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【6月28日(水)〜7月4日(火)】

6月28日(水)  山口県 江崎港 日和待ち
大雨、洪水、強風注意報が島根県東部、西部に出て、一晩中雨が降ったり止んだりの状態が続きました。
午前5時、気象レーダーをダウンロード。梅雨前線に伴う雲は山陰沿岸ギリギリのところに停滞。
航海時間から逆算して出港時刻9時までに雨がやんだら出港しようと考えて、待機。
結局雨は止まず、出港中止。

実は今日、Kasayanの所属するクラブの「黒ちゃん」というメンバーがGoldenWistariaを訪問する予定になっているのです。
9時、黒ちゃんから電話があり、出雲に到着したとのこと。
出港しないことを告げ、山陰線で一時間。温泉津まで来てもらうことにしました。
11時黒ちゃん到着。
昼食を一緒に食べて、3度目の温泉へ。

温泉から上がったあとは、採れたてのヒラマサの刺身をつまみにして地酒「開春」でウェルカムパーティー。
これから約5日間、今航海初のゲスト同行、彼と一緒、3人のクルージングが始まります。
梅雨時、何処まで進めるかわかりませんが、久しぶりに横浜のヨット仲間とクルージング。

明日は、日本海側、久々の高気圧に覆われて、晴れるはず。
助っ人も加わって、どこまで進めるやら。とても楽しみです。


強力な助っ人、黒ちゃん。



6月29日(木) 島根県 温泉津港 ⇒ 島根県 鷺浦漁港
今日の漁港は携帯電話が通じないので、鷺浦漁港から出雲大社参りにきたついでに、出雲大社近くの「道の駅」の
中で書いています。電池が心配なので、少々短めに・・・。

6時温泉津出港。今日は、大陸から張り出した高気圧に梅雨前線が押し下げられて晴天になるはず。
でも出港した港外はどんよりと雲ってカッパを着るほどの寒さ。
風はほとんど無風で機帆走。
延々24マイル、助っ人の黒ちゃんと「灰色だね〜。陰気な雰囲気だね〜」。
いつもは女房がキャビンで寝ているのですが、今日は話し相手がいて幸い。

午前10時日御碕に差し掛かると次第に北東の風が強まると同時に波が悪くなってきました。
江崎で日和待ちをしているとき、漁師さんから「日御碕は北東が吹くと、潮とはんたいじゃけ波が悪いで」と言われていたので、
まさにその状態。
風はそれほど強くないのですが、スプレーをかぶりながら前進。
日御碕灯台を右横に見て鷺浦に変針。

そこからわずか4マイルほどなのですが、鷺浦は深い入り江になっているため、港の入り口がわからない。
GPSが示す鷺浦のまん前に来て、ようやく奥に港があるのを発見。慎重に入港。
ちょうど入港してきた漁師に場所を聞いて、入り口灯台すぐよこの岸壁に横付けすることができました。

水は海底まで透き通り、緑あふれる美しい港。黒ちゃん曰く「しばらくいたいな〜」

トイレと水場を探して戻ってくると、船の前にさっきの漁師と、ネクタイをしたおっさんが一人。
いきなり名刺を差し出され、見ると、大社町警察。
サミットのため、港湾に見慣れない船がはいったと通報があると職務質問しているとのこと。
今年に入ってから、隣の十六島港などで60人もの集団密航があったそうです。
質問に答えながら、逆にスーパー、出雲大社までの交通機関、もろもろ街のことをいろいろ聞き出そうとしていると、
「出雲大社まで車にのっていきませんか」とのお言葉。
ありがたく、出雲大社まで乗せていただきました。ちょっと悪くなっていた心象大逆転。

そして、今、パソコンを開いているという状態。とにかく、37港目にして、ついに携帯の通じない港にはいってしまいました。
出雲にいるあいだに天気図をダウンロードしておかなくちゃ。
ということで、週間版で、写真、補足等を行いたいと思います。
(ごめんなさい、もうしこししたら補足します。7月6日)

