/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/航海日誌(14)/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 

【7月19日(水)〜7月25日(火)】

7月19日(水)  石川県福浦港 ⇒ 石川県 輪島港
港外のうねりも収まり、船の揺れも小さくなって熟睡。4時起床。朝からヒグラシの声が聞こえてさわやかな夏の朝。
実況天気図を見ると、梅雨前線は東北にかかっている状態。北陸にも、その延長線上の弱い前線がかかっているはず
ですが、薄い雲が見える程度で雨の心配はまったくなし。アメダスを見ても3〜4メートルの南西。
今日はいよいよ能登半島のテッペン輪島をめざします。

バウのアンカーもスムースに上がり、5時半出港。小さくなったといっても西からのうねりが、水深の浅い福浦港の入り口で
盛り上がり、激しく上下しながら、狭い岩礁地帯を緊張しながら通過。
能登半島は東に向かって口を開いている恐竜の頭のような形をしていますが、ちょうど後頭部の下の部分に海士埼があります。
この海士埼の北側には沖合い3マイルほどまで、いくつもの瀬があります。水深は、浅くても6メートル前後なので、座礁する
ことはありませんが、瀬の部分でうねりが高まる可能性があるので、沖合い4マイルまで沖だし。
ところが、この瀬、好漁場になっているらしく、沖合い5マイルまで漁船で一杯。いたるところに刺し網と思わしき旗ざお。
しかたなく、漁船を避けていると、いつのまにか岸寄り2マイルまで接近。予想通りうねりが増幅されて3メートル前後。
大きく揺られながらエンジンを使って一目散に瀬を脱出。3マイルほど北上すると、うねりもなくなり猿山岬まで一直線。
南西の風2〜3メートル。帆走4ノット、エンジン半開を加えて5.5ノット。連れ潮に乗っているらしく、対地速度は6ノット以上を
キープ。

切り立った断崖の猿山岬をあっという間に交わして北東に変針。相変わらず連れ潮に乗って10時半には輪島沖到着。
山の上に積乱雲が早くも湧きあがり、雲に向かって西風が吹き込んでいます。局地的に7〜8メートルの風。
大型の漁船が帰港する時間らしく、次々と引き波を立てながら間近を追い越していきます。大きくローリングしながら前進。
流れ藻の大群がありますが、避ける暇も、水面もなく意を決して突っ込むのみ。
追い立てられるように輪島港沖の長い防波堤を大きく回りこんで、11時入港。

漁協では、あっさりと停泊許可。100トンクラスの大型の漁船がドックに入っていて、その岸壁が大きく開いているとのこと。
停泊困難の情報があった港ですが、運良く、絶好の停泊地を得ることが出来ました。

流れ藻に突っ込んだので、念のため岸壁からプロペラを覗くと、ホンダワラの姿がラダー付近にちらほら。
着岸時に抵抗を感じなかったので、大きな問題ではなさそうですが、念のため潜って取り除き作業。
ついでに、長旅で水線の上についた汚れをスポンジで掃除。たまには船も風呂にいれてあげなくちゃ。

燃料補給後、ポリタンクの蓋を閉めようとすると、蓋に大きなヒビ。自転車を出して、ポリタンクの買出しに。
ついでに銭湯2軒発見。大きな街なので、買い物はまったく不自由なさそう。川沿いにホームセンターを発見して
無事ポリタンク購入。帰りについでとばかりガソリンスタンドで軽油18リットル購入。そばやのオカモチのように
ポリタンクを持って帰艇。女房は自転車で3分の公園の水道へ洗濯に。

明日は、能登半島の先端を回り、九十九湾にある能登小木港まで。40マイルを越す航海になるので、6時前出発予定。
10年ぶりの輪島の朝市見物は、残念ながら今度車できたときにするつもりです。


