう。

 こうして、新たな視野を切り開いた私だが、結局は元の鞘に戻る事となった。
 
だって私は
 「勝つためのパチンコ」を自分に課し、それを乗り越える事が好きなのだから・・・。

 

 

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