多摩川散策日記2007年4月)

文と写真:上田大志

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4月1日 多摩川河口右岸

晴れ、風もなく暖かい。7日に行う観察会の下見。当日もこんな陽気の中でのんびりしたいものだ。ハマダイコンが花盛り。下流端、水準拠標前の護岸が破損し、堤防上は100mほど手前から通行禁止になっている。この付近の土手の下は空洞化している危険があるとのこと。

 

4月2日 奥多摩

曇り(霧)。トビ、アオゲラ、ウグイス、ホオジロ、コガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ハシブトガラス。

 

4月6日 奥多摩

晴れときどき曇り。トビ、オオタカ、ハイタカ、クマタカ、キジバト、アオゲラ、コゲラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ミソサザイ、ウグイス、トラツグミ、エナガ、ホオジロ、ベニマシコ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ハシブトガラス。

 

4月7日 多摩川河口右岸

晴れ。NACOTでは、今年も日本湿地ネットワークが主催する全国キャンペーン「干潟・湿地を守る日2007」に参加して、自然かんさつ会「干潟の生きものたち〜多摩川河口編」を開催した。当日は文京区(ENB)メンバーの親子連れをはじめ、70名ほどが参加。干潮が13時過ぎのこともあり、午前中は土手から野鳥や植物、景観などを観察。昼食後、まず遠くから無数のカニを観察して、いよいよ干潟の中へ。辺りにはみんなの歓声が溢れ、カニを追いかけて足が抜けなくなる親子が続出!最後に、干潟への想いや閉め切りから10年を迎えた諫早湾で活動している仲間への応援メッセージを「黄色いハンカチ」に託してまとめとした。

 

4月8日 多摩川中央公園周辺

晴れ、暖かい。福生水辺の楽校「多摩川で遊ぼう!」。川の志民館の前で開校式の後、多摩川中央公園前のニセアカシア林にできた散策路へ。川原にはベニマシコやカシラダカなどに代わって、ツバメやノビタキがやってきた。ヨモギを摘んで川の志民館の前に戻り、みんなでヨモギだんごをつくって味わった。

 

4月11〜12日 甲州市〜川上村

一之瀬高原は昼過ぎから雨、柳沢峠では雪に。翌日は野辺山を抜けて川上村へ。朝は一面の雪景色だったが、日中の暖かさでいつの間にかみな消えていた。

 

 

4月20日 奥多摩

晴れのち曇り。山麓の新緑が斜面を駆け上がり、夏鳥たちが次々と囀りはじめた。カワウ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ノスリ、クマタカ、キジバト、アオゲラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ヤブサメ、ウグイス、エゾムシクイ、センダイムシクイ、トラツグミ、コマドリ、オオルリ、エナガ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カケス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

 

4月22日 多摩川中央公園周辺(福生水辺の楽校「多摩川の達人になろう!」)

■ ■ 第1回「多摩川とは〜源流から河口まで138kmの概要」 ■ ■

2期「多摩川の達人になろう!」には、すでに福生水辺の楽校のスタッフとして活躍している方が多く参加され、今後より活動の幅を広げていくためのフォローアップができたと思う。また、小学校の野外学習を支援する機会も増え、地域の環境学習が広がりをみせている。しかし、新たな参加者がなかなか増えないことは大きな課題である。

3期では、参加者が子どもたちや初めて多摩川を訪れた人と接する機会を増やすと同時に、きっかけがあれば・・・という方が、「参加してみようかな?」と思うようなプログラムや呼びかけ方を工夫していきたいと思う。

●参加された皆さんの声

・河原に出ると気持ちよい。冬鳥のツグミが集合してこれから北へ帰っていくところが見られ、季節の移り変わりを感じた。

・モズとダイサギをじっくり観察できてうれしかった。

・昨日は多摩川の河口でパックテストをしたが、福生の多摩川の水は、色、においとも飲めそうで本当にきれいだ。

・フィールドワークということで、初回からたくさん歩くのかと思っていたが、室内でのスライドや話が多かったので、これから少しずつ慣れていけそうで良かった。

・この講座に参加するのは2年目だが、より興味がわいてきた。

・多摩川以外にもいろいろな川で水量が減ってきているが、それをみんなが心配して思いやりを持ち寄り、水質を良くしたり水量が豊富になるようにと活動していくことで、まわりの環境や社会全体も良くなっていくと思う。福生水辺の楽校でも頑張りたい。

・今日はいろいろな鳥や草木と出会えて楽しかった。野鳥:セッカ、キジ、ツバメ、ハシブトガラス、カワウ、セグロセキレイ、シジュウカラ、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリ、モズ、イカルチドリ。野草:カントウタンポポ、セイヨウタンポポ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、ヘラオオバコ、カタバミ、ホトケノザ、キュウリグサ、ヨモギ、ボタンヅル、カラスノエンドウ、シロツメクサ、ナズナ、ハリエンジュ、カキドオシ、クサノオウ、ヤエムグラ、ノゲシ、カンゾウ、オオブタクサ。その他:ミツバチ、テントウムシ・・・。

 

4月26日 八王子下柚木

晴れ。6月に八王子セミナーハウスでNACS-J自然観察指導員講習会が開催されるので、NACS-J、NACOTのメンバーらと下見に。新緑の雑木林を吹き抜ける風が心地よい。ジュウニヒトエが花盛り。都市近郊では珍しくなった植物も複数見られ、花を咲かせている。多摩丘陵の雑木林や谷戸、宅地開発など、里山の自然を考えるのに良いフィールドだと思う。

 

4月27日 川上村

晴れ。早朝はまだ氷点下の冷え込みだが、陽射しはもう初夏を感じさせる。耕作準備のすすむ高原野菜畑にノビタキたちがやってきた。

 

4月28日 奥多摩

晴れときどき曇り。クロツグミの朗らかでゆったりとした声が森に響く。アオサギ、トビ、オオタカ、ハイタカ、クマタカ、キジバト、ツツドリ、アオゲラ、コゲラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ヤブサメ、ウグイス、エゾムシクイ、センダイムシクイ、クロツグミ、オオルリ、エナガ、ヤマガラ、メジロ、カケス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

 

4月30日 奥多摩

快晴、初夏の陽気。カワウ、トビ、クマタカ、ツツドリ、アオゲラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ミソサザイ、ヤブサメ、ウグイス、トラツグミ、クロツグミ、オオルリ、ホオジロ、イカル、シジュウカラ、メジロ、カケス、ハシブトガラス、ガビチョウ。