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【8月16日(水)〜8月22日(火)】

8月16日(水)  函館港 休日兼日和待ち
いつもの癖で、午前4時起床。福島港から函館へ向かう間に、ペラになにかを絡めたのですが、函館の係留場所が
あまりにも賑やかな観光地で潜るのがためらわれたKasayan。人が歩いていないこのチャンスに潜ってしまうことに。
冷たい北の海。それも早朝。久しぶりにウェットスーツを着こんで海中へ。
せっかく潜ったのに、ペラは既に綺麗な状態になっていました。多分、係留時の前進、後進の繰り返しで取れてしまっ
たようです。せっかく潜ったので船底の各部分を点検。防食亜鉛をつけてはや4ヶ月になりますが、四分の一ほど解け
て小さくなっています。毎日、エンジンをかけ、ソーラーパネルを使用しているので、電流の流れる量が多いらしく、通常
の消費量の倍くらいあるように思えました。予備の防食亜鉛も持参してきましたが、横浜帰港までは余裕でもつと判断。
人気の無いのを確認して、コクピットで海水を流すために行水。この場所で行水した人はまずいないでしょう。
(勿論、海パンは履いています)

午前中、GPSの地図ロムの交換作業。次の航海は、北海道から青森へと進むため、早くも交換が必要になりました。
できることなら、北海道と青森以南の地図は津軽海峡でオーバーラップしていて欲しかったのですが、見事に津軽海峡
で分断。津軽海峡を横断する人のことは考えて作られていないようですが、通常のGPSプロッターの半額以下なので、
文句は言えません。
いつものように慎重にGPSの裏蓋を開けてロムを出し入れして無事作業終了。いつもながら緊張する作業でした。
昔の仕事が仕事だったので、抵抗無く、こんな作業をしていますが、まったく関係ない仕事をしている方ならちょっと
ためらうのでは・・・。知り合いの方に、「安くいGPSプロッターがあるよ〜」とお勧めしてしまいましたが、ふと心配に。

昼は、徒歩30分ほど、函館駅の先にある自由市場へ。
函館朝市は、ものが高くてちょっとガッカリでしたが、こちらは、地元の人も買いにくるような小さな店がたくさん並んでいて
価格もやや安め。美味そうな海産物を物色。北海道ならではの干物を博多でお世話になった天気おにいさんに発送。

夕方6時、KasayanのホームポートのクラブYBCの広報担当で、ヨット「エスポワージュ」のU氏の函館在住の友人K氏
が来艇。U氏がKasayanの入港前に親友のK氏に連絡をして下さり、函館を案内していただけることに。
まずは、K氏お勧めの老舗のカレー屋で、チキンカツカレーとポークカツカレーを賞味。地元の方のお勧めだけに絶妙な
味。異国情緒溢れる函館ならではの味に触れることができました。
カレーのあとは、地元の方ならではの、函館の裏夜景を見に車で20分。普通、函館の夜景は函館山から見ますが、
K氏が案内してくださったのは、五稜郭を過ぎて函館山とちょうど反対側にある丘の中腹。
広大なジャガイモ畑の向こうには、函館の夜景と、函館山、そして海に浮かぶ漁火が広がっていました。
3日前に見た函館山の夜景も綺麗でしたが、北海道ならではのジャガイモ畑から一望する景色は、また一層美しく
そして雄大でした。U氏とK氏の連携プレーでまたまたお世話になりっぱなし。

渡島地方の短期予報では、あさってまで波高が3メートル。
台風の影響もあって東の風がずっと強めに吹いています。太平洋側からのうねりと、津軽海峡の潮にさからう東風。
休養でなかったとしてもKasayanの技量なら、結局、日和待ちになっていたでしょう。
函館の街は、本当に暮らしやすく、美味いもの、そして美しいものが多い街。
明日は、五稜郭まで行くつもりです。

