多摩川散策日記2005年7月)

文:上田大志

 

 

7月2日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ。キリギリスが鳴きはじめた。カワウV、ゴイサギV、ササゴイC、コサギV、ダイサギV、アオサギVC、カルガモV、キジS、コジュケイS、トビV、オオタカV、チョウゲンボウV、コアジサシV、キジバトV、カワセミVC、ヤマショウビンV、ヒバリS、ツバメV、コシアカツバメV、イワツバメV、セグロセキレイVC、ヒヨドリVC、モズV、ウグイスS、オオヨシキリS、セッカS、ホオジロVS、スズメV、カワラヒワVC、ムクドリVC、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

 

7月3日 大丸堰周辺

曇り、涼しい。カワウV、ゴイサギV、コサギVC、ダイサギV、アオサギVC、カルガモV、キジS、コジュケイS、トビV、オオタカV、コアジサシV、キジバトVS、カワセミVC、コゲラC、ヒバリS、ツバメV、イワツバメV、セグロセキレイVC、キセキレイVC、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、セッカS、ホオジロVSC、スズメVC、カワラヒワVC、ムクドリVC、シジュウカラVC、メジロVC、ハシボソガラスVC、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウVS。

 

7月4日 大丸堰周辺

雨のち曇り、涼しい。多摩川は昨晩からのまとまった雨(60mm前後)で増水している。カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、オオタカ、ヒメアマツバメ、カワセミ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシブトガラス、アイガモ、ドバト、ガビチョウ。

 

7月6日 大丸堰周辺

雨のち曇り。交通公園前の緊急補修工事がようやく終わった。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、トビ、オオタカ、コアジサシ、キジバト、ホトトギス、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月8日 大丸堰周辺

小雨のち曇り。チョウゲンボウが3羽、1本の枯れ木にとまっている。親子のようだ。カワウV、ゴイサギV、コサギV、ダイサギV、アオサギVC、カルガモV、キジC、トビV、オオタカV、チョウゲンボウV、カワセミVC、ツバメV、イワツバメV、ハクセキレイVC、ヒヨドリVC、ウグイスS、ホオジロVS、スズメVC、カワラヒワVC、ムクドリVC、シジュウカラC、メジロVC、ハシボソガラスV、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

 

7月10日 福生水辺の楽校「多摩川で遊ぼう!」

曇りのち晴れ。夜半まで雨が激しく降っていたので、子どもたちと川に入って活動するのは無理だろうと思っていたが、幸い目立った増水も濁りもみられなかったので、多摩川中央公園前の平瀬を対岸に渡ったり、魚とりをしたりして、川の中で思う存分遊ぶことができた。夏本番を前に多摩川水系の貯水量が不足しているので、上流の小河内ダムからの放流を控えたり、小作・羽村堰での取水を強化したりしているのかもしれない。丸石河原にカワラニガナが増えつつあるのもうれしい。

 

7月12日 大丸堰周辺

曇り、涼しい。土手の草刈り(今年1回目)がはじまった。カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、コジュケイ、トビ、オオタカ、チョウゲンボウ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月17日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ、蒸し暑い。土手の草刈りは終了している。今回除草を控えてもらった実験区間には、「植物観察・調査実施中」の札を立ててくれた。コマツナギ満開。カワラサイコがまだ咲き誇っている。カワラナデシコにつぼみが出てきた。カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、コジュケイ、オオタカ、イカルチドリ、キジバト、ホトトギス、ツバメ、セグロセキレイ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、メジロ、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月18日 大丸堰周辺

晴れ、猛暑。関東地方梅雨明け。カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コジュケイ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月20日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ。カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コジュケイ、トビ、チョウゲンボウ、キジバト、カワセミ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、メジロ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月24日 多摩川中央公園周辺(「多摩川の達人になろう!」第4回講座)

