最新現場報告  

「医療ジャーナリスト吉原清児の取材こぼれ話」

その一/「病気の素人って、いったい、だれのことですか?」
(掲示板「病気に好奇心!」ー「お医者さんの前では、言いたくて言えなかった『私の一言』番外編)

わかりやすい具体例として、きわめつけの「患者のつぶやき」をまず一つ……。

〈治療の不安を訴えた時、
「素人のくせに、医者の言う事に逆らうな!」
と言われました。
私は素人ではなくて、当事者なのです〉

(H・A 主婦 35歳 大阪府)
[『言いたくても言えなかったひとこと(医療編)』ライフ企画刊より抜粋]

H・Aさんの場合、お医者さんの前ではこの一言をグッとこらえました。が、彼女もタダの患者ではありません。ある出版社が「医療に関する体験文」を募集していると知るや、早速、自分の腹立たしいエピソードを短文にまとめて応募。その結果は、審査員全員が「凄いひとことだ!」と唸りました。応募7481通中の最高傑作として満場一致、「言いたくても言えなかったひとこと(医療編)」部門大賞をみごと獲得したのです。

近ごろ、「素人」とか「プロ」という言い方をやたら耳にしますね。テレビなどでも、関西出身のお笑いタレント(彼らの芸も素人同然なのに)が一般の人を笑いのネタにしたりするとき、「素人のくせに……」を生意気にも連発しています。しかし、素人とプロの違いといえば、医療の世界ぐらい極端な場所はないかもしれません。

ただ、医療に疎いとはいえ、病気になったら、だれでも当事者です。これに対し、病院側は私たち患者の払う治療代で収入を得る。そう考えると、患者と医療者の関係は一種の契約であり、お医者さんの仕事とは、いわば医療を提供するサービス業。すべての人間の幸せ(健康)といのちを左右する神聖なサービス業なのです。ところが、この「医療の原点」をうっかり忘れてしまうお医者さんも世の中にはけっこういるみたいですね。

もし、あなたにも似たような病院体験があったら、このHPの掲示板「病気に好奇心!」に投稿してみませんか。みんなで参加し、「いい医療の姿」を探ってゆきましょう。

……さて、あなたの「言いたくても言えなかった一言」って、何ですか?

(C)2000 KIYOSHI YOSHIHARA