俳句月刊誌゜「萱」 かや 代表 亀田虎童子
萱
2008
萱は、 先師 瀧 春一の志を継いで、
亀田虎童子が、平成九年に東京で創刊した俳誌です。
俳句を通して人間完成と個性の開花を目指します。
見本誌は、下記へお申し込みください。差し上げます。
発行所 〒125-0054
萱の会
fax 03-3607-3307
:***** 目次 *****
1 萱について
2 亀田虎童子の作品
3 風萱集の作品
4 亀田虎童子句集「百里
」抄
5 自習室-現代の俳句を読む 小島良子
1萱について 萱は、茅と同じように、イネ科ススキ属の植物の総称です。
結社名の萱は、先師瀧春一の第一句集から名付けました。
先師の詩精神を忘れることなく、しっかりと足元を見て歩み、
イネ科の植物の生命力を受け取りたいと思います。
代表 亀田虎童子のきめ細かい作句指導が特徴です。
どうぞ句会をご見学ください。
ご一緒に楽しく勉強いたしましょう。
2 亀田虎童子の作品
綿虫の綿ほどなりし旅愁かな
夕暮れを待つとはなしに干鱈裂く
地球球儀に自転なかりし四温かな
吾死ねば一部屋の空く花木槿
まどろみて田螺の鳴くを聞きもらす
3 萱の作品
神の留守奈良の大仏鼻ひらく
青木 啓泰
雲かかる加賀白山や柿すだれ 伊藤一艸人
ひとりごつ枯あじさゐのたそがるる 荻原 枯石
鼻も入れ濡らす茶碗の新走り
木村 嘉男
秋冷や仏像の持つ素手素足 菅野東洋治
金木犀目黒は坂の多き町 岸 清一
地球儀の海青々と神の留守
佐久間純子
小春日や回転ドアの重きこと 葉月 悠
蓮の実の大きく雨を弾きけり
平佐 悦子
十一月遠いものには手をかざし 堀内 一郎
骨壷に耳無かりけり秋桜 松下 道臣
葉脈も色づきをりし柿落葉
佐藤ただし
一張りは茶席のテント秋祭 土田野里子
4 亀田虎童子句集 「百里」 抄 亀田虎童子 カメダコドウシ 大正15年埼玉県生れ 平成17年 刊
昭和21年「暖流」入会 瀧 春一先生に師事
昭和62年同人誌「雷魚」創刊同人 発行.人となる
平成9年「暖流」終刊のため 「萱」 創刊 代表となる
「雷魚」発行人を退く
「亀田虎童子句集」 「亀田虎童子句集 両端」「百里」
現代俳句協会会員
万年の途中と言うて亀鳴けり
素敵とは敵か味方か葦を焼く
舌を巻く落書ありし荷風の忌
埋めやうなき空席や春一忌
おたまじやくし争ふ手肢なかりけり
夕刊の来てから暮るる辛夷かな
死ぬ前に眠つておこう蝶の昼
引力に目こぼしありき糸とんぼ
鳴き方を忘れし田螺子を生めり
余るほどいのちのあらず粽解く
蟇あるく百里に百の一里塚
白玉や齢いつしかほろにがし
吊されて鮟鱇らしくなりにけり (平成17年刊)
5 自習室ー現代の俳句を読むー 小島 良子
水中に葦の直立百千鳥 伊藤 通明
真言宗智山派の菩提寺から、毎年お施餓鬼の通知と共に大師の教えを印刷した短冊
が送られて来る。これは身辺に掲げて日々心に唱えよということらしい。今回は「自然に
ほとけの響きあり」である。「世界を構成するすべてのものが共に響き合っている」という
意味のようだ。丁度ひもといていた句集「荒神」の一句一句がこの心に通うのではないか、
と思われる。
掲句は感動的である。自然は美しく力強く清らかな諧調で統べられている。見えない水
の中には、芽吹きの力を溜めて葦が直立し、天には多くの鳥が鳴き響もして生命の歓び
を歌っている。人智の及ばないところで、悠久の時をかけて滅びと再生を繰り返す自然の
共鳴を感じる。
鳥渡る胸のうちより羽ひろげ 通 明
ここには帰る鳥に託した敬虔な心情が現れている。時が来て、見えない声に呼ばれる
ように鳥が発つ。「胸のうちより羽ひろげ」とは、単なる鳥の動きの表現に止まらず全身で
自然の呼び声に応える潔さが見える。
「父祖の地にあって定型自在の域を求める」とされる氏の抒情立志とは、かくの如く寛や
かなものなのである。
*********ご覧くださいまして有難うございました *********