2001.11.10
(有)数理解析研究所(代表 一色 浩)

IMAニュース(2001年11月号:第1巻,3号)

モットー:果敢にリスクに挑戦し,素早く結論を出し,新しいビジネスを創出し,日本経済再生に寄与する。

IMA (Institute of Mathematical Analysis:数理解析研究所)ニュースをお届けいたします。同じ内容のものを,ホームページ (http://www.hi-ho.ne.jp/isshiki/) にも掲載します。

事務所開設のお報せ
 数理解析研究所を始めて一月になるが,自宅が事務所になっているといろいろ問題がある。うっかりすると一日中家に閉じこもってしまい,健康上,甚だよろしくない。運動不足になるし,気分転換ができず,どうしても働き過ぎになってしまう。幸い自宅の近所に大阪狭山市のコミュニティ・センター,通称コミセンがあるので,午前中はそこ行くことにしている。人と会うのもそこの談話コーナーを利用しているが,再々利用するのは気が引ける。
 そこで,思い切って事務所を開設することにした。バブルがはじけたお陰で,中古のマンションならばなんとかなりそうである。今までは,大阪市内の便利な所に事務所を持ちたいと思っていたが,筆者のような仕事の場合には,そんなに人と合う必要もないし,どうしても会いたいという人を相手にすればよいわけであるから,少々不便なところでも良い。それに,IT技術の進歩のお陰で,不便な所にいても,工夫次第でかなりこなすことができる。
 そんなことを考えていたら,自宅のある大阪狭山市でもよいではないか,という気がしてきた。20年近く住み慣れた町だし,大学病院,銀行,市役所,コミュニティ・センター,郵便局,スーパー・マーケット,書店などがあって,結構住みやすい所である。それに,この町には若い労働力は乏しいと思うが,筆者のようなサラリーマン経験者が多いので,オールドパワーの資源は十分にあるように思える。
 不動産屋のチラシを見ると,中古マンションならかなり安く手に入りそうである。不動産屋に電話すると,1時間もしないうちに飛んで来る。最初に見せてもらったのは,最上階にある2階建てのマンション(メゾンというらしい)で,すぐに気に入ったが,残念ながら,明け渡しまでに半年間待ってくれという。半年は待てないので次を紹介してもらうと,手ごろなやつを三つ紹介してくれる。こちらの方は空室になっていて,すぐに入居可能である。
 米国出張の出発日で大変忙しかったが,家内と娘に指示して購入の手配をする。こちらは,出張の前に片付けないといけない仕事に没頭する。こんな慌しい状況の中で物事を決めるとろくなことはないが,事務所なしでは,会社の成長に大きな歯止めが掛かってしまう。いわば,必需品であるから,多少の問題があるかも知れないがこの際仕方ない。
 銀行の人とか,税理士さんとかの事務関係の人との面接に使うのは当然であるが,外国から若い研究者が来たときなど宿にしてもらう積りである。そうすれば,じっくり時間を掛けて情報交換ができるし,会社の存在を広く知ってもらうのにも有効であろう。その他にも,オールドパワーを集めてきて意見交換したり,何かの,例えばパソコンや語学など特定のテーマについての集まりを開いてもよい。使い方はいろいろあるのではなかろうか?

10月の仕事
(1)地下GPSの機材購入と実験開始
(2)高感度GPSのまとめと提案
(3) 通信変復調シミュレーションのまとめ
(4) 日本測地学会で論文講演2件
http://wwwsoc.nii.ac.jp/geod-soc/96prog.html
(5)事務所開設
(6)アルバイト採用

11月以降の予定
(1) 地下GPS実験の実施
(2) 高感度GPSの提案
(3) 通信変復調シミュレーションの実施
(4) 日本造船学会秋季講演会(2001/11)で論文2件講演
http://www.snaj.or.jp/
(5)ONNTM 2002シンポジウムのアブストラクト応募採否決定
http://www.ion.org/meetings/ntm2002abstractlist.html
(6)日本造船学会春季講演会(2002/05)に講演申し込み
http://www.snaj.or.jp/

雑感:資源の有効利用
 製造業の流出や大量失業が問題になっている。新しい技術開発によって、新しい仕事を創出しないといけない。
 技術開発には簡単にできることではないので、大企業に期待しがちであるが、大企業は必ずしも技術開発が上手ではない。理由はいろいろあるが、開発に時間が掛かりすぎる。むしろ小さな企業の方が向いていることが多い。開発に失敗すると会社の屋台骨が揺らぐので、ともかく命がけになって、短時間で結果を出す。
 しかし、小企業の開発は,ともすれば規模が小さく効果も小さいことが多い。欧米のベンチャーが手掛ける開発のスケールは,はるかに大きい。何故かというと、日本の場合には、小企業が開発に使えるリソースが小さいからである。資金は言うに及ばず、人材も十分でない。
 日本の場合には、優秀な人材が大企業に取り込まれてしまっている。大企業に取り込まれた人材が有効に生かされていれば、文句を言う必要もないが、かなりの人材が活躍することもなく、眠っていることが多い。例えば、英語を話せる人間は、大企業にとってはごろごろいるが、小企業にはほとんど回ってこない。国家的には大変な無駄である。大企業で目的もなく惰眠を貪らざるを得ない人材にとっても大変不幸なことである。
 技術開発を盛んにして、新しい雇用を創出するためには、大企業に独り占めにされてきたリースを開放することである。そのためには、小企業に潤沢な開発資金を供給することではなかろうか?そして、1件1件の失敗成功で判断するのではなくて、成功率で判断するようにすべきであろう。打率が大切である。

関連URL:http://www.teruya.co.jp

終わり


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