輪島港給氷所 女房を漁協に向かわせ、港内をうろうろしている
時に撮影。この右側角に停泊許可をもらう。


7月20日(木) 石川県 輪島港 ⇒ 石川県 能登九十九湾 市之瀬入
昨日予想外に早く梅雨明けしてしまった北陸。海の日の前日、たとえ前線位相が残っていても見た目夏空が広がれば
梅雨明け宣言のチャンスを失ってしまうからかな?と思うKasayan。でも、今日はまさに夏。春に始まったこの航海も
ついに日本海で夏に突入しました。台風5号の動きは遅く、かつ関東の南で東にそれるので心配なし。
北を通過する次の気圧の谷もしばらくは問題なし。アメダスを見ると、どこも1〜2メートルの陸風。
今年の夏、今世紀最後の夏の航海へ5時半出発。

でも港内では3メートルほど吹いていた南の陸風も防波堤の外までは吹かないのでしょうか?海はひたすら油を流した
ようにまっ平ら。夏の日本海を象徴するかのような海。ひたすら機帆走の始まりです。
遠く北の水平線には七ツ島の島陰。今回、その先の舳倉島はパスしてしまいましたが、いつかは訪ねて見たい海女さんの島。

能登半島の北側は山が海にせまって、これまで見てきた景色とはまた一風異なる美しい海岸線。
鞍埼を通過するとき、灯台のすぐ横で焚き火の煙が空高く上がっていました。まさに狼煙のよう。昔、灯台の変わりに昼間は
狼煙を上げたそうですが、海から見ると本当にわかりやすい目印。目と鼻の先の漁港の名前が狼煙漁港。まさか海の日の
イベントかいな?と思ってると・・・・、もうおなじみバスッという音とともに藻を絡めた音。今日はこの先40マイル近くも走る
必要があるので、ためらわず水泳。藻だけではなく、ビニールの袋が伸びきってシャフトに絡み付いていました。
手馴れたもので30秒で片付け、再び走りながら体を濡れタオルで拭いていると、再びバスッ。
濡れた体が乾くまもなくもう一度水泳。やはりホンダワラがシャフトにこれでもかというほどきつく巻きついていました。

風は相変わらず微風。セーリング不可能。時折、弱い陸風を捕まえてはジブを張ってスピードアップ。
10時前、能登半島最北端の禄剛埼通過。大きな潮目ができていて、藻だけではなく魚網、ブイ、ロープ様々なものが
一面に浮遊しています。水や景色が綺麗なだけに、ちょっと残念な光景。オートパイロットを外し、スラローム。
大方避けたと思ったところで再びバスッ。こりゃ、船の構造にも問題があるのかもしれないな〜と思いながら今日3度目の
水泳。測深器では測定不能ですから100メートル以上の水深はあるはず。水は限りなく透き通ってブルー。
船尾から船首まで全て見通すことが出来ます。・・・・・・・と、キールに白い大きなものが張り付いています。
よく見ると、巨大なビニールシートがキール前面に引っかかっていました。ペラの藻を取り除き、キールの位置まで女房に命綱を
引っ張ってもらい、一気に潜って取り除いてみると、3メートル四方はあるかと思われる大きなシート。
海の日に思いっきり海に親しんでしまったKasayan。

姫島の岩礁を沖合い2マイルまで離して通過。岩礁の南には定置網の連続。能登半島の東側は定置網が非常に多いと聞いて
いたので、全ルート最低でも岸から2マイル離すコースどりをしていましたがどうやら正解。
飯田湾も無風のまま通過して、うわさに聞く九十九湾へ。
こじんまりとした小さなリアス式の入り江。水辺まで木が迫った幅40メートルほどの入り江でも水深は10メートル以上。
まさに天然の良港。アンカーを打ってバウを岸辺の遊歩道の手すりに舫おうと思いましたが、岸辺ギリギリが浅くなっていて
バウもやいを4〜5メートルにしないといけない状況。テンダーを出せばよいのですが、片付ける手間を考え、舫った気分だけ
味わって隣の市之瀬入という入り江へ。小さな観光船の発着場があり、その隣に昨年出来たばかりの岸壁に横付け。
近くの漁船の漁師さんに聞くと、停泊なんの問題もなし。