6月30日(金) 島根県 鷺浦漁港 ⇒ 島根県 七類港
いつものように午前4時に起きたのですが、携帯電話の通じない鷺浦漁港では、天気予報はもちろん、天気図
アメダス・・・・・最新の情報を入手することができません。テレビも共同受信の村なので、まったく映らず。
いよいよ、昔ながら、ラジオだけが情報入手の方法になってしまいました。
IT革命などといわれる昨今ですが、情報伝達手段がなければ、なんの役にもたたないということを実感。

といってもラジオでは、全国の大まかな概況ばかり放送しているだけで、島根県の予報は6時まで一切無し。
気象庁の電文をそのまま読むだけの放送なのにまったく役立たず。
一念発起して防波堤の上を駆け回るKasayan。すると思いが電波を飛ばしたのか、防波堤上のほんの一箇所だけ、
携帯電話の受信棒がかろうじて一本だけ立つところを見つけました。
すかさず、177に電話。一回目は、「島根県東部の今日は・・・・」といったところでブツ。
2回目にようやく全文を聞き「晴れ後くもり、夜遅くから雨。西の風一時やや強く・・」を頭に叩き込み、昨日の天気図を
見ながら、予報の確認。昨日00Z(昨日夕方発表の予報)の予想天気図にあった日本海の低気圧が東進して、
低気圧から伸びる寒冷前線の要素をもった梅雨前線がゆっくりと南下すると判断。
ならば、「西の風やや強く」は前線通過のタイミングのはず。
たしか昨日の天気図では、前線の位置が島根県に近かったはず。
西の吹きだしのタイミングが昼過ぎと判断して急遽6時出港。

狭い入り江を抜け出して、北東に進路を取ると、すぐ右側は十六島(うっぷるい)。
東に大きく切れ込んだ湾ですが、この湾から5メートル前後の吹きだし。NO3ほどに開いたジブと、フルメインで
6.5ノット。この東風にのって一気に七類へ・・・・とおもいきや十六島鼻を越えたところで風は見る見る落ちて機帆走開始。
あちこちに鼻(岬)が突き出ているのが島根半島日本海側の特徴。
それぞれの鼻の付け根には小さな漁港があって、一つ一つを海図で確認しながら暇つぶし。

・・・・・・・と、いつものように、プロペラから「バスッ」という音がして藻が絡みました。
もうそんなことには動じないKasayan。海パンに履き替えて、洋上水泳。プロペラは予想通り「ホンダワラ」の団子。

今日唯一の変針点、魚見鼻を10時20分通過。
あと、七類まで9マイル。・・・・・・と再びバスッ。洋上で一回潜った日にはもう一度潜るはめになるというジンクスができました。
機走スピード5ノットちょうど。残マイルも少ないのでそのまま前進。

七類港は、大きな半島と島が、港の北側に張り出している、これまた天然の良港でした。
一番奥の漁港入り口右側の防波堤に横付け。漁協の許可OK.。

漁師2人が見守るなかで水泳。ありがたいことに近くのフェリーターミナル「メテオプラザ」に温水プールと風呂があることを

教えてくれました。

フェリーターミナルは隠岐への玄関口。ひなびた漁港の横に立派な4階建ての大きな建物。屋上には巨大なモニュメント。
立派な風呂とサウナ400円なり。
今日は、35度まで気温が上がって、島根は真夏の暑さ。夕方までフェリーターミナルで涼んで帰艇。
女房がキャビンで汗だくで作ったピり辛のマーボー茄子で晩御飯。

明日、天気は下り坂の予報でしたが、どうもたいした雨にはなりそうもなし。ただ、風はやや強め。
隠岐までクルーズする予定でしたが、ショートし始めたスケジュールを山口県の江崎からずっと考えていましたが、ここで決断!!
北海道に7月末に突入するために、「隠岐はフェリーで行く!!」
隠岐へ行くことを考えた場合、この季節、一週間から10日間の余裕を持つ必要がありそう。

