食虫植物 FAQ 日本語版

質問サラセニア属 ( Sarracenia ) とは?

回答  サラセニア (Sarracenia) 属は、主に米国の南東部で見られる種のグループです。(本属のより詳しい分布範囲については、こちらの FAQ 項目 をご覧ください。)
 ほとんどが立ち上がり、トランペットのような形をした植物ですが、背の低い種も少数あります。

 本属にいくつの種が存在するかについては、議論の分かれるところです。科学者によって、8種から 11種までと様々です。これは種の概念や、種の記載に関する意見の相違によるものです。
 この意見の相違は、一部には、全ての種が異種交配して結実能力がある交配種が出来るということによります。(種の境界を越えての交配が禁じられていたという古い話しは、動物学にのみ適用されることで、それも常に禁じられていた訳ではありません!)
 これらの問題については、この後の FAQ 項目で、さらに詳しく取り上げます。

S. minor
サ、ミノール
 サラセニア (Sarracenia) には、ハエトリグサのように速く動く部分はありません。一旦捕虫葉に落ちこんだ獲物が、決してそこから逃れられないようにして、獲物を捕らえます。
 なかには、驚くべき種類の化学物質を分泌するものもあります。その中には、消化酵素、湿潤剤、そして麻酔剤まで含まれます! そういった化学物質を分泌しないものは、獲物の消化をバクテリアの働きに頼っています。

 通常認められている種は、以下に挙げた通りです。(種名の横の "花" あるいは "捕虫葉" という文字をクリックすると、それぞれの種の花や捕虫葉の写真が見られます。)
 英語の普通名があるものは、それも併記しました。PP とあるのは、"pitcher plant" の略です。特定の地域だけで使われる普通名もたくさんあります。例えば、dumb-watches、buttercups、blood cups、fly-bugles、trumpet pitchers、そして fly-catchers です。

サ、アラバメンシス S. alabamensis(Canebrake PP) 捕虫葉
サ、アラタ S. alata  花 I, II 捕虫葉
サ、フラバ S. flava(Yellow PP) 捕虫葉
サ、ジョネシー S. jonesii(Mountain PP) 捕虫葉
サ、レウコフィラ S. leucophylla(White-top PP) 捕虫葉
サ、ミノール S. minor  捕虫葉
サ、オレオフィラ S. oreophila(Green PP) 捕虫葉, 剣葉
サ、プシタシナ S. psittacina(Parrot PP) 捕虫葉
サ、プルプレア S. purpurea(Purple PP) 捕虫葉
サ、ロゼア S. rosea  
サ、ルブラ S. rubra(Sweet PP) 捕虫葉

 栽培用土は、水苔 (Sphagnum) をお勧めします。年中湿った状態を保てるからです。優れた水苔 (Sphagnum) の代替品としては、パーライト、砂、ピート の 2:1:1 の混合用土を私は使用しています。  本当に必要になるまで、植え替えはしないで下さい。もしする場合は、春か夏の間に行なって下さい。

 サラセニア (Sarracenia) は、食虫植物の中では栽培が非常に簡単な属です。この FAQ に書いてある一般的な栽培の原則に従えば、栽培は成功するでしょう。
 原則に従ったとしても、栽培に失敗するケースは、日照と季節に関する誤りに原因があります。

日照に関する誤り:  サラセニア (Sarracenia)、とりわけトランペット状に立ち上がるタイプのものは、極めて強い日照を必要とします。このことは、それらはテラリウムでの栽培には向いていないということです。
 サラセニア (Sarracenia) をテラリウムや室内で栽培しようとしないで下さい。それでは十分な日照が得られません。
 ただし、例外はあって、サラセニア プルプレア (Sarracenia purpurea)、プシタシナ (S. psittacina)、ルブラ ルブラ (S. rubra subsp. rubra)、それにほとんどの種の実生苗だけは例外です。(これらは背が低いので、上に生える植物に日照を制限されることに慣れているのです。)
 トランペット状に立ち上がる サラセニア (Sarracenia) を栽培していて、捕虫葉が柔かくて倒れてしまっている場合は、日照が十分ではないのです。十分な日照があれば、捕虫葉は自らの重みに耐え、立ち上がるはずです。

季節に関する誤り:  サラセニア (Sarracenia) には、春夏秋冬というはっきりとした四季の訪れが必要です。
 春には花を付けます。夏の初めの頃には、次々と捕虫葉を付けます。秋には特に変化はありません(ただしこの季節に捕虫能力のない剣葉を付ける種もあります)。冬には夏の間に出た葉が枯れて行きます。秋冬の間は決して根をいじらないで下さい。
 この変化は、低温 および/あるいは 日照時間・日照強度の減少によって、引き起こされるものだと思いますが、実際のところはどうなのか知りません。
 この成長が遅くなる季節を利用して、枯葉を切り落とすといいでしょう。カットするのは枯れた部分だけにして下さい−−−生きている部分は決して切らないように。
 オレオフィラ (S. oreophila)、ルブラ ジョネシー (S. rubra subsp. jonesii)、プルプレア プルプレア (S. purpurea subsp. purpurea) は、冬の間、霜が降りるくらい寒い方がいいです。
 このように、四季の変化をつけて植物を栽培すると、毎春開花するでしょう。これで植物もハッピーです!

 サラセニア (Sarracenia) の全ての種が、広範囲に渡る自生地の破壊のため、絶滅の危機に瀕しています。それが本属への唯一の大敵です。
 最も稀少な種は自生地の破壊からは免れていますが、園芸家の採集という重圧にさらされています。コレクターが稀少種を自生地で採集(密猟!)することにより、ある地域の植物が丸ごとなくなってしまうことがあります。
 この食虫植物 FAQ の別の項目で、稀少種が直面している問題について扱っています。
 最近、生け花用の捕虫葉の採集が新たな問題となっています。このような植物の取り引きは、レウコフィラ (S. leucophylla) を絶滅の危機に追い込むかも知れません。捕虫葉がとてもきれいだからです。

 この項目のあとに、フラバ (S. flava)、プルプレア (S. purpurea)、ルブラ (S. rubra)、稀少種、交配種 についての詳細な情報を載せておきましたので、見落とさないで下さい!
 サラセニア (Sarracenia) の写真をもっとたくさん見たいという方は、Galleria Carnivora の 1階にいってみて下さい。

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このページの最終更新日 : 2001年04月 Original copyright (C) 2001, Barry Rice
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