みやげ物屋2軒、酒屋一軒、能登鉄道の無人駅、民家数軒の何も無いところですが、それがとても嬉しく感じられる入り江。

風呂の入れる民宿を探しに女房が出発。無人駅のベンチに座っているおっさんに「おねーちゃんよく焼けているね・・・」と
声をかけられたついでに風呂だけ貸してもらえる宿はないかと聞いたところ、そのおっさん、旅館のバスの運転手。
ちょうど見送りに来たところ。「うちで入れるよ」ということでラッキー。
徒歩10分ほどにある「ニュー百楽荘」。立派なホテルで展望風呂入浴料500円なり。

晩飯は、つつましくハヤシライス。夕方になるとヒグラシが鳴き始め、暑かった空気もスッと入れ替わって涼しい風。
再び訪れてみたい場所がまた一つ増えてしまいました。


市之瀬入岸壁 


7月21日(金) 石川県 能登九十九湾 市之瀬入 ⇒ 石川県 七尾港 ⇒ 石川県 七尾湾 北湾 N氏ポンツーン
今日は、20マイルそこそこ。ゆっくりと5時半起床。天気も文句なし。ただ北海道の北を台風並の強い低気圧が
通過し、そこから伸びる寒冷前線がゆっくりと日本海側を通過する見込み。
一気に新潟県の能生に行っても日より待ちになりそうなので、七尾湾内でゆっくりしようと計画。
また、島根県の温泉津港から鳥取港までゲストで来艇した「黒ちゃん」が今度は彼女をつれて二泊三日でまた
同乗したいとのこと。ならば、日より待ちではつまらないので、七尾湾内で一緒に遊びながら日和を待つことに
しました。

6時半出港。出港直後、黒ちゃんから深夜バスで氷見に到着した旨電話あり。七尾に向かうことを告げて七尾港
にある、大型ショッピングセンター食彩館前で待ち合わせすることに。

今日も昨日と同じ機帆走日よりかと思いましたが、湾外へ出ると南の微風が吹いています。エンジン半開の機帆走1時間。
やがて3〜4メートルに上がってきたので、完全に帆走。久しぶりのセーリング。快調に5ノット以上をキープしています。
九十九湾から七尾湾南湾入り口まで13マイルを約2時間で走りきり、狭い湾口から本船用の緑と赤のブイに沿って進入。
広い湾内に入ったとたん、南西6〜7メートル。白波が立ち始めています。予想外の展開に念のためワンポンのメイン。
広い湾内でも所々に浅瀬や暗岩があるので、目を皿にしてブイを探して慎重に七尾港へ。
特に目立った物標がなく、わかりにくい防波堤入り口到着11時。何処でもご自由にといわんばかりの広い岸壁に横付け。
舫いをとり終わったタイミングで黒ちゃんが現れました。

食彩館でバッテラ寿司とうどんの昼食をとりながら二泊三日の計画を相談。

その後、以前、兵庫県の柴山港でお会いし、紅ずわいがにをご馳走になったY氏から紹介いただいたN氏に電話。
そのままそこで待っていてという言葉に、船でのんびりとしていると車でクルーのNG氏を同伴の上N氏登場。
七尾の北湾に別荘とプライベートポンツーンがあるので、移動しないか?とのありがたいお言葉。
おまけにクルーのNG氏を水先につけてくれるとのこと。お言葉に甘えて6マイルほど先にある別荘へと移動することにしました。
N氏は昨年のKAZI誌に登場した七尾湾のヨット艦隊の隊長。見るからに豪快な方。明後日23日は七尾から富山へむけての
レースがあり、明日22日は七尾で前夜祭があるとのこと。この前夜祭にもお招きをいただきました。
感謝の気持ち以前に、あまりのご好意にボーっとしてしまうKasayan。

七尾港から別荘までの6マイルは南西の風5〜6メートル。クローズとアビームで平均速度7ノットのセーリング。
久しぶりに5人乗艇しての賑やかなセーリング。能登島大橋とベイブリッジをくぐって、1時間少々でN氏の別荘に到着。
ヒグラシの無く静かな湾に面したプライベートポンツーン。テラスでビールを飲みながら、いつかは自分もこんな場所で、目の前に
自分の船を泊めて晴耕雨読の生活をしたいと、思いをめぐらしていました。

