食虫植物 FAQ 日本語版

食虫植物を有性生殖で増やすにはどうしたらいいですか?

ドロセラの花
ドロセラの交配種
Byblis liniflora
ビブリス リニフロラ
 植物を増殖させるには多くの方法がありますが、それらは大まかに有性生殖と無性生殖のふたつに分けられます。有性生殖とは、花を使って種を作らせる方法です。無性生殖とは、植物体の一部を採って強制的に新しい植物体を作らせる方法です。

 有性生殖では、花の葯(すなわち雄しべ)から取った花粉を、柱頭の表面(すなわち雌しべ)に付けなければなりません。これらの用語の定義については、植物学の入門書を参照して下さい。多くの食虫植物(ドロセラ(Drosera)、ハエトリグサ(Dionaea)、ビブリス(Byblis)、ドロソフィルム(Drosophyllum)、セファロタス(Cephalotus)など)では、花の構造は単純で、葯や雄しべが簡単に識別できます。(例えば ハエトリグサの受粉方法に関するFAQ項目 を復習してみて下さい。)
 一方、その他の属の花は大きく変形しています。ダーリングトニア(Darlingtoniaとサラセニア(Sarracenia)は、非常に興味深い花をつけます。それらは、柱頭が発達し、大きな傘のような形になっています。そして花粉を受容するのは、この傘のような部分の端にある小さな突起です。詳しくは、食虫植物の増殖に関するこのFAQ項目を参照してください。(また、サラセニアの花の構造は、JIPS 「食虫植物 データベース」 で、詳しく解説されています。(JIPS 「食虫植物 データベース」 の左側に表示されるメニューで、[サラセニア]-[サラセニア]-[サラセニア概説] という風にたどってください。))

Pinguicula caerulea
ピ、カエルレア
突然変異したサラセニア
突然変異したサラセニア
 ムシトリスミレ(Pinguicula)、ゲンリセア(Genlisea)、ウトリクラリア(Utricularia)の生殖器はとても変わっていますが、相互に非常に良く似ています。(そのためこれらは同じ植物学上の科であるタヌキモ科(Lentibulariaceae)に分類されています。)
 このページの右側にある、アシナガムシトリスミレ (P. moranensis) の花の写真を見て下さい。明るい赤色の小さなフラップが、花粉を受容する柱頭の表面です。一方、ふたつの白い湾曲した構造物は雄しべの花糸です。花糸の先端にある葯は赤い柱頭の表面の下に隠れていますが、黄色い花粉がいくらか溢れ出しているのが見えるでしょう。(柱頭の表面の裏側は、花粉を受容しません。)
 この種の花を受粉させるには、柱頭のフラップを注意深く引き上げ、花粉を採取し、それをフラップの花粉を受容する側に付けなければなりません。これは、蜜を探して花を訪れた昆虫によって無意識のうちに行われます。

 なかには“自家受粉”する植物もあります。これは、花から花粉を取って、それを同じ花の柱頭に付ければ良いということです。技術的には、私はこれは近親相姦だろうと思います。人間の近親相姦で遺伝的な欠陥が現われるように、自家受粉した植物では成長力が弱いものが生じます。
 可能ならば、食虫植物は他家受粉させて下さい。(ついでに言っておくと、同じ親から無性生殖で増やした植物は、遺伝的には同一であり、これらの植物を他家受粉させても、自家受粉したのと同じことになります。)多くの植物では、自家受粉させても種が実りません。

受粉させた後は、種が出来るかどうかを見るために待たなければなりません。ドロセラ(Drosera)では、数週間で種が出来ます。サラセニア(Sarracenia)は、種が熟すのに数ヵ月かかります。

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このページの最終更新日 : 2000年11月 Original copyright (C) 2000, Barry Rice
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