ならば、隠岐はフェリーで我慢して、北海道へ入る時期を大切にすることにしました。
隠岐よ。また次の機会に・・・・・。

ということで、明日はフェリーで隠岐へ日帰りする予定です。


七類港 湾内から漁港を望む。 左の丸い屋根の建物が
三保隕石をテーマにしたフェリーターミナル「メテオプラザ」。
浅草の巨大う○○みたい。


7月1日(土) 七類港 日和待ち 兼 フェリーで隠岐島前へ
気象庁の予報も完全にハズレ傾向で、昨日から太平洋高気圧が西日本をすっぽりとおおっています。

そのために、ここ島根県も朝、晩を問わず真夏の暑さ。
でも、太平洋高気圧の縁辺流の吹きだしで、西風がやや強め。

北海道北上の季節を考えると、少々スケジュールがショートし始めたので、隠岐はフェリーで訪ねることにした
Kasayan。今日は、午前9時20分発のフェリーで隠岐へ。フェリーターミナルはGoldenWistaria号から歩いて10分。
12時ジャストに隠岐は島前、浦郷港に到着。
早速、奇岩の名勝地、国賀海岸めぐりの観光船へ。・・・・・・・・・でも、強風につき本日欠航。バス観光に振り替えとのこと。
バスで、巡った国賀海岸から見た日本海は、強い西風が吹きつけ、遠く島根半島まで見渡すことができました。
おととい向かい風で乗り越えた日御碕も遠くに霞んでいます。
また、北の水平線まで綺麗に澄み渡り、朝鮮半島が見えるのではないかと思えるくらいの美しく、そして荒々しい姿を見せて
くれました。

海岸を散策、岩場は、ちょっと潜るだけでウニやサザエがいるのではないかと思えるほど。
流れ着いたペットボトルやお菓子の袋のほとんどは、中国語やハングル語の文字の印刷されたものでした。
やっぱり国境の海。
遠い昔から、朝鮮半島との交易があった海だということを実感させてくれるこれらの品々と記念撮影。 

18時、とんぼ返りで七類港到着。ほんの数時間の隠岐滞在でしたが、充実した時間を過ごせました。
また、いつの日にか、こんどこそヨットで、そして自分の力で、ゆっくりと訪ねたいと思います。

明日も、一応、太平洋高気圧の圏内。鳥取を目指すつもりですが、少々距離は長めの45マイル。
走りきれると良いのですが。

 
国賀海岸 通天橋と黒ちゃん(彼女のKチャンのためにアップ) 拾ったボトル、韓国の民族衣装を着た老人の絵とハングル文字

7月2日(日) 島根県 七類港 ⇒ 鳥取県 鳥取港 (賀露)
4時起床。昨夜に引き続き、巨大な蚊の大群と戦う長い夜があけると、そこには綺麗な朝焼けが待っていました。
鳥取県は南の風のち北の風。日中暑く、湿度も高くなるため、午後は大気不安定。にわか雨がありそうですが、基本的に
「おだやかな一日」。

今日は、七類から鳥取まで、鳥取県の海岸沿いをひたすら40マイルまっすぐに走る必要があるので、5時45分出港。
七類港の入り口には流れ藻が機雷のように漂っていたので、慎重に前進。
1時間ほどで地蔵崎通過。
岬の影にかくれていた大山の有志が姿をあらわしました。山頂には笠雲。上空は南の風らしく、山の北側には山岳波と
呼ばれる、団子のような雲の塊が5個。ASAS(実況天気図)にあった日本海の前線に風が吹き込んでいるのかもしれません。
海上は、南の微風。ジブを開いていつものように機帆走。波も無く、機走性能最大の6ノットオーバー。
このままひたすらまっすぐ097度。

急いで出港したので、遅い朝食にお茶漬一杯と魚肉ソーセージ一本。
日差しは容赦なく照り付けて、コクピットのKasayanと臨時クルーの黒ちゃんもぐったりと無口に前を向いているだけ。
オートパイロットに舵を任せて、黒ちゃんはケンケンで釣を開始。
残りマイル数をカウントすることだけが唯一の楽しみ。

キャビンの女房も今日は、バースに寝転んで、ウチワを手放しません。

大山を過ぎたあたりから、海岸沿いの山上に雄大積雲が姿をあらわし始めました。
それとともに、風向きが南から北へ変化。
海風が山にぶち当たって上昇気流となり、雲を発生させているようです。雲の背の高さは3000メートル前後。
雲の一部は、「かなとこ」状になっているので、5000メートルに達して積乱雲になっています。
こりゃ夕立があるかもしれん。雷だけはゴメンですからスロットルを2900回転にしてさらに先を急ぎます。

