食虫植物 FAQ 日本語版

質問 どうして植物が動くの?本当は動物なの?


獲物を捕まえた アフリカナガバモウセンゴケ

D. rotundifolia
行動を起こしたモウセンゴケ
回答  植物はすべて多少なりとも動く力を持っています。簡単なことですが、成長に伴って大きくなるので、動いていることになるわけです。
 しかし、食虫植物はずっと早く動いて、本当にびっくりしてしまいます。植物は筋肉のような組織を持ってはいないのに、どうやって動くのでしょうか?

 食虫植物が動くメカニズムは、主に2つあります。
 ひとつめは、ハエトリグサの罠が閉じるような動きで、それには細胞内の水圧の変化が関係しています。
 ハエトリグサの葉の表面にある感覚毛に触れて刺激を与えると、葉の内側の細胞から外側の細胞へと水分が移動します。それによって内側がふにゃふにゃな状態になり、葉が閉じるのです。

 ふたつめは、細胞の成長によるものです。
 モウセンゴケの仲間は、繊毛が獲物を捕まえるように曲がります。これは、繊毛の片方の細胞がもう一方の細胞よりも早く成長するからです。
 これは、サーモスタットのバイメタルが動くのに似ています。

ドロセラ クネイフォリア
Drosera cuneifolia
 でも、素早い動きをするのは食虫植物だけではありません。「オジギソウ」 のことは皆さんご存知だと思いますが、触るとぱっと動きます。
 ほんの少し触れただけで、葉が閉じ合わさり、下にたれてしまいます。ハワイでは、オジギソウのことを、恥ずかしがるという意味の名前で呼ぶそうです。

 なお、食虫植物でも全部が全部素早い動きをするわけではありません。ネペンテス (ウツボカズラ) やサラセニアなど、多くの食虫植物は、葉の一部が袋のようになっていて、獲物が入ることができても脱出できないような巧妙な罠になっています。
 こういった植物は、動く部分を "全く" 持っていないと言えます。

 ですから、いくら食虫植物が変わっているからといって、他の惑星からやって来た正体不明の生物ではないのです。
 食虫植物というのは、生き残るためにとても変わった習性を身につけた植物なのです。
 とっても魅力的で興味深く、わくわくさせられますが、しょせんは植物なのです。

もしこの FAQ を読んだ後でも、食虫植物が植物ではない全く革新的な生物だと考える人がいるなら、私は植物学の聖戦に敗れたといえるでしょう。
 博物学の本を読んで見て下さい。この地球上には食虫植物が当たり前に見えるほどの奇妙なことがたくさんありますよ。

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このページの最終更新日 : 2000年10月 Original copyright (C) 2000, Barry Rice
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