[あとがき・いいわけ]

私、EDR Miaのでっちあげた『すべてのはじまり』をお読みくださって有り難うございます。

本当は、読む側に徹するはずだったのですけど、何でこんな事に・・。
ちょっと思い出してみます。

『おねがい*ティーチャー』本編の放送が終わった後、自分なりに本編で語られていない事項や、拡張して読み取れる事項をまとめはじめました。どちらかというとツッコミに近い物でした。
これが、『おねてぃ 些細な疑問』というネタ帳でした。

インターネットが、兄貴の機械ですが読みに行ける状況でして、おねてぃ関連でうろうろしていると、ストーリーを作ってしまうというカテゴリを見付けました。
それが、ヤナギサワさんの「加速する文章置き場」でした。
苺の弁当問題のお話を読んだ時に、自分とは違った解釈で心地よい”やられた〜”という感覚を覚えました。
これが最初の加速です。

おねてぃの世界をSFで描くという人に興味を持ちつつ、ネット上での連載を待つ日々。次の加速は2002年8月24日、夜23時過ぎの海ノ口駅でした。
おねてぃFanClubさんのオフ会に強行合流した時に、ヤナギサワさん御本人とお会いしたのです。さっそく(文字通り)捕まえて、話し相手になってもらうことしばし。
(今から思うと、見ず知らずの人に質問の束をぶつけるって、すごい失礼な事じゃ?)
Miaの得意技であるアラ探しや余計なツッコミをして、「相手してもらえるかも」という感触を得たMiaは、その後、『種を播くもの』をはじめとするヤナギサワさんの作品にツッコミメールを送りつけるようになりました。(やっぱりすごい失礼なんじゃ?)

2002年10月14日、朝。前日から撮影に来ていた木崎湖の、海の口駅−稲尾駅間の湖畔を歩いていて、イメージが降ってきました。
「なんでこの人だけ、平気だったの?」
だれの台詞とも判らないこの一言が、『すべてのはじまり』の、はじまりです。

歩きながら、イメージが加速していきました。
火星探査船が遭難する事、助け出した人があの人だという事、なんでそんなところに居たか、一人だけ助かった理由は、本編に繋がる事項・・・。
あわててPHSのメールエリアに、メモ書きはじめました。
以前に作っておいた『おねてぃ 些細な疑問』というネタ帳が役にたちました。

兄貴を洗脳して常時接続が出来るようになっていたネット環境も、とても便利なものでした。火星探査計画や天文定数、神話や宇宙関連の記事も見つかりました。
「ツッコミばかりじゃ何だし、一度、ためしにやってみようか」

一番最初に出来たのは最終章でした。この結末に持ち込むには宇宙船の遭難の理由を書かなくちゃならない。そうすると探査計画の概要、航行軌道、宇宙船の構造、事態の進展、乗員の事も。
次に出来たのは序章でした。でも、まだ人名が決まってなくて穴だらけ。
そして、なぜか4章の最期の映像(映像で浮かんだんです)が文章になって、その状況に持ち込むまでの前置きと、船体構成を・・。
しばらく停滞。
そんな時に、話を膨らませてくれたのがうちの兄貴でした。
仕事で、車の中で一緒なので、「こんな風な事を考えてるけど」というと、「じゃあ、こんなネタどうだ?」と返してくれました。
レーザー・蒸気推進器は、兄貴のプランです。(実用化は出来ないと思うけど)

どうしても書けなかったのが、死を目の前にした人間心理の描写です。
主人公が根性無しなのは、Miaの性格によるものです。
もっと、最期まで望みを捨てずに、粘り強く動いていれば結果は変わってくるかもしれなかったですけど。
でも、人物がたくさん死んでる話ですよね(6人も)。不毛だなぁ・・。

自力ですべてを構築する能力はないので、今までに読んだ、見た話からシーンをイメージして再構築してますが、まるで同じようになってしまった箇所も少なくありません。
そんな時は、「ああ、これはあの話からだな」と心で思って下さいませ。
(別項目で、[かいせつ・ねたばくろ]を書きましたケド)
オリジナルを創作できる人は本当にすごいと思いました。


この『すべてのはじまり』は、一応SF調で書いているつもりですけど、あちこちで無理があります。あんな衝突は絶対と言って良いほど有り得ませんし、止めを刺す事項は、
”宇宙船をケン玉に見立てて操船する”
ぐらいの難しいタイミングです。
航行軌道も、天文シュミレータで惑星の運行を見て、”ここからこう行ってこの辺りでランデブーして”と、本当に大雑把です。第一、惑星間航行速度の記述が無いですから。
ということで、ハードSFは名乗れませんので、”半熟卵”ぐらいの硬さという事にします。
(ゆですぎると、ハードボイルドになっちゃうのかな?)


一応、念の為。

これは、『おねがい*ティーチャー』の設定を、私EDR Miaが勝手に拡張して創作したものです。これに関するお問い合わせは、私EDR Mia宛てにお願い致します。
   EDR Mia(いーでぃーあーる みあ)
          (EDR:いーかげんな デザイナーを意味します)
   mail:miyabayashi_gr@yahoo.co.jp


最後になりましたが、私のはじめての作品(と言えるか自信がありませんが)に、つき合ってくださった皆様、感想を頂いた皆様。
おねてぃ関連のBBSや、チャットで相手をしてくださった方々。
オフ会で、訳の判らない妖しい人物の話を聞いてくださった方々。
この状態の”はじまり”となった『おねがい*ティーチャー』の製作関係者様。
そして、この様な環境を導いてくださったヤナギサワ様。
すべての方々に感謝の言葉をお送りしたいと思います。

ありがとうございました。


西暦 2002年 11月下旬   異空間と化している某所、某部屋の中より


もしも、「これくらいの物なら書けるぜ!」と思った貴方。すぐさまキーボード(原稿用紙)の前にレッツ・ゴー!。
新しい世界をぜひとも読みたいのです。


<追記 EDR Mia 2003年 3月>

日本時間2003年2月1日 早朝。スペースシャトル 『コロンビア』が大気圏突入時に分解するという惨事が発生しました。
これにより、国際宇宙ステーション計画、そしてその先にある有人火星探査計画が遅延する事は免れないでしょう。
2009年に火星探査計画はまず無理です。

しかし、これで停まる訳には行かないのです。まだ宇宙に出るにはヨチヨチ歩きの人類は、転ぶこともあるでしょう。怪我をする事だってあります。でも、そんな事を繰り返して、走ること、泳ぐこと、道具を使って空を飛ぶことだってうまくなっていくのです。
地球は、増え続ける人類により、いつかその許容量を超えます。
別の居住空間を考える必用があります。それが宇宙、他惑星だと思っています。

今回の事故で人命が失われたのは非常に悲しく、残念なことでした。
亡くなられた7人の宇宙飛行士に、心から哀悼の意を表します。
この事故の原因が正しく解明され、適切に対処される事、また、本当の有人火星探査計画で、私のこの話のように事故が発生しない事を切に願います。


<再追記 EDR Mia 2004年 5月>

この文を投稿した「加速する文章置き場」の閉鎖に伴い、当方の「擾乱空間M・i・a」にて再公開する事に致しました。
快く転載、再公開を許可してくださいましたヤナギサワさんに感謝いたします。
いつかまた、あの様な大作にお目にかかりたいものです。

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