鳥取県の長い砂浜に唯一、ちょこんと飛び出している長尾鼻を過ぎて一時間。ようやく鳥取港の防波堤と鳥取空港が
姿をあらわし始めました。
そこへ、白い船影が。久しぶりに見る「走っているヨット」。ゆっくりとGoldenWistaria号に近づいてきます。
こちらからも接近。すると向こうのヨットから「Nさんが港で待ってますよ!!!!」
実は、このHPを見ていただいていたN氏から停泊地のコメント入り写真付きのメールをいただいていたのですが、
こんな形で迎えていただけるとは思ってもいませんでした。感激のあまり残り3マイルはエンジン回転数3000回転。
早々にセールを下ろして、鳥取港入港14時。ポツポツと雨が降り出し、遠くで稲光が光っている中、N氏の大きく振る手に導かれ
しっかりと槍付けさせていただきました。

早速、N氏の仲間の船でビールをご馳走に。鳥取外洋ヨットクラブの方々に、日本海のヨットの楽しみ方を聞かせていた
だきましたが、驚くことばかり。ウラジオストックや釜山へのクルージングを何回かされているとのこと。
Kasayanのいる太平洋側で、海外クルージングといえば一気に太平洋を越えてハワイ、アメリカ大陸を想像してしまいますが、
こちらでは、夏休みのクルージングに海外クルーズが出来てしまうのです。
美しいフィールドに加えて、ダイナミッククルージングができる日本海のヨットマンがとてもうらやましくなりました。

夕方、N氏に車まで貸していただいて、鳥取砂丘にある温泉へ。別のメンバーの方が温泉まで道案内の先導までしてください
ました。山口県の室津といい、鳥取といい、お世話になりっぱなしのKasayan。毎度のことながら、横浜で自分は一体何ができるのか
つくづく考えさせられました。

温泉に浸かって、一旦船に帰ると、入港前に出会ったヨットがまさに係留中。
ダブルハンドのお二人は、以前Kasayanが天気の仕事でお世話になった鳥取の放送局の方でした。
世の中広いようで狭いもの。

船の片付けを終えて、黒ちゃんを鳥取駅まで見送りへ。今日が黒ちゃん同乗の最終日。
わずか5日間でしたが、小笠原航海2回の黒ちゃん同乗は非常に心強いものでした。
深夜バスが発車したあと、女房と二人しばらく無口に・・・・。
これからまた二人、協力してがんばらねば。

明日も、今日と似た天気。夕立の心配がありそうですが、兵庫県の柴山まで行くつもり。
夕立の神様、到着まではヘソを曲げないで!!!!。

 
島根半島東端地蔵崎とその向こうに笠雲をかぶった大山   ほおかむりをして釣りをする黒ちゃん(彼女のKちゃんのためにアップ)

7月3日(月) 鳥取県 鳥取港 ⇒ 兵庫県 柴山港
昨夜は、黒ちゃんの見送りもあって帰艇が遅くなり(といっても21時ですが)就寝時間がちょうど12時。
久しぶりの寝不足に起床は5時。「今日は、初の休養日にしてしまおうかな・・・・」と思って外へ出ると、昨日
車まで貸していただいたN氏が来ておられました。
車のカギと、ヨットクラブのゲストブックをお返ししました。

このゲストブック、KAZIでも有名な「どんたく」を始め、私の尊敬するスターダストの山田氏など、そうそうたる
日本のロングクルージングをされている方々の名前や名刺がぎっしりと詰まっています。
恐れ多くもKasayanがその中に名前を書けるなんて・・・・。Kasayanの所属するYBC(横浜ベイサイドクラブ)の
ステッカーを貼らせていただきました。

眠い目をこすりながら天気図をダウンロード。
今日も真夏の天気図、中心に太平洋高気圧!!!。アメダスを見ると、ほとんど陸風数メートル。
こりゃ、寝不足だろうがなんだろうが、この貴重な梅雨の晴れ間、出港しないのはあまりにもったいない。
前進あるのみと6時45分出港。

