「モリ・プロダクツ」ファンの皆様。明けましておめでとうございます。

本年も、モリ・プロダクツ共々よろしくお願い申し上げます。



長らくご無沙汰しましたが、皆さんは、元気に釣りにでかけていらっしゃることでしょう。うらやましい限りです。

あいつは磯釣りをやめてしまったのではないかと思われた方も。でもこれだけは、誰がなんと言ってもやめられませんね。いろんな面で多忙であったため、本格的に磯に立つことができなかったためです。おかげで、竿やリールなどの釣具はピカピカになりましたし、小物もきれいに整理できました。いつでも出かけられる状況にあります。これからが勝負です。

 実は、この間、短時間ではありますが、何度か釣行はしています。その中からレポートを書いてみることにしました。

 さて、今年はじめてのレポートは千葉県の「銚子」からです。以前、寄稿した「銚子の黒生漁港」の黒島での黒鯛釣りとなります。是非ご一読ください。

 

〔実釣レポート第5弾〜千葉県銚子市「黒生(くろはえ)漁港・黒島」での黒鯛釣り〜〕

 

■釣り場:千葉県銚子市「黒生漁港・黒島」

■釣行日:平成20年10月22日〔海水温:23℃〕

■潮回り:小潮〔干潮:午前03時34分/満潮:午後12時49分〕

■風  :西(弱風〜やや強)

■魚 種:黒鯛

■仕掛け:針:ウルトラチヌ2号/ハリス:シーガーグランドマックスFX1.2号(均等にG7を均等に2個配置)/サルカン:NT10号(G7相当)/道糸:シーガーリアルサスペンド磯1.75号/ウキ:命ウキG3(SM)/竿:ダイワトーナメント磯「競剣」1.0号

■餌  :オキアミM・オキアミボイル(コマセ用の一部で自作)・ネリ餌(コマセを使ってその場で自作)

     ※自分で作ればお金も節約できます。

■コマセ:マルキュー白チヌ一袋・オキアミ3kg

 

 私のホームグランドである千葉県鴨川市(江見地区)の海況が悪く、昨晩、渡船中止が決定した。昨年は、海況が悪い日が多く、由里丸の谷船長が「自分の仕事もできないよ」と嘆いていました。ただ、通常は真鯛を望めない漁場で、5kgを超えるような大物を釣り上げたというようなサプライズが多々あったようです。

ということで、今日は銚子でのんびり竿を出すことにしました。

〔道中でシュミレーション〕

妻を駅まで送り、その足で銚子に向かう。自宅から銚子までは、東関東自動車道「四街道」インターから高速に乗り、「佐原・香取」インター経由で国道を乗り継ぎ、約2時間の道のりである。一本道ではあるが、高速を降りてからが長く、とても時間がかかる。それぞれの釣り場の状況をほぼ把握しているので、こうした時間を使って、各釣り場の立ち位置を想定し、この場所だったら、潮がこう流れていたら、こういう釣りをするというシュミレーションを行なうようにしています。一種のメンタルトレーニングです。ただ、現場では、色んな条件がありますから、なかなか想定どおりにはいかないものです。だから、釣りはおもしろいのでしょうね。

 

〔コマセの仕入れと釣り場〕

 銚子市内に入り、釣具の「アタック5」でコマセを入手する。かなりのエサ取りが考えられるので、「集魚」というよりは「濁り」に重点がおかれている「マルキューの白チヌ」を選ぶ。オキアミも3kg。



 今日の釣り場は、黒生漁港の黒島と決めてはいたが、海がないでいれば「犬吠崎の灯台下」、外川港に隣接する「千騎ヶ岩(せんがいわ)」や「犬若の磯」など、とても景観が良いところで竿を出すことができるので、すべての場所の海況を確認してから釣り場を決めることに。黒生漁港の入口を通り過ぎ、坂を下るとやや左前方に外海が見えてくる。驚くほどのウネリである。駄目だと思いつつも犬吠崎の灯台に到着し、磯屋(焼きそばやサザエの串焼きなどを売っているお店。焼きそばは、イカ入り380円。値段のわりに美味。駐車料金は、1日300円。)の駐車場から眼下の磯に目をやると、全部かぶっている状況。ただ、灯台が立地する崖に亀裂が入り、崩落の危険があるため、現在、立ち入り禁止となっていた。とても残念な気持ちでこの釣り場を後にした。

灯台の入り口にある「磯屋」       灯台下の磯 

 

次いで、外川港に向かう。港内は鏡のようであるが、「千騎ヶ岩」や、ワンドをはさんでその横に立地する「犬若の磯」も大波で、竿を出せる状況にはない。仕方なく、当初予定していた黒生漁港に戻ることに。

    千騎ヶ岩の磯           犬若の磯       

 

