食虫植物 FAQ 日本語版

質問 食虫植物の害虫について教えてください。

回答  虫を食べる食虫植物でさえ、害虫の餌食になります。害虫のなかには駆除が厄介なものもあります。害虫をやっつけようとするまえに、その害虫がなんであるか同定しなければなりません。
 このページの記述が、害虫無しの栽培のために役立つでしょう。害虫の写真やリンクもあるので、必要に応じて参照して下さい。

 このページに掲載したほとんどの画像は、(ほかの食虫植物 FAQ の項目と同じように)はサムネイルであることを忘れないで下さい。クリックするとより見やすい画像が表示されます! 害虫の処置に関しては、次の FAQ ページで扱います。

アブラムシ
アブラムシ
 アブラムシ この昆虫は植物の汁を吸って生きています。これが群れを成して、愛しい植物にたかっているのを見かけるかもしれません。アブラムシは、敵に対して防御する手段をほとんど持ちませんが、驚くべき速度で増殖する能力があります(雌は産まれながらに妊娠していると考えられていますが、この場合、誰が“父親”かと考えると困惑してしまいます)。
 自然界では、アブラムシにやられた植物は普通天敵に発見されるので、ほとんど問題にはなりません。しかし、栽培下においてはそのような天敵は稀です。
 アリはアブラムシが分泌する甘い溶液を好んで食するので、実際にはアリはアブラムシを天敵から守っているのでしょうが、食虫植物を栽培するものにとっては何の役にも立ちません。
 アブラムシには様々な色のものがいて、大きさはすべて 2.5mm かそれ以下です。アブラムシの大きな群れは簡単に判別できます。−−−アブラムシの群れは簡単に見つけることが出来て、植物を捩じれさせたり、異常な形にしたり、成長を妨げたりします。

クチブトゾウムシ
幼虫
クチブトゾウムシ
成虫
 クチブトゾウムシ この狡猾な怪物は、成虫となってからはあまり問題を起こしません。しかし、サラセニア(Sarracenia)やダーリングトニア(Darlingtonia)の根茎を貪欲に食べてしまいます。成虫を見つけたら植物から摘み取って殺して下さい。幼虫はおそらくあなたの植物を枯らしてしまいます。この害虫は、通常海岸沿いの場所で発生します。

いも虫
 いも虫 これは蝶や蛾の幼虫で、カタツムリやナメクジと同じくらい有害です。もし植物にかまれてできた穴があって、小さな黒い糞があったら、ミスターいも虫が訪問しているということです。

キノコバエ キノコバエ
 キノコバエ  この昆虫については心配することはありません。キノコバエは小さな褐色の昆虫で、土壌の表面近くを飛び回っています。幼虫が実生の苗を食べる可能性はありますが、確かではありません。キノコバエはムシトリスミレ(Pinguicula)やピグミードロセラの良い餌となるので、特に気にしてはいません!

コナカイガラムシ
コナカイガラムシ
 コナカイガラムシ この昆虫は、カイガラムシと深い関係があります。しかし、堅い殻を作る代わりに、ワックス質の粉末状のコーティングを作って、多くの殺虫剤から身を守ります。もし、この生き物をそんなに嫌わないならば、その複雑でレース状の外形はかわいいものです。いまいましい小さな怪物め。アブラムシやカイガラムシと違って、コナカイガラムシはかなりの範囲を這い回ります。そのため、あなたのコレクションの他の植物にも移り住むことがあります。
 コナカイガラムシは根にも影響を及ぼします。見た目には1匹か2匹しかいないと思っても、土の中には非常に多くのコナカイガラムシのコロニーが出来ていたりします!これに感染すると、白い綿のような塊が見られるようになります。個々のコナカイガラムシは体長数mmですが、砂漠に住んでいる種では 1cm 近くになるのを見たことがあります。

 ウドンコ病 この病気は、葉の表面に白い粉末を振り掛けたように見える菌です。とりわけセファロタス(Cephalotus)に害を及ぼします。

カイガラムシ
 カイガラムシ これは奇妙な動物で、生き物のようには見えません。雌のカイガラムシが幼いときに植物に取り付き、固い殻を作り、その後ずっとその場所にとどまっています。その固いワックス質の殻は、多くの殺虫剤も浸透しません。
 ひどい感染を起こすと、無数の円形あるいは楕円形をした褐色の円盤が植物についているように見えます。大きさは、多くの書籍で使われている通常の12ポイントの活字の“O”と同じくらいです。ぺしゃんこの時もあれば、外側に膨らんでいるときもあります。様々な色のものが存在します。言っておきますが、多くの人々の目に留まるのはすべて雌の個体です。−−−雄のカイガラムシは滅多にいません。

カタツムリ

 カタツムリとナメクジ これらの生物は我々の間でも良く知られています。植物の若い部分を一生懸命探して、汚い歯ですりつぶすようにして貪り食います。すりつぶして食べろ、食べろ、食べろ、そしてあなたのサラセニア(Sarracenia)の捕虫葉はすぐにやられてしまいます!

