食虫植物の輸入の仕方

                                          田辺直樹

                                               

 私が入会したころ(昭和50年代)はよく分譲欄に「西豪産ドロセラ予約輸入します..」などと出ていたもので、各個人レベルで輸入など余り一般化していないものでした。最近は海外の業者も安くて良い品種をどんどん出すようになり、私も2年前より輸入を初めて以来、病み付きになっております。

 輸入というと手続きが面倒、英語が分からない、など敬遠する人も多いでしょうが、やってみると結構簡単で、早ければ5日、遅くても1〜2か月で苗が届きます。比較的海外の価格の方が安く、珍品が手に入りますので、結構あれもこれもと買ってしまいます。これから輸入をしようとお考えの方はぜひ参考にしてみて下さい。

 業者の選択は一番大切なことで、やはり輸入経験豊富な方からのアドバイスを受けるべきでしょう。業者が決まったらカタログの請求です。国際返信ク−ポンを1〜2枚同封して「Please send me your price list soon」と書いて送れば、早くて2週間程で届きます。下手に英語で自己紹介をしたりする必要はありません。また、1回でも取引実績があれば、次回のカタログ(通常年1回)は何もしなくても送ってくるものです。

 海外のカタログを初めて見る人はその種類の豊富さと価格の安さに驚くことでしょう。つい、あれもこれもと列挙して合計を出したら数万円になってしまうこともあります。注文の際気をつける事は、業者によってはminimum order (最低注文金額)が決まっている事です。あとは送料、保険、CITESや輸出証明にかかる費用と植物の代金との見積を依頼します。これも難しい英語は必要なく、欲しい植物の品種

名と数量を列挙して「I want to make an order.Please send me proforma-invoice と書けば良いでしょう。

注文はFAXが一番便利で早くて確実ですが、エア−メ−ルでも問題ありません。        

 早くて2〜3週間で予約の取れた植物と請求金額が送られてきます。注文代金の送金は比較的大きな郵便局(不在配達便を取りに行くところ)で国際郵便為替で送金します。詳しい事は郵便局でお訪ねください。また、VISAやMASTERによるクレジットカ−ド決済ができる業者もあります。まちがっても日本円や両替した海外の紙幣を直接封書に入れて送る事のないようにしましょう。また、先に植物が届き、代金後払いの業者もあります。

 2〜3週間で苗が届きますが、輸送に1週間以上かかっている場合が多く、結構痛んでいるので、鉢に植えたら、いきなり直射日光に当てずに、しばらくは温度変化の少ない日陰などに置いて様子を見ましょう。また、Nepenthes は結構遮光しているところが多く、1か月ぐらいは半日陰にしたほうが良い場合もあります。また、枯れて到着することもありますので、ある程度覚悟の上で2〜3株注文したほうがよいでしょう。特にドロセラ、ピンギキュラ、ヘリアンフォラは注意しましょう。

 ワシントン条約によって絶滅の危機にある動植物の商取引(輸入)が禁止されています。この場合、CITESという書類があれば輸入可能なのですが、付属書1に記載されている品種は、そのCITESがついていても輸入不可能な場合がありますので、所轄の税関で問い合わせる必要があります。規制の対象となる植物をCITESなしで輸入しようとすると、必ず税関でチェックを受け、焼却処分となるか、送り主に返送(有料)となってしまいます。私も経験がありますが、輸入手続きの際に必ず確認しておきたいことだと思います。Please send me plants with CITES. また、購入代金によっては消費税が課税されます。これも荷物の中に輸入金額が明記されている書類があればよいのですが、何も入っていない場合には、一旦税関で荷物が止められてしまい、注文金額が明示されている書類を送るように指示が来ますので、慌てずに注文書や請求書のコピ−を郵送またはFAXします。できればこうしたトラブルを事前に防ぐためにも業者へ「Please send me plants with proforma-invoice と書いた方がよいでしょう。このトラブルで2〜3日苗の到着が遅れます。

 さらに、植物輸出証明(PHYTO)の問題があります。これは植物防疫法という、海外からの病気や害虫が日本に入ってこないようにするための法律で、輸出国の輸出証明がついていないものについては、例え種子や切り花であっても輸入できませんので注意が必要です。これも、根を良く水洗いしてミズゴケで巻いてあれば問題ない場合もありますが、できれば多少お金がかかっても、輸出証明をつけてもらうようにしましょう。

 少々難しい話になりましたが、所定の手続きを踏んでやれば、輸入は決して難しいものではなく、たいした英語力も不要ですので、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい。