食虫植物 FAQ 日本語版

質問 栽培中の植物に花が咲きました。何かする必要がありますか?

Drosera dielsiana
ドロセラ ディールシアナ
回答   まずは喜んでください。あなたは、花が咲く大きさにまで食虫植物を育てることが出来たのですから。
 次にすることは、種子を実らせるために受粉させる作業です。食虫植物の多くは、簡単に受粉させることができます。ドロセラ (Drosera)、ビブリス (Byblis)、ドロソフィルム (Drosophyllum)、ディオネア (Dionaea) の各属の植物なら、雌しべや雄しべは簡単に分かります。園芸書などを見て、雌しべの柱頭(ちゅうとう)と、雄しべの葯(やく)がどれかを調べてください。
 葯から花粉をとって、それを柱頭に優しくこすり付けて下さい。多くの食虫植物は自家受粉で結実します。つまり、花粉を同じ花の柱頭につけるだけでいいのです。

Sarracenia flava
サ、フラバ
 サラセニア (Sarracenia) と ダーリングトニア (Darlingtonia)の花は独特な構造をしています。
 右のサラセニア フラバ (Sarracenia flava) の写真を見てください(分かりやすくするため、垂れ下がるようについている黄色い花弁の一枚を取り除いています)。黄色からオレンジ色の葯が、垂れ下がるように房になってついているのが良く分かると思います。
 そして、葯の下には、逆さまにした傘のようなものが花粉を集めるように着いているのを見て下さい。この大きな傘のようなものは、大きく発達した花柱で、花柱板と呼ばれています。花粉を受け入れる柱頭はというと、花柱板の先の下向きに着いているフックのようなものがそれです。
 良く分からなかったら、画像をクリックして拡大表示してみて下さい。この写真の、左下にあるのが葯、右下にあるのが柱頭です。受粉させるには、花粉を柱頭に付けてやれば良いのです。

 それでもまだ良く分かりませんか? でも、日本の皆さんはラッキーです。JIPS 「食虫植物 データベース」 で、サラセニアの花の構造が詳しく解説されているからです。(JIPS 「食虫植物 データベース」 の左側に表示されるメニューで、[サラセニア]-[サラセニア]-[サラセニア概説] という風にたどってください。)

Darlingtonia
ダーリングトニア
 ダーリングトニア (Darlingtonia) は、サラセニアと花の構造が多少似ています。右のダーリングトニア (Darlingtonia) の花の写真を見て下さい。分かりやすいように、花弁を一部取り除いてあります。葯を A 、柱頭を B で示しています。クリックして拡大写真を見て下さい。写真を見ていると、花粉を 5つの柱頭の先端に付けたくなるでしょう?

 ハエトリグサ (Dionaea) は、基本的に自家受粉で結実可能ですが、必ず種が実るとは限りません。その上、種を付けさせると植物が衰弱してしまうことも多くあります。花茎が出ているのに気づいたら、折り取ってしまった方がいいかもしれません。
 ハエトリグサのセクション を見て下さい。どうして花を咲かせない方がいいのか、もっと詳しく解説しています。

Pinguicula
生殖器官
 ムシトリスミレ (Pinguicula)、タヌキモ (Utricularia)、ゲンリセア (Genlisea) の各属の花の構造はとても良く似ています。これらの植物が 同じ タヌキモ科 (Lentibulariaceae) に属しているのも納得できます。
 これらの花は、外側から見てもわかりにくいので、写真で説明しましょう。まず、右の 「生殖器官」と書かれた写真をクリックしてください。写真が拡大表示されましたか?
 では、その写真を見ながら、説明を聞いてください。これは、ピンギキュラ モラネンシス (Pinguicula moranensis) の生殖器官です。内部がよく見えるように、下の花弁は取り除いてあります。上側が花の前面に当たります。
 二つある湾曲した白い雄しべの先に、黄色い花粉の塊が付いているのが見えますか?花粉は、エプロンのような深紅色の柱頭の下に、隠れていて見にくいかもしれません。自家受粉させるためには、花粉を柱頭の表面に付けてやらなければなりません。
 タヌキモ科 (Lentibulariaceae) の植物を受粉させるためには、花弁をちぎって取らなければなりません。花弁はいづれ枯れて落ちるものですが、花の残りの部分は注意深く取り扱って下さい。とても傷つきやすく、うっかりすると種は出来なくなってしまいます。

 自家受粉では結実しないものもあります。ドロセラ (Drosera) の一部やビブリス (Byblis) がそうです。
 ネペンテス (Nepenthes) は、雄木と雌木があるので、当然ながら自家受粉は有り得ません。もし種を付けたいと思うなら、誰か他の人から花粉を譲ってもらわなければなりません。
  Rick Walker さん の 食虫植物データベース に花粉の交換記事が載っていることがあります。また、JIPS 食虫植物 ホームページ の 掲示板メーリングリスト も、花粉の情報交換にご利用ください。

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このページの最終更新日 : 2001年04月 Original copyright (C) 2001, Barry Rice
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