 
GPSの裏蓋をあけてROM交換の作業。             函館の裏夜景 ぼんやりと黒い山が函館山



8月17日(木) 函館港 休日兼日和待ち
台風9号は、北海道の東でのたりのたりと遊んでいて、波高実況を見ると、北海道や東北の太平洋側は、うねり
が3メートルから5メートル。海上保安庁の通報によれば、津軽海峡の東のはずれ、下北半島の東側の尻屋崎
では、うねりが3メートル。函館の天気は素晴らしく良く、風もベストコンディションなのにとても出港できる状況では
ありません。下北半島の北側にある大畑港までは進むことができるかもしれませんが、尻屋崎を回って八戸まで
の海岸線は大きなうねりが押し寄せていて、たとえ走れたとしても、入港時に恐ろしい思いをすることになりそうです。
紀伊半島の尾鷲港入港の際、台風のうねりでずいぶん怖かったので、下北半島の東側のように太平洋に剥き出し
になっていて、港がうねりに対して弱いところでは、うねりが2メートル以下まで下がらない限りKasayanは山のよう
に動くつもりはなし。

休養を中心に考えて函館に入港しましたが、結果的には日和待ちになっています。精神衛生的にはとてもラッキー。
函館で休養兼日和待ちになったことも本当にラッキー。ひなびた漁港も良いですが、よっぽど気に入った漁港でも
なければ、4日以上の日和待ちでは、さすがに飽きがくるというもの。
でも函館は、すでに中5日の停泊新記録となっていますが、飽きがくるどころかまだまだ物足りないくらいです。
このHPのタイトルは「航海記」になっていますが、このままでは「Kasayanの観光記」になってしまうのではないかと
ちょっと心配しているところ。

エンジンのメンテナンスも終え、GPSのROM交換も終え、次の航海の航海計画も終え、船底の点検まで終えて
あとは、ひたすら観光を楽しみながら、来るべき天気のチャンスを待つだけ。
観光だけでも良いのですが、貧乏性のKasayan、とりあえず、何かしら船のことを一つはしておきたいと考え、今朝は
コクピットロッカーの整理と、エンジンの後ろ側とPSS付近の拭き掃除。エンジン付近は、できるだけ綺麗にしておく
主義のKasayan。もし、オイルや燃料が漏れたり、漏水があれば、一発で発見できると考えて少しの汚れも逃しません。
ついでに、ウォーターロックを綺麗に吹いて、CRC666(556のマリンタイプ)を吹きかけておきました。

午前7時30分。アマチュア無線のHF帯を使ったヨットマンのネットワーク「シーガルネット」をワッチ。
思わずチェックインしようかなと思いましたが、ベテランヨットマンの淡々とした情報交換を聞き、未熟者の入る空きを
見出せず、スイッチOFF。

午前中は、女房と二人で近くのコインランドリーへ。洗濯をしている最中、近くの外人墓地まで散歩。
途中、かの有名な高田屋嘉平一族の墓や、日本初の気象観測を行った福士氏の墓のある寺に立ち寄り、記念撮影。
外人墓地は、横浜のそれと同じく、函館港を一望にできる綺麗な所。4日も走っていないと、そろそろ外海が恋しくなっ
て、遠くに霞む矢越崎の波の高さが見えないかとじっと目を凝らしてしまいました。

午後は、まだ足を運んでいなかった五稜郭へ。
暑い中の散策でしたが、木陰は涼しく、ベンチに座っているとゆっくりと時間が流れていきます。
函館戦争の様子に思いをはせていると、Kasayanの頭上にカラスの糞。一変に現実に戻って水呑場でいきなり洗髪。
ウンが付いて運が付いたか?

路面電車で帰艇途中、中島廉売という、地元の人が買い物に来るという市場に寄り道。函館朝市よりもずっと雰囲気がよく、
魚も野菜も超格安。おもわずメロン4個を1000円で購入してしまい、よたよたと帰ることになりました。

明日は、金曜日。土曜日から日曜日にかけて函館〜室蘭のオーバーナイトレースがあるので、先週末ヨットを回航して
いた室蘭のヨットマンが函館に集結します。
GoldenWistaria号の周りの船もいきなり賑やかになるはず。
無事にレースが開催されるように、そして、Kasayanもあと数日で出港できるように祈りつつ、今日はこれで毛布の中へ。
ウッ〜寒!!!。

