先日のバスジャクが解決したときに、危機管理なんチャラとかいう肩書きを持った人がテレビに出てきて盛んに、もっと早い時点で狙撃するべきだったと言っていました。死者が出た時点で少年は殺人者になったのだから、それが当たりまえなのだと言うのです。また、それが正当だという根拠にあげたのが、欧米ではみんなそうしていると言うのですからあきれてしまいました。あきれるというより不愉快でした。
 被害者の方は、本当にお気の毒だと思います。しかし17歳の少年を殺してまで自分は助かりたいと思ったでしょうか?
そんな解決の仕方で亡くなった塚本達子さんの霊は浮かばれるでしょうか? 
 もし17歳の少年が死んでしまったら真実は永遠に閉ざされてしまいす。私達は、これから、何故彼があんなことをしてしまったのかだけでなく、何故あんなことをする人間になってしまったのか考えていかなくてはなりません。悲劇を繰り返さないためにです。彼が生きているというだけで簡単にできることではないことはよくわかっています。それでも生きていれば少しでも彼は何かを発信するでしょうし、いつか彼が大人になって振り返った時に、私たちに教えてくれる事があるかもかもしれません。私たちが彼から、何かを学び二度と悲劇を繰り返さない努力をすること、それが亡くなった塚本さんへの最良の手向けけになるのではないでしょうか。その為にも、彼には生きていてもらわなくては困ると思うのです。  (may.2000)