栽培用土の選び方
〜水苔の時代は終わったか?〜
田辺直樹
現在、園芸店に行くと色々な栽培用土が販売されています。水苔を始め、ピ−トモス、バ−ミキュライト、パ−ライト、鹿沼土、赤玉土、軽石、桐生砂、川砂など、挙げればきりがありません。さて、食虫植物に適したものは?と考えてしまいがちです。食虫植物と一言にいっても、さまざまな種類があり、その種類ごとに成育環境も異なりますので、用土も考えなければなりません。これからお話するのは、当方で使用している用土についてまとめてみましたのでひとつ参考にしてみて下さい。(別表参照)
1.乾燥水苔
食虫植物の栽培の基本はまず水苔でしょう。市販されている乾燥水苔を1日以上水分を充分吸収させてから、使用します。生水苔の入手ができれば、好成績が得られますが、最近は入手困難となりましたし、市販のものも他のものに比べて結構高価なものとなっています。 サラセニアなどの大きいものにはそのまま使用して構いませんが、ドロセラなどの小さいものには、水苔をハサミで細かく刻んで使用すると表面が落ち着きますし、葉挿しにも適します。また、水苔の利点は固さの調節ができる事です。ピンギキュラ、サラセニアは固めに植え、ドロセラ、着性ウトリクラリア等は柔らかめに植えています。
2.生水苔
青々した生水苔を幸運にも入手できたらそのまま使用せずに、細かく刻んで、表面に並べておけば、数週間で緑一面に立ち上がります。また、表面に並べた上に更に厚さ1cm程にピ−トを敷きつめておくと、数週間後にはピ−トの表面から青々した生水苔が顔を出し、見た目にも良くなり、また株の成育にも良いようです。
3.ピ−トモス
ヨ−ロッパやオ−ストラリアから苗を輸入すると、根回りにピ−トモスがついてくることがあります。海外ではピ−トモスが一般化している様です。使用するときは水苔と同様に水分を充分吸収させてから使用します。ピ−トモスを単用で使用する場合には、鉢の中全体をピ−トにするのではなく、底の部分には砂利系の用土(鹿沼土、軽石、赤玉など)を入れて、排水良好になる様に心がけます。また、細かく刻んだ水苔と混ぜて使用しても良いでしょう。ピ−ト単用やピ−トの配合割合が多い場合には配水が悪くなりますので、素焼きの鉢を使用したり、上からの散水はできるだけ避けたほうが良いでしょう。
4.砂利系ブレンド
鹿沼土、軽石,赤玉土(以上すべて細粒)、バ−ミキュライト、パ−ライト、川砂などを適当にブレンドします。配合割合については、私の場合は適当です。そして、ピ−トモスの配合量を調整して、各種類に応じて植えています。またサラセニアは根回りのみ水苔で巻いて、その回りを砂利系ブレンドで植えています。砂利系ブレンドは水苔に比べて安価であり、痛みにくい利点があります。
5.その他
最近、出回っているものではベラボン、タケダ培養土21、パ−ムピ−トなどが挙げられます。いずれも、保水力、通気性に優れているので、単用でも使用可能です。たとえばパ−ムピ−ト単用でサラセニアを植えて、3年以上植え替えなくても平気でした。また砂利系ブレントと混ぜても良いでしょう。
根の良く発達するピンギキュラ(セルレア、ルテア、プラニフォリア、プリムリフロラ)などはタケダ培養土21単用でも充分成育します。また、自生地の土を利用するのもひとつの方法です。当方でも、日本産のミミカキグサやイシモチソウ、モウセンゴケなどは自生地の土でも十分成育します。ただし排水が良くないので、細かい鹿沼土や桐生砂などを混ぜると良いでしょう。鉢の大きさ、鉢の種類、腰水の深さ、置き場所等に気を使うのと同様に、栽培用土についても、これからの研究が必要かも知れません。また、他の用土に比べるとかなり高価になった水苔ですが、別表の通り、一番適用範囲が広く、ほとんどの面で優れている水苔がやはり一番良いのではないでしょうか?
<別表>栽培用土の使用現状
| 種 類 |
水苔単用 |
水苔+ピ−ト |
ピ-ト 単用 |
ブレンド |
その他 |
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|
ピ-ト 多め |
ピ-ト 少め |
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|
ド ロ セ ラ |
ピグミ−系 |
○ |
○ |
川砂 |
|||
|
球 根 |
○ |
赤玉 |
|||||
|
レギア |
○ |
○ |
○ |
赤玉 |
|||
|
ペティオラリス 類 |
○ |
川砂+ピ-ト |
|||||
|
その他 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|||
|
サラセニア |
○ |
○ |
○ |
赤玉 タケダ21 |
|||
|
ピ ン ギ ク ラ |
温帯高山性 |
○ |
○ |
○ |
|||
|
温帯低地性 |
○ |
○ |
○ |
タケダ21 ベラボン |
|||
|
熱帯高山性 |
○ |
○ |
○ |
ベラボン |
|||
|
ミミ カキ グサ |
湿地性 |
○ |
○ |
○ |
|||
|
着性種 |
○ |
ヘゴ・オスマンダ |
|||||
|
ゲンリセア |
○ |
○ |
○ |
||||
|
ドロソフィルム |
○ |
赤玉 |
|||||
|
ネペンテス |
○ |
○ |
川砂+パ-ライト |
||||
|
ダ-リングトニア |
○ |
○ |
|||||
|
ディオネア |
○ |
○ |
○ |
||||
|
セファロタス |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
|
ヘリアンフォラ |
○ |
○ |
○ |
||||
|
播種床 |
○ |
○ |
|||||
|
葉挿床・根伏床 |
○ |
||||||