8月18日(金) 函館港 休日兼日和待ち
深夜午前1時前、ドッスンという音がして、誰かが船の乗り移る音で目がさめました。
泥棒?いたずら?と思っていると、すかさず女房がスライドハッチから顔を出して「寝てるんですよ〜」と叫んでい
ます。バイクで北海道をツーリングしている若者が、船の上にのって記念撮影をしようとしたところでした。
ここは観光地。すっかりGoldenWistaria号は観光地の置物状態。
でも、何事もなくて良かった〜。今夜からは、寝るときにはもう少し、船を後ろに下げて、そう簡単には船に乗り移れ
ないようにしておく必要がありそうです。
それにしても、女房のたくましいこと。驚きに加えて、そろそろ中年が入ってきたのかな〜と心配なKasayan。

台風9号の影響で、今日も引き続き津軽海峡東側はうねり高し。函館と下北半島大間崎を結ぶフェリーが欠航に
なったとのこと。また太平洋沿岸を走る国道では高波のため通行止めの個所も出る始末。
天気は快晴。風もそよそよ。だけどうねりだけが異様に高い状況。

ちょうど台風9号が津軽海峡の東側に蓋をしてしまっているようなので、まだまだ蓋が開くときを待つことにします。

といっても明日は、函館⇒室蘭のヨットレース。うねりは引き続き高めですが、多分、開催されるんだろうな〜。
出場艇は全て30ft以上の大型艇。Kasayanは全艇無事ゴールすることをを祈り、七尾と同じように、スタートを邪魔
にならないように観戦することにしました。

午後からレースに出場すると思われる艇がやってきて、停泊地は、ますます賑やか。
北海道の学校は、今日が始業式ですが、それでも観光客は多く、目の前の緑の島という人工島には客船「飛鳥」が
入港して、ますます夏の終わりの観光地は盛り上がっています。

このところフラフラと出歩いていた二人ですが、今日は、船でゆっくりと読書と、青森県大畑港までの潮の流れの検討。
反流のある函館をスムースに出て、津軽海峡を東へ流れる本流に乗り、尻屋崎から大間崎までの反流をいかに乗り
切るか・・・・・・・。難しい!!!!
女房は、日の高いうちから晩御飯のカレーの仕込み。シャトルシェフでコトコト。

夕方、風が弱まったチャンスにセールを揚げて、各部のチェック。スタックパックのジッパーのついているカバーと、
セールとの間に袋状の部分があるのですが、今航海にあたってワンポンしたときのセールシェープが良くなるように
袋状の部分の面積を増やしました。セールシェープは良くなったのですが、強風時に、この袋状の部分に風が入って
膨らむという問題が発生。そこで風が入らないように強力両面テープを使ってマジックテープを風の入り口に取り付け、
対策完了。2箇所ばかり、縫い付けておいたので、多分取れることはないはず。テストが楽しみ。

今日は、観光も一休みして本当にのんびりの一日。時間の過ぎるのがなんと早いことか。
明日は、スタート観戦のあとは、谷地頭温泉に行くぞー!!!。

PS, 思いもかけないことが起こるのが航海ですが、HPでも驚くことが。昨日メールチェックをしていると、なんとKAZI誌
   編集部からメールが届いていました。おどろいたことに、9月5日発売号の「アクセスtoマリン・ホームページ」(沢地
   繁氏執筆)で、このHPを紹介したいとのこと。
   マスメディアのことですからボツになることは結構あるので、発売までちょっとドキドキ。
   軽い気持ちではじめたHPですが、こんなに大げさなことになるとは思いもしませんでした。
   

ますます賑やかになった函館金森倉庫前

8月19日(土) 函館港 休日兼日和待ち
今日は、函館⇒室蘭のヨットレース。朝から、ぞくぞくとヨットマンが集まり、陸の上だけではなく、船の上も賑やか
になった金森倉庫前。13時スタートにあわせて10時過ぎには、各ヨットが順に出港していきます。
片っ端から舫いを外す手伝いをして運動不足解消をするKasayan。

北海道の東には、引き続き台風9号が居座っていて、波浪予想は、うねり3〜5メートル。風は南東。
レースとしては、あまり良いコンディションではありませんが、参加艇は全て30ft以上。 
うねりに上下されながらも室蘭までワンオーバーナイトで無事到着するはず。
レースが白熱したものになることと、全艇の安全を祈って、函館港外へ出る船を見送りました。

レース参加艇がいなくなった金森倉庫前に残ったのは、GoldenWistaria号と先日一緒にお酒を飲んだY氏の船
スターダストの2艇。係留位置をずらし、再び船首と船尾の4点舫い。
残った函館のヨットの世話役、M氏とY氏とKasayan夫婦の4人で、カリフォルニアベイビーにてランチ。
ほんの少しですが、M氏のヨット歴をお聞きし、Y氏とM氏のベテランヨットマンとお食事を共にさせていただき、
大変光栄な思いがしました。

午後から、Y氏の車に乗せていただいて、恵山までドライブ。
ヨットレースを走る船が、今夜遅くに通過するであろう恵山の海を見るのが目的。
恵山付近は、押し寄せるうねりが磯に砕け、砕けた波がまるで霧のようにあたりに漂っていました。
付近は、昆布の大産地。砕ける波の中には昆布が混じっていて、車の窓を開けると昆布の匂いが車の中
にまで流れてきます。まさにダシの臭いが充満。さすがに北の海。

恵山の灯台からは、3ヶ月ぶりの太平洋が一望。大きなうねりが磯に白波を立てて砕けています。
紀伊半島、枯木灘で、西風とうねりで、今航海唯一の痛い思いをしたこと、尾鷲の入り口でうねりに乗って入港した
ことなどを思い出していました。これから通過する下北半島、尻屋崎はもやに隠れて見えず。
少々武者震いをする思い。
帰りに、Y氏行き着けの350円の温泉リゾートへ。のんびりと湯に浸かりながら、全国の港談義に花が咲きました。

帰艇後、晩御飯を食べていると、いきなり目の前に花火が上がり始めました。
盆が終わり、心なしか夜の人通りが少なくなってきた金森倉庫前はすっかり秋の気配。
気象庁発表のセイブツハコダテの電文によれば、昨日、平年よりも約2週間ほど早く、函館でススキが開花したそうです。

明日は、台風がほぼ停滞したまま弱まって、うねりはようやく2メートルまで下がりますが、明後日には早くも気圧の
谷が接近して、全道的に天気は下り坂。うねりではなく、波が2メートルになってまだまだ、函館に足止めされることに。
待てば海路の日和あり。
世界一周ならば、次の港へ進むために、半年も風待ちをすることもあたりまえ。日本一周ならば、半月はあたりまえ?


船から見た花火(恵山にデジカメ持っていくのを忘れて残念)


8月20日(日) 函館港 休日兼日和待ち
函館の休日(結果的には日和待ち)は一週間を越えて、完璧に今航海の未知のゾーンに突入しています。
台風9号は、ようやく弱まって、熱帯低気圧になりましたが、遠くフィリピンの東では台風10号が発生。
10号の影響は、今のところ北西方面に進んでいるため、今後の影響は未知数ですが、久しぶりに前線を
伴った低気圧が日本海の北部を北東進中。その影響で、早くも明日の津軽海峡の風の予報は13メートル後
15メートル。うねりはおさまったものの、風波の高さは2メートル。
天気の神様は、どうしてもKasayanを北海道にとどまらせておきたいようです。

ならば、とことん留まってやろうじゃね〜か!!!
函館というところは、本当に日和待ちにはすばらしい所。かつて、高田屋嘉兵衛がこの地に住み着いて
しまった気持ちもちょっとは分かりそうな気が・・・・・・。
そして、今日も観光三昧。航海記ではなく観光記でごめんなさい。

先日、函館の裏夜景に案内していただいたK氏から再びお電話を頂き、再び、観光ドライブに連れて行って
くださることに。せっかくの日曜日にKasayan夫婦のためにお時間を割いていただいて恐縮至極。
午前9時ジャスト、船のまん前にK氏の車が到着。そのまま函館の北にある大沼へ。
空いている道を飛ばしておよそ30分ほどで到着。海抜はそれほど高くはないのですが、高原のように白樺の
木が立ち並び、湖のように広い沼には、まるで松島のように小さな小島が浮かんでいます。
そして、背景には活火山駒ケ岳の勇姿が。もともと長野の山育ちのKasayan。ちょうど長野の野辺山高原と
八ヶ岳に似た光景が一変で気に入ってしまいました。
大沼散歩のあとは、近くの山川牧場で北海道ならではのソフトクリームを賞味。