すす病
葉っぱに始まり...
すす病
...果実にまで
 すす病 この病気は、Dothideales 目に属するいくつかの放線菌(Actinomyces)によって引き起こされます。Capnodia(Fumago)属、Limacinia属の菌も含まれます。
 すす病は、それ自体が問題というよりも、病気の植物の症状として表れます。コナカイガラムシ、カイガラムシ、アブラムシなどの害虫が分泌する砂糖のような物質によって、すす病は引き起こされて、広がっていきます。
 すす病は、害虫がいない状態でも起る厄介な問題です。食虫植物が(獲物をおびき寄せるために)捕虫葉から砂糖を分泌するからです。通常は水をかけて洗い流せばいいですが、ネペンテス(Nepenthes)やサラセニア(Sarracenia)の捕虫葉から取り除くには、軽くこすってやらなければならないかも知れません。

ハダニ
 ハダニ 私は、ハエトリグサとセファロタス(Cephalotus)を1回やられた時を除いて、食虫植物がハダニに多少なりともやられているのを見たことがありません。しかし、その結果は
ハダニ
憂鬱なものでした。
 ハダニは小さな点のような虫で、通常植物の成長点に店開きします。そこで大きなコロニーを作ります。クモのように、大きなクモの巣状の塊を作ることで識別することができます。次の点でクモの巣(これは何も心配することはありません)と区別することができます。1)植物の成長点の近くにいること 2)巣の上にダニがいること−−−赤い小さな点が動き回っています 3)クモがいないこと。

アザミウマ
残忍な...
アザミウマ
...その被害
 アザミウマ(スリップス) これはとても小さな昆虫で、肉眼で見るのは困難です。−−−その細長い体を見るためには顕微鏡が必要です。しかし、アザミウマによって引き起こされる症状は間違いようのないものです。アザミウマは植物の汁を吸うと、アブラムシのように、尻に粘り気のある小塊を分泌します。この塊が落ちると、アザミウマがあなたの植物にいるという最初の兆候の一つである、小さな黒いタール状の点が植物につきます。
 症状が進むと、植物は色褪せてきます。−−−きれいな緑色だった葉が、白っぽくなり、漂白したかのようになってしまいます。植物の組織は乾燥してカリカリになったように見えます。
 私はスリップスが大嫌いです。そしてもうひとつ、アザミウマのことを“スリップ”とは言わないで下さい。スリップスが正しいのです。そのために、次の文を唱える練習をして下さい。「私は顕微鏡で一匹のスリップスを見ました。何と醜いことでしょう!」

コナジラミ
 コナジラミ コナジラミは、体長わずか1.5mmほどの小さな飛びまわる昆虫で、キノコバエ(上記参照)に外観が似ています。しかし、キノコバエと違って、温室の植物に大きな問題を引き起こす可能性があります。幸いなことに私は、食虫植物がコナジラミにひどくやられているのを見たことがありません。

 ミミズ たいていの園芸家は、ミミズはあなたの味方だと言うことでしょう。けれど、そうではないのです。ミミズは、土壌を食べて消化管を通して処理して排出します。その時、不活性な有機物が植物が利用できる肥沃な土壌に変わり、土壌の栄養価が増すのです。
 しかし、食虫植物は栄養価の低い土壌を好むので、ミミズの働きはマイナスになるのです。私はイトミミズのことで大きな問題を抱えています。私はイトミミズが大嫌いです!

 このサイトの写真は、さまざまな機関の方から提供されました。以下にリストアップしましたので、英文ですが興味があったらご覧ください:

Penn State Department of Entomology (apparently off-line)
University of California Statewide Integrated Pest Management Project
Virginia Cooperative Extension
Ohio State University Extension
Ohio State University Floriculture

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このページの最終更新日 : 2000年10月 Original copyright (C) 2000, Barry Rice
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