関西〜九州の寝台特急が2008年3月14日で廃止になるということで、最初で最後の「なは」号乗車をしてきました。東京にいた時には寝台特急「あさかぜ」に乗って岩国まで行ったこともありますが、「あさかぜ」もすでに廃止されて久しくなります。鉄道メインの旅行は全くん同行の餘部鉄橋行き以来です。一人で出かけるのは、久しぶりです。せっかく熊本まで行くので、念願だった肥薩線も訪ねました。2008年3月6/7日
追記:廃止の日は出発駅など大勢のファンでごった返したようで、新聞にも写真入りで取り上げられていました。
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(左)倉敷駅に入線する「なは」「あかつき」です。機関車含めて12両というのは、定期旅客列車では倉敷駅に停まる最長編成です。もっとも、長崎行き「あかつき」と分かれたあとの「なは」はB寝台車4両という短い編成ですが(他に機関車と荷物車の計6両)。(右)開放式B寝台に乗るのも最後かも知れません。寝台列車を使う人が減り、乗る場合でも鍵のかかる個室寝台に人気があつまります。私でもやっぱりサンライズやトワイライトの個室の方が快適と思います。しきりがカーテン一枚という昔ながらのこのタイプは消えゆく運命でしょうね。
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こんな車内・車窓の風景も個室寝台になるとなくなります。 |
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終着の熊本駅では多くの人が記念撮影していました。昔は帰省によく夜行をつかった、と懐かしがって最後の乗車をしたというおばさんの話も聞きました。 |
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熊本駅から肥薩線の起点(左)、八代駅に移動です。新幹線の新八代駅ができて、八代駅の方は寂れた感じですが、まだ特急は来ます。人吉までは特急「くまがわ」号(右)です。この列車も以降の列車もそうですが、「ワンマン」との表示がでていても実際は客室乗務員とでも言うべき車掌が乗っていて、車掌業務、車内販売業務、ツアーコンダクターみたいなことまで一手に行っています。
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珍しい石造りの蒸気機関車庫が人吉駅には残っています。 |
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人吉からの肥薩線の昼間の普通列車は観光列車「いさぶろう」号として吉松駅まで走ります。反対方向は「しんぺい」号となります。通常は観光用車両2両ですが、本日は1両が検査ということで指定席の1号車のみ特別車両で自由席の2号車は普通車両での運行です。 |
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こんなグッズが用意されていて、カメラのシャッターを車掌さんが押してくれるサービスもあります。 |
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ループ線のなかにスイッチバックで駅がある、日本で唯一の構造になっているということで鉄道ファンに有名な大畑(おこば、と読みます)。観光列車では、そのへんの説明もしっかりありますし、路線途中に説明の看板も立てられています(こちら)。左上の洗盤は、蒸気機関車時代に顔の煤を洗うために使われたものです。今日は水は入っていませんでした。 |
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蒸気機関時代の給水塔遺構です。外壁のみ残っています。この給水棟遺構も含めて、昨年11月に肥薩線の多くの駅舎・構造物が近代化産業遺産群33の中の「南九州」の項目で近代化遺産として認定されたそうです。大畑駅の詳細はこちら(ウィキペディア)で。 |
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大畑駅から徒歩数分のところに人吉梅園があります。盛りを少し過ぎたようですが、まだとてもきれいで青空に映えていました。 |
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大畑駅のスイッチバック引き込み線を見たりしながら(左上)ループを上がると肥薩線最高地点の矢岳駅に到着です。この駅も前後の大畑駅、真幸駅も現在は無人駅で、運転手がミラーの掃除をしていました。観光用に各駅で2−5分の停車があります。どの駅も明治時代のふるい駅舎が残っています。矢岳駅の詳細はこちら(ウィキペディア)で。 | ![]() |
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![]() | 矢岳駅を出て、矢岳第一トンネルを抜けると日本三大車窓の一つ「矢岳超え」です。霧島連山やえびの方面がよく見えます。ここでも「いさぶろう」「しんぺい」号は数分間停車してくれます。写真には写っていませんが、かすかに桜島まで見えました。 |
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真幸(まさき)駅もスイッチバックです。駅の詳細はこちら(ウィキペディア)で。 |
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ホームの「幸せの鐘」を乗ってきた観光客がならします。 |
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1972年の土石流で流れてきた巨石がホームに残されています。私の後方の石がそれです。
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真幸駅から徒歩数分のところに棚田がありました。西内堅棚田百選と看板も出ています。農水省によって選定されたのですね。ちょうどおじいさんが田の用路を手入れしていました。時期になるとこのようになるのでしょう。
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吉松駅で普通列車に乗り換えて嘉例川駅まで来ました。この駅舎も100年を超えていて、国の登録有形文化財に指定されています。その記念碑もありました。駅の詳細はこちら(ウィキペディア)で。 |
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無人化されていますが、駅を愛する地元の方々によって維持管理されています。 |
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嘉例川駅は有名になって、観光列車(こちらは特急)「はやとの風」号が停まります。5分停まって乗客が駅舎を見学できるようになっています。 |
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こちらも、「いさぶろう」「しんぺい」のような記念撮影サービスがあります。 |
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鹿児島駅が近づくと、車窓に桜島を間近に眺めることができます。電線が気になりますが、線路と海の間の車道沿いにずっと電信柱と電線があって避けられません。 |
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鹿児島中央駅から九州新幹線に初乗りです。流線型の外形も内装もすばらしい列車です。この帰路は新八代まで35分で到着しました。肥薩線経由では、駅に降りながらですが八代から鹿児島中央まで7時間40分もかかりました。スローな旅を楽しんだということです。 |