さらにK氏は車を進めること20分。太平洋に面している鹿部町の鹿部漁港の漁港前にある蕎麦屋「やぶ政」へ。
知る人ぞ知る名店らしく、30人は座れそうな店内はほぼ満席。北海道の美味い蕎麦を堪能。
これまた蕎麦王国信州出身のKasayanをうならせる味でした。
ついでに鹿部漁港では、次回北海道を訪れた時のために港のデジカメ撮影。停泊場所のシュミレーション。

さらに車は北へと向かい、駒ケ岳をぐるりと一周。駒ケ岳は見る方向で男性的にギザギザととがった姿を見せたり、
女性的な曲線を見せたりする美しい火山。いつかは噴火湾上から眺めてみたいと心に誓いました。

再び大沼を通過して、函館市内へ。途中、北海道名産の昆布の博物館「昆布館」を訪ね、その後、函館に来たら
行かねばならない「トラピスチヌ修道院」へ。ちょうど夏の観光シーズン。バスが5台も並び、観光客で溢れていま
したが、それだけに観光気分満点。レンガ作りの建物を見学。でも、お土産にもらっても絶対に2粒しか食べられ
ないというジンクスのある「バター飴」は買いませんでした。

再び船に送り届けていただくともう午後4時。まるまる一日、楽しい函館周辺の観光をさせていただきました。

夜になると、船の前にはサックスを持った男性とアコーデオンを持った女性が来て生演奏。
こうしてパソコンに向かっていても涼しい風にのって音楽が聞こえてきます。
明日は、まだ足を運んでいない谷地頭温泉へいくつもりですが、明日は明日の風が吹く?


大沼から見た駒ケ岳


8月21日(月) 北海道 函館港 休日兼日和待ち
夜中の12時。東の風が急に強まり、やや船が横に流される気配。4点舫いの後ろの舫いを少し張ろうと思って
外にでると、同じタイミングで隣の艇のY氏もコクピットに登場。風に反応して舫いの点検に出てきた様子。
ベテランヨットマンのY氏と同じタイミングで飛び出せるようになったか〜と、ちょっと嬉しいKasayan。

午前6時30分。海上保安庁の通報によると、龍飛崎で東の風12メートル。大間崎でも東の風11メートル。
日本海を北東進する低気圧から伸びる温暖前線が東北北部にかかって、津軽海峡付近はすべて東よりの
風。特に大間崎では、東へ流れる海流に逆らう東の風によって三角波が立っているはず。
この低気圧が抜けて西よりの風に変わり、西風がやや弱まったところが、いよいよ函館を出港するタイミングに
なるかもしれません。
午前9時、発表されたばかりの週間天気図を見ると、昨日の予報と少し異なり、明後日以降、2〜3日の間、海峡
付近の天気が安定しそうな兆しが見えています。
この計算結果が大きくかわらないことを祈って午前中から昼寝(朝寝?)。

午後から谷地頭温泉へ。路面電車で3つ目の駅なので、散歩を兼ねて歩いていくことにしました。
谷地頭周辺の函館の古い家は、どことなく異人館風の作りの家が多く、独特の異国情緒があります。
神戸北野町の異人館や、横浜山手の異人館はすっかり観光用の建物になっていますが、函館の場合は、今でも
人が住み、生活が営まれていて、とてもよい雰囲気をかもし出しています。

20分ほどで谷地頭到着。谷地頭には、谷地頭廉売という小さな市場があって、まさに地元の人のための市場。
魚も野菜も超激安。ゆでたトウモロコシ一本100円を買って谷地頭温泉へ。
入浴料360円。露天風呂、ジャグジーもある立派な温泉で、畳敷きの大広間まであります。
昼間からゆったりと温泉に浸かり、大広間でくつろぎながらトウモロコシをポリポリ。