明日の昼間は、この入り江で海水浴。夕方には七尾までセーリングして、富山、新潟、石川のヨットマンと交流を深めるつもりです。

 
黒ちゃん彼女を連れて再び登場                   セーリングで能登島大橋へ向かうの図


7月22日(土) 石川県 七尾湾 北湾N氏ポンツーン ⇒ 石川県 七尾港
(この文章は、ファイルを保存し忘れて、YBCメンバーK氏ご夫妻からお送りいただきました。有難うございました)
大陸をゆっくりとサハリン方面に進む低気圧があって、そこから伸びる寒冷前線に吹き込む南

西風が朝から強い。

でも、久しぶりに揺れない寝床、N氏の別荘に泊めていただき、のびのびと寝ることのできた

kasayanは元気はつらつ。

朝食を取り、別荘の掃除を終えると、スターンからスイミングライダーを下ろして、ゲストの黒ちゃ

んと海水浴。

プロペラに藻が絡まらない状況で海水浴をすることがこんなに気持ちの良いことだったことに感動。

そして、このまま、今年の夏をここで過ごしたいと思うほどの素晴らしい環境。

 

昼前になると、明日、七尾湾から富山までのレースがあるため、周りに停泊しているヨットにも

次々と人が来艇。

LIFEという名前のヨットのY氏におよばれしてビールをご馳走になりながら歓談。

中学生の娘さんとその友達を連れてのレース参加とのこと。アットホームな楽しいお父さん。

すると BANDERILLEROというヨットのK氏がやってきて、このHPをプリントアウトしたものを見せ

てくださいました。

京都の伊根あたりから、このHPを見ていて下さったとのこと。少々気恥ずかしくもあり、嬉しくもあり。

とても気さくで、暖かいご夫婦でした.

 

14時過ぎ、明日の港祭りレースの前夜祭がある七尾港まで、昨日と同じコースで移動。

わずか6マイルですが、ブローで10メートルオーバーのやや強い風.ワンポイントのメインでジブを

入れたり出したりしながらの

快走1時間.再び、昨日と同じ岸壁へ。すでに富山や新潟からレースに参加する艇が集まって

いて、トンボという名前の

富山からきた26ftのヨットに横付けさせてもらいました。

 

18時からは前夜祭。昨日からお世話になりっぱなしのN氏のお招きで、kasayanも立食パーティーの

壁際で静かに保安庁の方、スポンサーの新聞社の方々のお話を拝聴。いざ乾杯の音頭・・・というところで、

突然司会者の方から

お呼びが・・・・・・。100名以上の富山、石川、新潟のヨットマンの皆さんの前で、女房ともども自

己紹介を兼ねた挨拶をさせられて

しまいました。人前は苦手のkasayanですが、いきなりのご指名にしどろもどろにご挨拶。それ

でも暖かい拍手を沢山いただき、

感激至極。お世話になりっぱなしのkasayanですが、ついに究極の「お世話になりっぱなし男」に。

その後も立食パーティー中、ひっきりなしに多くの方が話し掛けてくださり、喉がかれるほど楽し

い時間を過ごさせていただきました。

 

明日は、寒冷前線が南下して南西風が強まる予想。レースは開催されるので、スタートの様子を邪魔にならないように

見学させて頂いて、昼間は洗濯、買い物など、七尾の街を堪能したいと思います。


 
N氏プライベートポンツーン                     七尾港祭りヨットレース前夜祭でレースの決意を述べるN氏

7月23日(日) 石川県 七尾港 日和待ち
今日開催される七尾⇒富山のレース「七尾港まつりヨットレース」のスタートは午前7時と8時。早々に舫いを解く船が
いると思ってKasayanも午前4時半起床。昨日17時の予報では、南西がやや強めに吹く予報だったので、Kasayanは
はなから日より待ちの予定。でも、一昨日からお世話になりっぱなしだった七尾北湾西岸艦隊の皆さんのために気象データ
のダウンロードと解析、そしてプリントアウト。午前11時前後までは南西3〜4メートル。それ以降は風が西に回って7〜8メートル

