食虫植物 FAQ 日本語版

殺虫剤とか他に害虫を殺す方法はないですか?

 驚くべき真実ですが、虫を食べる食虫植物でさえ、一般の植物を攻撃するのと同じ害虫の餌食となります。(前項の食虫植物を攻撃する 害虫の写真 を見ましたか?)

Drosera capensis
アフリカナガバモウセンゴケ
 もし食虫植物に虫がついていたら、それをどのように取り除くのかクリエイティブに対処しましょう。できれば、害虫を手作業でつかみ取りましょう。コレクションの数が少ないのなら、この手作業での害虫取りが、多くの種類の害虫の害に対して有効です。そして、殺虫剤を使用したときのような大きなリスクを負うこともありません。
 たとえばテントウムシを使った生物的な害虫駆除は、限られた効果しかありません。なぜなら、それらはあっという間に食虫植物に食べられてしまうからです!私はかつて、アブラムシの駆除のために数千匹のテントウムシを温室内に放しました。しかしそれらはサラセニアの餌食となってしまいました!そして、アブラムシには影響はありませんでした。

 食虫植物は水を好むことから、植物を数日間完璧に水中に沈めて害虫を殺すこともあります。私もこの方法で成功しましたが、同時に セファロタス(Cephalotus)、サラセニア(Sarracenia)、ウトリクラリア(Utricularia)、ハエトリグサ(Dionaea)をこの方法で枯らしてしまいました。
 お分かりだと思いますが、この方法にはテクニックが必要なのです。それは、植物を浸ける容器の水量は非常に多くないといけないということだと思います。容器が小さいと、水が汚れて悪臭が発生し、植物が枯れてしまうのです。これは酸素が欠乏することが原因なのでしょうか?私は現在もこの方法の欠点について研究しています。

 もしあなたがどうしても化学薬品を使う方法にこだわるなら、幸運をお祈りします!食虫植物は化学薬品にとても敏感だからです。私は全くと言っていいほど、栽培している植物に殺虫剤は使いません。(例外的にしばしば使っているのは、イソプロパノールとダイアジノン(Diazinon)だけです。)
 以下に多少なりとも効果のあった化学物質についてレポートします。

 化学薬品について議論するまえに、いくつか言っておかなければならないことがあります。それは、ある人が使って効果があったといっても、誰にでも効果がある訳ではないかもしれないということです。さらに、私はあなたに化学薬品の使用を推奨している訳ではないということです。不明な点は、ご近所の農事指導員や、経験豊富な販売店に尋ねてみて下さい。
 しかしお願いですから、殺虫剤を使用するときは必ず、マスクをして手袋をはめ、空気が十分に流通する屋外においてのみ使用するようにして下さい。(もちろん、空気の流通が良いというだけで、殺虫剤からの蒸気が消えてなくなる訳ではなく、それが風に飛ばされてあなたの周りの何かに悪影響を与えるのだということを心しておいて下さい。)

 それとは別に、更に心配しなければならないことがあります。それは、界面活性剤と不活性成分の事です。殺虫剤のびんを見ると、実際の殺虫成分は全体のうちごくわずかだということが分かります。残りの部分には、界面活性剤と不活性成分が含まれています。
 界面活性剤は、殺虫剤が害虫や植物にくっつくのを助ける役割をする化合物です。界面活性剤の中には、食虫植物に害を及ぼすものもあります。不活性成分は不可解で、法律でも成分表示が求められてはいません。不可解で秘密主義の製薬会社が殺虫剤に何を入れているのかは誰にも分かりません。それはデリケートな食虫植物にとって極めて有害であるかもしれません。それでも使ってみようと思いますか?

 バシラス スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis) 毒素 (別名 "Bt"):これは毒素を生成するバクテリアに因んで命名されたもので、Bt は芋虫に対して有効に作用します。中に含まれる界面活性剤と“不活性成分”に注意が必要で、食虫植物に害を及ぼす恐れがあります。ほんのわずかな Bt を水を入れたトレーに撒くと蚊の幼虫が死んでしまうのを知っていましたか?わたしの経験では、 Bt はウトリクラリア(Utricularia)とムジナモ(Aldrovanda)には害を及ぼしません。

 ダイアジノン (Diazinon):多くの害虫に非常に有効で、私の経験では、サラセニア(Sarracenia )や少なくとも数種のウトリクラリア(Utricularia)には安全に使用できます。この薬剤で問題があったことはないですし、中に含まれる界面活性剤や不活性成分にも問題はないようです。

 イソプロパノール:とても良い薬剤です。綿棒に含ませてアブラムシやカイガラムシに軽く塗ります。よく効いて副作用もありません!数滴をサラセニア(Sarracenia)の葉腋に滴らすと、隠れているカイガラムシを退治することもできます。サラセニア(Sarracenia)には害はないようです。(なかには使い方が悪いのかイソプロパノールで食虫植物を枯らしたという話を聞いたことがあるので注意して下さい!)

 アイソトックス(Isotox): 私は使用したことはありませんが、信頼できるウトリクラリア(Utricularia)の栽培家によると、様々な害虫に対して使用しているとのことです。

 マラチオン(Malathion): この薬剤は、粉末を湿らせた状態で使用できる点が優れています。マラチオンそのものでは、食虫植物にあまり害を及ぼさないようです。しかし、この薬剤を液状にする際に通常用いられる溶剤が、食虫植物に害を及ぼします。

 マラソン(Marathon): この薬品は高価ですが、ウトリクラリア(Utricularia)には安全に使用できるようで、根に害を及ぼすカイガラムシを退治するのに有効です。

 除虫菊(Pyrethrum): 菊から抽出された薬剤で、多くの園芸家は他の殺虫剤に比べて環境にやさしいと考えています。食虫植物に好んで使用する人もいますが、私はこの薬剤がサラセニア(Sarracenia)の捕虫葉や花にダメージを与えるのを見たことがあります。噂によると、この薬剤に添加された補助薬がダメージの原因だそうです。

 石けん: これも比較的試されていない殺虫剤のひとつですが、あいにく食虫植物には致命的であると思われます(しかし、なかにはこれをうまく使っている栽培家もいます)。

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このページの最終更新日 : 2000年11月 Original copyright (C) 2000, Barry Rice
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