〔準備は楽しい〕

漁港に到着し、周囲を確認する。豆腐石(四角い大きな石)が高くつまれた前のテトラには、「がまかつ」スタイルで決まっている4人のグループが入っている。釣況を尋ねると「エサ取りが多く、朝から一枚もあがっていない」とのことだった。黒島周りがあいていたが、手前は、濁り(土色)が強いため、一番奥の沖向きで竿を出すことに。ここは、比較的、大きなシモリや張り出した岩など取り込みの障害となるものがない。黒鯛を掛けることができれば細ハリスでも十分ものにできるところである。

 

〔いよいよ実釣開始。わくわく、どきどき〕

午前11時30分、釣りをスタート。まず、コマセをいれずに第1投。すぐに命ウキに反応があり、上がってきたのは、手のひらサイズのメジナ。かなり魚の活性が高い。これじゃエサは落ちていかない。幸い、この立ち位置での黒鯛のポイントは、18m先にあるため、手前にコマセを投入しエサ取りを寄せ、本命ポイントには、途中でコマセがこぼれないように少し練気味にし、少量投入することでポイントをつくることにした。本命のタナは竿一本と想定。

手のひらサイズのメジナが一投一尾で釣れてくる。しばらくそういう状況が続く。釣りをスタートして1時間が経過した頃、エサが残りだした。本命が集まりだしたと思い、静かに身を潜めながら釣りに集中する。命ウキに前あたりのようなかすかな動きがある。仕掛けを回収すると、オキアミの頭だけが取られている。これは本命かも! 急いで、糸の結節部やハリスの点検とともに、針を小針に交換し、エサ箱からオキアミの小さいのを拾って、再投入。この時のタナは、4m前後。仕掛けがなじんで命ウキが浮かず、沈まずといい感じで潮を捉えていく。「いらっしゃい。いらっしゃい」と心の中でつぶやいていると、それが通じたのか、一瞬、命ウキが止まり、ゆっくり海の中に吸い込まれていった。合わせを入れると、何か掛かる。底に潜るが、それほどの力はない。竿をためて寄せる。浮いてきたのは30cm程度の美しいカイズであった。誰も釣れていなかったので、サイズはともかく、うれしい1尾である。その後、25cmのカイズを追加した(写真撮影後、いずれも海にお帰りいただいた。)。

午後2時30分頃から、本命らしき当たりが遠のき、針掛かりするのは、手のひらサイズのメジナ、ボラやクジメなどとなった。ここで、道糸のキズのチェックやハリスの結節部のチェックと思ったが、休憩をかねて仕掛けを換えることに。風が若干強くなって道糸を引っ張るようになったので、道糸をリアルサスペンドの1.5号(スプールごと交換)、ハリスを1号、竿を06号に、命ウキも自重のあるMサイズのG4に交換する。

午後3時30分。仕切りなおして、仕掛けを投入するが本命の気配がない。潮止まりである。仕方ないので、ポイントを休めるため、コーヒータイムに。周りの状況も尋ねてみることに。テトラで釣りを続けている4人も本命の釣果はない。

午後3時50分。釣り再開。念のため、手前とポイントにコマセを丁寧にまき別ける。そんな中、命ウキに本命らしきあたり。すかさず合わせを入れる。あれ〜空振りか? しかし、竿先に小さな引きがある。あがってきたのは、15cm程度のアイナメの子であった。怖い顔してこちらを睨んでいるので、思わず笑ってしまった。丁重にお帰り願った。その後、エサは取られたり、残ったりで、めぼしい釣果はない。30分ほど経過したところで、ボラの大群が海面をざわつかせている。これは、黒鯛の使者だ!と思い、釣りに集中する。しかし、妻の迎えもあるし、間もなく釣りを終了し、帰宅しなければならない。とそのとき、命ウキが海中に引き込まれる。合わせをいれる。「よし、掛かった!」。底に底にと潜るのを竿を立ててこらえる。竿が軟らかいので、かなり強い引きに感じる。竿の弾力を活かしてゆっくり寄せに入る。首を振っている。これは黒鯛だ。あがってきたのは、40cm前後の黒鯛であった。釣りのスタート時。3尾も釣れると予想していなかったので、うれしい誤算である。本当に運が良かった。コマセで汚れた岩を洗い流し。海に礼を言って納竿とした。

〔情 報〕

私の銚子での過去の釣果を見ると、どこの釣り場もベタなぎで、少し潮が澄んでいる状況が好釣果をあげています。今回の黒島はもちろん、ここで紹介した釣り場は、どこも黒鯛の魚影は濃く、2月までは十分に狙える場所です。是非、トライしてみてください。そして、モリ・プロダクツのホームページにメールで送信ください。よろしくお願いします。
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