■ 烏龍茶の美味しい淹れ方(「茶壷」編) ■

■ How to drink ■

■ 用意する物

セット  用意するものは「蓋碗」セットと同じです。だから、最初に「蓋碗」編を見てください。ここでは「茶壷」を使うときに注意する事を強調していきたいと思います。

 なお、「蓋碗」と同じですが、「茶壷」が自分の指と同様になめらかに扱えるまで何度も繰り返して練習しましょう。良い「茶壷」は、体の一部となり、美味しいお茶を出してくれます。


■ 1、用意

用意する  最初に「蓋碗」編と同じように全ての茶具を暖めます。その後、「茶壷」に茶葉を入れます。量はあいかわらず勘です。

 目安もあいかわらず、「茶壷」の底が見えなくなる量+1.3くらいでいいでしょう。入れたら「茶壷」を振るのも忘れずに。

■ 2、アツアツのお湯をそそぐ

注ぎ  1杯目は「洗茶」しますが、アツアツのお茶をちょっと高めのところから、いきおいよくドバドバっと注ぎます。注ぎます、いきおいよく、お湯をけちらずに。

 しつこいですけれども、洪水のごとく、ゴゴゴゴゴッと。これで、茶葉を開かせ、茶葉の間にあるゴミなどを外に出してしまいます。

■ 3、蓋をしてもしつこくお茶をかける

お湯かけ  さて、「蓋碗」と違うところがここです。「茶壷」の蓋をしてからも、しつこく外側にもお湯をかけます。これで、もう、「茶壷」はアツアツです。ということは、イコール、最高に美味しいお茶が出ているという事です。

■ 4、「洗茶」をする

洗茶  その後、2呼吸くらいしたらすぐに「茶海」に移しましょう。

 1杯目は「洗茶」なので、「茶海」を暖めたり、「茶杯」を暖めたり、茶こしを暖めたりするのに使います。

 「洗茶」にお茶の成分を全部出してしまうのはもったいないので、ここまでの作業はてきぱきとやりましょう。この作業をすばやくこなせるかで、プロとアマの差が出ます。

■ 5、いよいよお茶を入れる

gongcha06.jpg  2杯目からはちゃんと飲みましょう。注意点は、同じように、「茶壷」にお湯を注いで蓋をしてから、外側にもアツアツのお湯を少しかけることです。待ち時間は3〜5呼吸くらい、以後1呼吸くらいづつ増やしていけば十分でしょう。

 ちなみに茶葉が「茶壷」の出口に詰まったら、左写真のような「茶通」”チャトン”(cha2 tong1)という器具を使って、詰まっている茶葉をのけてください。

■ 6、その後

持ち方  さて、3杯目を入れ終わると「蓋碗」と同様にもう一つ仕事があります。茶葉の位置を変えることです。理由も同じく上の方の茶葉だけが開いて、下の方の茶葉がなかなか開かないからです。

 「茶壷」の場合、茶葉をひっくり返すのに、左のような「茶杓」”チャシャオ”(cha2 shaor2)などを利用すると良いでしょう。

 ただ、「茶壷」を利用する場合、茶葉の上下入れ替えをする人は少ないです。こだわりがある人だけ行なってください。


■ 注意点:「茶壷」の持ち方について

持ち方  持ち方は、右の図のとおりです。これは、そんなに熱くないですし、とても簡単ですね。

 お茶を入れるときに蓋が落ちないように人差し指で押さえましょう。あと、良い「茶壷」は蓋と本体がピッタリとはまるので、押さえなくても蓋が落ちることはまずありません。

 それと、「茶壷」の蓋の上のところになる穴を人差し指で押さえると、お茶がピタッと止まるので、勢い良く出すぎた時に試してみてください。


■ 注意点2:「蓋碗」と「茶壷」のどちらから始めるか

 これは独断と偏見ですけれども、「蓋碗」から入りましょう。というか、ぜったいにそうすべきです。反論なんかに耳を貸す気はありません。

 なぜなら、「茶壷」から入ると、物に頼るようになってしまいます。ようするに、良い茶壷を求めるようになり、ひいては「茶壷」コレクターになってしまいます。

 「蓋碗」を使ったほうが、茶葉の状態を観察しやすいですし、温度などもダイレクトに伝わってきます。こうやって、茶葉見る目、温度などの感覚を勉強していきましょう。その後、良い「茶壷」を使ってお茶を入れる練習をしましょう。その方が、中国茶に対する理解が深くなります。