夕方、ジンギスカンの夕食を食べていると、Kasayanを呼ぶ声。隣のY氏はお出かけのようだし・・・・恐る恐る
ハッチから顔を出してみると、笑顔の男性が一人。
お話しを聞くと、このHPを見てメールを何度か頂いていた小樽でヨットに乗っていらっしゃるN氏のご友人の
NM氏。わざわざお仕事の帰りに西波止場まで足を運んでくださったとのこと。
実は、小樽のN氏にはずいぶん前からメールを頂いていて、小樽に到着したら、お会いする約束をしていたのです。
でも奥尻島で北上を断念し、お約束を果たせず、大変申し訳ないことをしてしまったのですが、このような形で間接的
にでもお会いすることができ、とても嬉しくなりました。
また、HPを通じて、今までとても多くの情報や励ましのメールをいただきましたが、改めてHPを作ってよかったと
思うと同時に二人だけでクルージングをしているのではなく、暖かい目で見守られているのだと実感しました。

明日は、雨。今夜は、舫いを少ししっかりと張ってから眠るとします。


夕飯のジンギスカン ビールは北海道限定サッポロクラシック


8月22日(火) 函館港 休日兼日和待ち
日本海を進む低気圧は、発達のセンスを見せず、のろのろと北上。函館にはそよそよと湿った東風が流れ込んで
いるだけですが、津軽海峡は東風の通り道になっていて大間崎では一日10メートル前後の風。
朝のうち、松前の西に発達した雷雲がありましたが、それも東進することなく函館はやや雲が多いものの、夏の
日差しが照り付けていました。

待てば海路の日和有りと言いますが、明日低気圧が北海道の北へ進んだ後、いよいよ待望の西風が吹き始める
気配。その後は、一時弱まっていた太平洋高気圧が北にも張り出してきそうです。
明日の短期予報で出港のタイミングを決めるつもり。
このまま海峡の三角波にもつかまらず、下北半島東岸の霧にもつかまらず南下できるか、いよいよ明日になれば
様子が見えてきそうです。天気の神様、意地悪しないでね!!!!

・・・・・・ということで、今日で休日兼日和待ちも10日目。あっという間の10日間。そして4月22日出港以来5ヶ月
目がスタート。このところずっと遊び疲れたので、午前中は船内で読書。女房は、昨日谷地頭廉売で買っておいた
トウモロコシ3本100円をコンロで焼いて焼きトウモロコシ作り。あまりに美味く出来たので隣のY氏におすそ分け。

午後からようやく外へ出る気になって、路面電車で先日訪ねた中島廉売へ。Kasayanの妹夫婦と甥っ子、姪っ子に
カニとホタテの詰め合わせをクール宅急便で送って遅まきのお中元代わり。Kasayanも時期ではないけれど、つい
欲しくなって毛蟹を一匹購入。さすが中島廉売、朝市で3000円はするカニが1000円で手に入りました。
明日、カニを肴に函館さよならの乾杯をするつもり。

中島廉売から徒歩20分。函館入港前に立ち寄った福島港の漁師さんが教えてくれた回転寿司「函太郎」へ。
採れたてのイカ刺しや自前の沖漬けをくれた漁師さんが「漁師のオレでもあそこの寿司は美味いと思うぜ!!!」と
いっていた言葉が頭に残り、函館滞在中に是非立ち寄りたいと思っていた所。
津軽海峡を一望できる海沿いにある回転寿司にしては立派な店。一皿120円からですが、メインは180円と220円で
やや高め(Kasayanにとっては)。でもイカの握りは透き通った「あの」イカが乗っていて絶品。宗谷のタコ、鯖と、回転
寿司とは思えない味でした。

しこたま食べて、あら汁まで飲んで二人で3300円也。腹ごなしに30分歩いて帰艇。


銭湯にへ行ってパソコンに向かっているともう夜の8時。こうしていると一日の過ぎるのが恐ろしく早く感じます。
天気の神様が微笑んでくれれば、明日が函館の休日最後の日。クルージングモードからすっかり休日モードに
なっていましたが、ここらで気持ちを入れ替えて、ビシッとしなくっちゃ。


焼きトウモロコシ  GoldenWistaria号の「厨房」?です


 


 

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