日本海は今日も鏡のように真平ら。機走性能最大の6ノット。
昨日、陸から見た鳥取砂丘が海からとても良く見えますが、おもっていたより砂丘はずいぶん小さいものでした。
多分、緑地化のため、ずいぶん松林になってしまったのでしょう。

鳥取砂丘を越えると、砂浜が消えて、男性的な岩場の入り組んだ海岸線に。
風は北の海風にかわりましたが、相変わらずの微風に機走継続。
余部崎を越えたところで、有名な山陰線余部鉄橋がみえてきました。海から切れ込んだ狭い谷間の上を鉄橋が
まさに橋渡ししています。この余部鉄橋の脇に村人総出で余部駅を作ったという話を小学生の頃に読んだことがあって、
一度は見てみたいと思っていた場所。また、十数年前、風にあおられて列車が脱線転落し、大勢の方々が死傷されたところ。
しみじみと眺めていると、柴山港沖の巨大な防波堤が見えてきました。

12時、柴山港入港。江崎や温泉津、そして鷺浦同様、深い入り江の天然の良港。入り口は洞窟のある切り立った美しい岩場で、
ドン詰まりの奥は砂浜の海水浴場になっている美しい港。漁協に許可を求めると、目の前の立派な岸壁を指示してくれました。
早速、歩いて3分のガソリンスタンドへ軽油の買出し。機走が多いので軽油消費量がやや多め。(といっても時間1リットル弱)
スタンドのおじさん、ヨットできたことを話すと、いきなりポリタンクを軽トラックの荷台に載せて、わずか3分の距離を車で運んで
くれました。なんと人情の厚い港!!!!

軽油を片付けていると、早速地元のヨットマンE氏が来られました。姫路の子供たちにOPヨット(ちいさな箱型のヨット)を教えたり
する地元の網元の方。城崎温泉に行く旨を話すと、しばらくして列車の時刻表のメモと観光パンフを持ってきてくださいました。
またまた、お世話になりっぱなし・・・・・・・・・・・。

柴山駅は無人駅。ワンマンの一両編成(編成というのかな?)に乗って25分で城崎到着。
新装なった「一の湯」へ。入浴料500円。洞窟風呂もある立派な良い温泉に大満足。
町並みも趣があり、石造りの川沿いには柳並木があって風情たっぷり。
実は今日7月3日はKasayanの39回目の誕生日。Kasayanは「脊椎カリエス」ではありませんが、大満足の「城崎にて」。
尾道で志賀直哉の旧宅へ行けなかったのですが、ここでその分まで堪能することができました。

再び、ワンマンカー列車で、柴山へ。港までの道を歩いていると、いきなり軽ワゴンが止まって「まー乗れって!!!」
何事かと思いましたが、鳥取でN氏からお名前を聞いていた地元柴山のY氏。
船に戻るとコクピットに置きっ放しにしていたバケツに一杯の紅ズワイガニ。
蟹をさかなに、ビールで乾杯。とても気さくで豪快な日本海のヨットマンでした。
そして、この港に留めている数隻のヨットで作るヨットクラブのフラッグをいただきました。横浜帰港後にYBCの旗を送ることを
約束。またお世話になりっぱなし・・・・・・・・・・。
1時間ほど歓談し、「能登へ行ったらN氏を訪ねな!!」とメモを残して帰っていかれました。バケツ一杯の蟹はすっかり空に。

・・・・と、10分もしないうちに、先ほど列車の時刻表のメモを下さったE氏再び来艇。片手にはたっぷりの甘エビ。もう一方の手には
ビールと地酒の一升瓶。今度は、おいしい甘エビを食べながらビールで乾杯。
この港の自然を心から愛するヨットマン。美しい柴山の港が、安易な防波堤建設などで、破壊されないで欲しいと心から願わずには
いられませんでした。
またまたお世話になりっぱなし・・・・・・・・・・・・・。

