食虫植物 FAQ 日本語版

質問 食虫植物はどうやって獲物を消化するんですか?

Sarracenia flava
サ、フラバ の内容物
回答  食虫植物である以上、獲物を消化するための消化酵素を持っていなければなりません。
 ほとんどの食虫植物は、自ら消化酵素を生産します。ハエトリグサ、モウセンゴケ類、ムシトリスミレ類、それに、サラセニア (Sarracenia)、ダーリングトニア (Darlingtonia)、ネペンテス (Nepenthes) のような捕虫袋を持つものがそうです。
 獲物が消化された後には、ちょっと気持ち悪いバラバラになったかすが残ります。それを見たらしばらくポップコーンを食べる気にはならないでしょう。


やられた!

 その他の食虫植物は、バクテリアの生産する消化酵素に依存しています。この場合、植物自身が消化液を分泌することはありません。獲物が腐敗し、バクテリアによって分解された養分を吸収するのです。
 サラセニア (Sarracenia) をはじめ、多くの食虫植物は、自ら分泌する消化酵素と、バクテリアの分泌する消化酵素の両方を利用しています。これは特に サラセニア プルプレア (Sarracenia purpurea) で顕著に見られます。
 これは相利共生の関係と呼ばれます。なぜなら、お互いの生物が協力して、相手の利益になるようにしているからです。食虫植物の方は、バクテリアによって消化された養分を吸収し、バクテリアの方は、いい棲み家を提供してもらっているのです。  消化酵素の生産をバクテリアに依存している植物を 「食虫植物」 と呼んでいいのかと思う方もいるでしょう。
 ところで、バクテリアとの共生は動物の世界でも普通に見られることです。シロアリは、消化管に住むバクテリアの助けを借りて食べた木材を消化しています。人間も、消化管に住むバクテリアの助けで消化を行なっていると聞いています。(ただし、それ以上のことは知りませんのであしからず。)

 上にあげた2つの他に、なんとも面白い方法もあります。昆虫のような節足動物を利用する食虫植物がそうです。有名なのは、モウセンゴケの仲間に住み着く、サシガメ と呼ばれる昆虫です。
 サシガメは食虫植物の上を這い回り、捕らえられた獲物を食べてしまいます。サシガメ自身は、面白いことに捕らえられません。植物からすれば、せっかく捕らえた獲物を横取りされた様に見えますが、何と、このサシガメの出したフンを植物が栄養分として利用しているのです。
 フン、フン、納得。。。

 そして、これがもっと極端に現われているケースもあります。ネペンテス (Nepenthes) の中には、捕虫袋を小鳥たちの便器として提供しているものもあるのです。
 ネペンテス ローウィ (Nepenthes lowii) の奇妙な形の捕虫袋は、小鳥の排泄物を集めやすいように進化したという説もあります。

 バクテリアや節足動物や鳥に依存して食虫能力を得ている植物を、果たして食虫植物と呼んでいいのかと考える人もいます。このような退屈な議論が全て解決されるのかは疑問です。
 自然界のことはなんでもあいまいなもので、何でもきちんと分類しようというのは常にいいことだとは思いません。何でも白黒つけようというのはスターウォーズ(*)の映画の中だけの話しで、現実的ではありません。

(*)スターウォーズを引き合いに出したことで、私がこの FAQ の中でスタートレックやラブクラフトしか引用しないと不満に思っている方を満足させることが出来たらうれしいです。

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このページの最終更新日 : 2000年10月 Original copyright (C) 2000, Barry Rice
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