2001.10.10
(有)数理解析研究所(代表 一色 浩)

IMAニュース(2001年10月号:第1巻,2号)

モットー:果敢にリスクに挑戦し,素早く結論を出し,新しいビジネスを創出し,日本経済再生に寄与する。

IMA (Institute of Mathematical Analysis:数理解析研究所)ニュースをお届けいたします。同じ内容のものを,ホームページ (http://www.hi-ho.ne.jp/isshiki/) にも掲載します。

弊社の業務範囲
 長年,応用数学的な観点から,「水とか空気の波動の研究」をして来ました。そういう観点からは,これからやることも学術的には「波の研究」ということになります。要素技術的には,波の持ついろいろな性質,発生,伝播,信号・エネルギー伝達ということになります。段々,三番目に比重が移りつつあります。
 具体的には,GPS,ブロードバンド通信,光通信および音声や画像の認識のようなことですが,これらの研究開発に必要になるソリトンとかウェーブレットの研究はぜひ手掛けてみたいと思っています。
 変わったところでは,「英日,日英翻訳」も手掛けてみたいと思います。万一,仕事が途切れたときに,これで食いつなごうと思っています。朝注文を受けたら,夕方完成しているようなサービスには,かなりの需要があると思います。もちろん,年中無休です。これがメインの仕事にならないように頑張らないといけませんが,機械翻訳の問題点の解決などは立派な研究テーマになります。

9月の仕事
(1) 米国出張
Salt Lakeで開催されたIONGPS 2001で論文発表
http://www.ion.org/meeting/gps2001program.html
GPS関係のシリコンバレーのベンチャー1社訪問
(2)地下GPSの機材購入と実験準備
(3)通信変復調シミュレーションのまとめ
(4)ONNTM 2002シンポジウムのアブストラクト応募
http://www.ion.org/meetings/ntm2002abstractlist.html
(5)事務所開設準備

10月以降の予定
(1) 地下GPS実験の実施
(2) 高感度GPSのまとめと提案
(3) 通信変復調シミュレーションの実施
(4) 日本測地学会で論文講演2件
http://wwwsoc.nii.ac.jp/geod-soc/96prog.html
(5) 日本造船学会で論文2件発表
http://www.snaj.or.jp/
(6) 事務所開設

雑感:テロリストの攻撃
9月9日(日)から21日(金)まで米国に出張しました。ソルトレークで開かれた米国航行学会(ION:Institute of Navigation)主催のIONGPS 2001シンポジウムにおける論文講演と,シリコンバレーのGPS関係のベンチャーを訪ねるためです。
11日(火)に,テロ事件が発生しました。ニューヨークへ向かう甥を見送るために,朝早くソルトレーク空港に向かう途中でこの事件は起こりました。全米の空港が閉鎖されたため,甥のニューヨーク行きは不可能となり,一緒にホテルに戻って来ました。
ソルトレークはニューヨークから遠く離れているので,いわば対岸の火事で直接的な影響はほとんどありませんでしたが,シンポジウムそのものは大きな影響を受けました。テロリストの攻撃は火曜日,シンポジウムは水曜日から金曜日でしたので,初日の講演者は一部を除いてほぼ月曜日に現地入りしていたようですが,二日目と三日目には,大きな影響が出ました。
今回の事変を通して,現地にいないと分からないことをいくつか経験しました。ニューヨーク行きの飛行機の搭乗手続きのために,UAのカウンターで並んでいたのですが,だんだん搭乗手続きが進まなくなり,その内に完全にストップしてしまいました。UAの職員に聞くと,空港が閉鎖されたから家に帰れということでした。驚いたのは,乗客がみなおとなしく指示に従って家に帰り始めたことです。一人や二人職員に詰め寄る人が出てきそうなものですが,みなおとなしく従っているのです。
ホテルに戻ってテレビを見ていると,テレビの報道はあくまでも事実の報道に努め,政府当局の対応やこれまでの政策に対する批判に類することは一切報道されません。日本だと,このような場合にいろんな評論家が出てきて,ああでもない,こうでもないという意見が述べられて,結局なにがなんだか訳が分からなくなるのですが,そのようなことは一切ありません。次第に大統領を中心にアメリカ全体が団結してきます。実に見事なものです。
前回の大統領選挙には,いろいろと問題があったようですが,それでも正当な選挙で選出された正当な大統領という評価はゆるぎないもので,選出手続きに不透明感を払拭できない日本の場合とは大分違うようです。
それと,このような場合のジャーナリズムの違いで,ともすればセンセーショナリズムになりがちな日本のジャーナリズムとはかなり違います。一言でいうと,民主主義の成熟度の違いということではないでしょうか。
日本で見ていると,テロリストの行動にも一理あると考えがちですが,ここら辺の捉え方もかなり違います。テロは犯罪であるという認識は徹底しています。教会によると,彼らは悪魔で地上から抹殺されるべき存在と言うことになります。テロとテロの背後にある政治は明確に区別されるべきもので,テロは殺人犯に過ぎないという点に曖昧さはありません。殺人犯は草の根を分けても探し出して裁判に掛けるということに迷いはありません。
今回のテロ事件を通して,いろんなことを経験しました。一番理解できないのは,テロによって世界が変わると考えているテロリストの考えです。そのために,自分の命まで犠牲にするというのは,現実から遊離した狂気だと思います。万一,彼らに支配されるようなことになったら,現代文明は確実に崩壊して,歴史は数百年後戻りしてしまいます。実に恐ろしいことです。

関連URL:http://www.teruya.co.jp

終わり

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