に上がり、ブローで10メートル前後の予想。もし外れたらごめんなさいと言いながらも結構真剣に考えた苦心作。

6時過ぎに舫いを解いて、Kasayanも観戦のためにスタートラインまで。
7時、クルーザークラスのスタート。15艇ほどの船が一斉にスピンスタート。ビデオと写真撮影。
そして8時、お世話になったN氏の船を始めとするレーサークラスのスタート。
写真を撮りながら機走全速力で追いかけましたがいずれの船も7ノット前後。次第に離されて再び岸壁へUターン。

10時過ぎ、一昨日からゲストで来ていた黒ちゃんとその彼女を七尾の駅まで見送り。
また、二人になってちょっと寂しく少々無言の女房。元気を出せよと、駅前のミスタードーナッツで久しぶりに都会の味。

昼からは、再び元気にコインランドリーへ向かう女房。Kasayanは軽油を買出し、エンジンの点検、そして、予報が当たったか
心配で、実況天気図と、アメダスのダウンロード。どうやら西風が強まってきた模様。
ほっとして近くの食彩市場へ試食兼涼みに。入り口の駐車場で、交通整理のおっさんに「にいちゃん黒いねー何してんの?」の
問いに、「ヨット」と答えると、「見せてくれねーか」。おっさん、仕事をほったらかしにして船へ。
ビールを出して15分ほど歓談。「氷いるだろ」と再び食彩市場へ向かい、中の魚屋から買い物袋一杯の氷を調達してくれました。
袖触れ合うも多少の縁!!

夕方、昨日お世話になったK氏のヨットがGoldenWistaria号の前に帰港。ほぼ、予想通りの風だったとのこと。
顔には出さねど、ほっと胸をなでおろすKasayan。
帰港した他の船に聞いても、重い船有利の展開。結構叩かれて30ft以上の船でもスプレーを浴びたとのこと。
またゴール直前には富山湾内で24ノットの風が吹いていたとのことでした。能生に向かわなくて良かったという意味でもホッ。

銭湯から帰ると、K氏がビールを持って来艇。都会暮らしの後Uターンで富山に帰ってこられたとのこと。自分の田舎の食べ物が
美味しく感じられたら田舎に帰っても良い時期だとのお話しに、自分の田舎の長野を思い出し、本当にそうかも知れないなと
思うKasayan。K氏の暖かい笑顔は、きっと富山に帰られて深みが増されたのでしょう。

明日も前線は日本海に停滞。状況としては、基本的に今日と同じ。
次のレグは約50マイル弱。富山湾の横断。12時間は天気の安定が欲しいところ。
今日の状況で、走れないことは無いのですが、辛い思いはしないつもりなので、今日は正解。明日の朝、少しでも迷うことがあるなら
和倉温泉に直行したいと思います。どうも七尾湾が長くなりそう・・・・・。北海道?無理はせん。いつかは到着するはず!!!

 
早朝の七尾港 30艇あまりのヨットに埋もれる          レーサークラスのスタートを観戦


7月24日(月) 石川県 七尾港 日和待ち
レースで賑やかだった岸壁もすっかり寂しくなって、GoldenWistaria号の前に停泊していたK氏のBanderillero号も
9時には出港。舫いを解くのをお手伝い。昨日に引き続き、出港間際に、またビールをいただき最後までお世話に
なりっぱなしのKasayanでした。本当に心温かい方々に接して、自分が帰港後に、今度は迎える立場で、訪れる方々
に対していったい何が出来るのだろうと、再び考えてしまいました。
でも今、誰よりもわかることは、長旅を経て訪れる人が何を考えて、何を求めているかということ。

今日も日本海の全然がゆっくりと南下。昨日の午前中の実況天気図では、前線が解析されなくなり、このまま弱るの
ではないかと期待させましたが、結局、しっかりとした前線になっておもいっきり戻り梅雨。
そのため、昨日に引き続き、能登、富山、新潟では南西が強まりそう。気象庁からは大雨に関する情報が発表され、
災害が発生する恐れまで出てきました。
ということで、当然、今日も日より待ち。このままいくと明日も間違いなく七尾どまり。
でも今回は条件が最高。便利な街に近いばかりか、金沢の奥座敷、北陸の名湯、和倉温泉が目と鼻の先。