鳥取、柴山と、今年のKasayanの誕生日はお世話になりっぱなしの一日。この日を一生わすれることは無いでしょう。

フィリピン付近に台風3号発生。ゆっくりと熊本方面に北上中。コースがかなりまずい方向になっているようです。
前進のタイミングと、台風をやり過ごす良港に入港するタイミングが難しくなってきました。
台風進路が直撃パターンなら特に厄介。今のところ、若狭湾の中でやり過ごす必要がでてきたようです。
まずは明日、舟屋で有名な伊根まで進むとしましょう。

 

柴山に停泊を予定されている方へ
当HPをご覧になって柴山へ停泊を予定されている方がおられましたら、Kasayanまでメールをいただけると幸いです。
本文中Y氏から、当HPを見て柴山に寄航される方は連絡して欲しいとのお話がありましたので。
メール送るにはココをクリック


海から見た鳥取砂丘

7月4日(火) 兵庫県 柴山港 ⇒ 京都府 伊根港

昨夜は、思いもかけない地元ヨットマンお二人のおかげで一生の思い出を作ることが出来ました。
そのためか興奮さめやらず、うとうととしているうちに午前4時30分。
天気図とアメダスをダウンロードすると、昨日と同じ、真夏の天気図。そして台風のおまけ付き。
西日本の日本海沿岸部では、数メートルの陸風が吹いているようです。
この陸風にのって少しでもセーリングをしようと少々早めの5時30分出港。

昨夜、Y氏が「ゴミ岸壁に置いてきな!」と言ってくださいましたが、ゴミくらいは自分でなんとか処理せねばとコクピットロッカーへ。
Y氏、クルージングをしている人間の困っていることを本当にわかっていらっしゃいます。
ご自分が、長期のクルージングされているので、細かいことまで来訪者の気持ちをわかっていただけるのでしょう。
言葉では言い尽くせない感謝の気持ちに加えて、少しでも見習いたいと思うKasayanでした。

柴山港外で、港に向かって女房と大きく手を振って一路26マイル先の経ヶ岬へ。
山から吹き降りる出し風をつかんではセーリングしたり機走したりの繰り返し。おかげで直線26マイルもあっという間に
通り過ぎ10時半過ぎにはもう経ヶ岬通過。
いよいよ若狭湾の入り口。昨夜、Y氏とE氏から定置網に気をつけろと言われていたので、岸から2マイル離して
慎重に前進。岸よりにはいたるところ定置網のブイ。技量の無いKasayanでは夜間に通過するのは困難と思われました。

伊根港の入り口も定置網といけすが迷路のよう。入り口右側の岬を大きく迂回して伊根港入港13時。
いつかテレビで見た、船のガレージ付きの家「舟屋」が湾内所狭しと並んでいます。
しばらく着岸せずに港内観光。うろうろしているのを心配したのでしょうか。みやげ物屋のオヤジが店から出てきて手を振り
着岸場所を指示してくれました。おかげさまで町役場のある入り江入り口の防波堤に横付け。
目の前30メートルに綺麗な公衆トイレ。水、トイレの心配がまったくない至便の一角。まさに伊根港の田園調布。

女房は、早速、トイレの水道で洗濯。Kasayanは、このところの疲れがどっと出て片付けが終わるとそのまま船で昼寝。
夕方5時に目を覚まし、日が傾いた港内を散歩。港の美しさにひかれ心が緩み、ちょっと贅沢に「なぎさ寿司」へ。
偶然にも伊根を訪れたヨットマンの寄せ書きノートがあり、Kasayanも遠慮がちに記帳。

帰艇後、柴山のY氏から電話。無事の到着を心配しての電話でした。
こちらからお電話せねばならないところ、本当に申し訳ないことをしてしまいました。
これから新潟まで、知り合いがたくさんいるので、なにか困ったらすぐに電話して来いよとのお言葉までいただき、ただただ
お礼しかできないKasayanでした。

今夜は、ゆっくりと寝て、明日は小浜まで。わずか20マイルそこそこなので、ゆっくり身体を休めることができそうです。
でも台風3号に引き続き、明日には4号も発生しそうな気配。
さて、どういう作戦で前進と日和待ちのタイミングを計ったらよいものか?

 
柴山の朝焼け                             伊根港 遠くに見える家が「舟屋」




 

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