昼前に船の舫いを確認して、和倉温泉へ。
有名な旅館「加賀屋」の前の岸壁に船を横付けできるというお話しを聞いていましたが、七尾湾の西湾のチャートを
持っていないKasayan。先日、水先をしてもらって北湾へ行ったとき、一部で水深が4メートルを切っていたこともあって
用心に用心して、今回はのと鉄道で和倉温泉に向かうことにしました。
一駅180円。和倉温泉駅からは炎天下を2キロほど歩いて温泉街へ。でもいきなり温泉ではなく、海辺にある
シーサイドパークのプールへ直行。600円也。久々に真水で泳いでみたかったのですが、水深1.2メートルの小さな
プールしかない。おまけに夏休みの小中学生が多く、真水の風呂に入っているようなもの。
体を濡らしてはデッキチェア‐の寝転んでボケ‐。女房もやけになって小学生に混じりながらウオータースライダーを幾度も
滑り降りているありさま。それでも3時間。昔、小学生の頃の夏休みの学校のプールを思い出し、すっかり夏休み気分に
浸ることができました。

プールの後は、和倉温泉でただ一軒の共同浴場「総湯」へ。浴場の前には温泉が湧き出ているところがあって
温泉卵が作れるようになっています。暇にまかせて、卵5個を籠にいれて温泉卵作り。卵は近くのスーパーでばら売り一個28円。
総湯は、仮眠室、大広間、休憩室まである立派な温泉保養施設。一日いても480円。
やや塩辛い和倉温泉の湯につかり、気がつくともう夕方の5時になっていました。

今夜遅くには雨が降り出して、明日の午前中一杯は間違いなく雨。
船に閉じ込められそうですが、きょうのKasayan週間版でも仕上げ、ここまでお世話になった方々にまた手紙でも書きたいと
思っています。



7月25日(火) 石川県 七尾港 日和待ち
ついに今航海初の日和待ち中4日。朝は、大粒の雨がデッキを叩く音で目を覚ましました。
おとといからずっと目の上のたんこぶだった前線がようやく頭の上を通過。昨日に引き続き、気象庁からは大雨
に関する情報が発表されていて、出港どころの話ではありません。
気象庁発表のトクシュという記録的な気象現象の打電では、新潟で瞬間最大風速が25.7メートルを記録したとの
こと。石川県にも大雨洪水警報が発表されました。
キャビンの窓から外を見ると、雨で視程は200メートルくらい。雨が水面を叩いて、一面白い絨毯をひいたよう。
梅雨が明けて、今までで一番長い日和待ちを経験するとは思いませんでしたが、ここ七尾では、楽しい思いばかり
していたので、憂鬱な気持ちにならなかったのは幸いでした。

というわけで午前中は、キャビンで手紙を書き、気象データのまとめ。
週間版の今日のKasayan作成。22日のファイルを残し忘れて、ゲッソリ。また思い出して書くことに。

昼には前線が南下して雨が上がり、午後1時ころには青空が顔を出し始めました。
女房は、コインランドリーに溜まった洗濯物を片付けに出かけ、Kasayanはセールに着いているマジックテープがバカ
になっていたのでその補修。
水と氷も補給して、後は風呂に入るだけ。

17時の予報では、明日一杯は、北から張り出す高気圧に覆われて富山湾周辺は穏やかな予想。
高気圧の縁を回る風になるため、始め東の真向かいになりますが、波も穏やかで、強くは吹かないはずなので、前進は
出来るはず。どうやら、明日は出港できると判断。七尾南湾の出口から新潟県の能生まではひたすら直線で43マイル。
湾の出口まで約6マイルですから明日のトータルは約50マイル。長丁場の準備は万端に整ったようです。

でも、明日は台風6号が発生しそう。進路は東日本と考えられますが、多かれ少なかれ影響はあるはず。
梅雨明け十日と言いますが、ちっとも安定しないことしの夏の始まりです。



 

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