今回のテーマは「多摩川の魚」。福生周辺の多摩川にはどんな魚がいるのか、その生態や生息環境について考えながら観察した。

まず川の志民館で、多摩川でみられる魚について、在来種と外来種、堰と魚道・・・「魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業」などの観点で捉えた後、手網を持って屋外へ。@玉川上水の分水が流れている多摩川中央公園内の親水路、Aその水が多摩川に流れ込む手前の沼地、B浮石がゴロゴロしている本流の平瀬の順で“ガサガサ”にチャレンジした。観察できた生物は、魚類:カワムツ、アブラハヤ、ドジョウ、シマドジョウ、ホトケドジョウ、ジュズカケハゼ、昆虫:マツモムシ、ハグロトンボやサナエトンボ科のヤゴ、その他:ヌカエビ、カワニナ、トウキョウダルマガエルなど。

参加者からは、「生き返った多摩川を実感した」、「流れのあるところとないところで棲んでいる生物が異なることがわかった」という声がある一方で、「思ったよりも生物の姿が少なかった」という声も多く寄せられ、多摩川が一概に良くなってきたとはいえないことを痛感した。

次回は「多摩川の源流〜水源探訪」。8月28日に小菅川源流を訪ねる。

* * *

●参加者の声

・生き返った多摩川を実感した。(2名)

・思ったよりも生物の姿が少なかった。(4名)

・『東京の川の魚』の昭和30年頃の状況に戻りつつあることを知ったが、元々多摩川にすんでいなかった魚種が増えているのが気になる。

・魚道の設置など、人と生物の共存を目指す地道な努力が積み上げられていることがわかった。

・流れのあるところとないところで棲んでいる生物が異なることがわかった。(3名)

・小川→たまり→本流と連続する環境が大切だと思った。

3種類のドジョウを観察できた。(3名)

・ホトケドジョウやジュズカケハゼがいて驚いた。

・石底にいるはずのギバチ、カジカが1匹もいなかった。

5月の第2回では観察できたカジカがみられなかった(水温が高くなったことが理由のひとつだろうか)。

・ダラダラ瀬(チャラ瀬)の流心の石には、鮎師がねらっていた通り大きなハミアトがたくさんあった。

・玉川上水の分水が流れる公園内の小川は川底をブラシで清掃している人工的な水路だが、多くの魚がいて驚いた。(2名)

・意外なところに魚がいるのに驚いた。

・棲みやすい環境があれば生き物はすぐに棲み付くことがわかった。

・魚の取り方がわかった。

・同じように見える魚にも、それぞれ特徴があることがわかった。

・流れの中を歩いて気持ち良かった。

・流れの中を歩くと、魚が逃げていくのが確認できた。

・網を持って本格的に川に入ったのは初めてで楽しかった。

・川の中を歩いたのは子供の時以来(かつては農薬の心配もあった)。

・子供の頃よくオイカワをとったことを思い出して懐かしかった。

・普段認識していない川の中をのぞく機会に恵まれ、おもしろい経験だった。

・参加者の楽しそうな顔が印象に残った(皆子供に戻ったようだ)。

・大勢で川の中を歩いたのでアユ釣りの人に迷惑をかけてしまった(すみませんでした)。

・簡単な釣りもすると良かった。

・川の志民館の展示水槽に魚の名前を書いた解説シールを貼ってほしい。

・自分がつかまえた魚は1匹だけ(・・・経験の世界だと思った)。

・童心に返り手探りに挑戦するも成果ゼロ(・・・50年前の河童もただの人)。

・これまで釣った魚を食べてきたが、実際に泳いでいる姿を見て、生き物をころして食べている人間はもっと自然に感謝しなくてはならないと思った。

・まず魚を知って、保護する方向にはたらきかけたい。

・多くの種類の魚が棲める川であってほしい。

 

7月25日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ。梅雨明け後もすっきりと晴れた日がない。台風7号が接近中。ミンミンゼミが鳴きはじめた。カイツブリ、カワウ、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コジュケイ、トビ、オオタカ、キジバト、カワセミ、アオゲラ、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、メジロ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月26日 台風7号が通過

多摩川流域の累加雨量は、小河内201mm、多摩川上流(出張所)165mm、多摩(出張所)108mm、浅川橋149mm、田園調布(出張所)75mm。

 

7月27日 大丸堰周辺

快晴。台風一過。陽射しは強烈だが、からりとしているので、それほど暑さは感じない。多摩川は当然濁流だが、大栗川は早くも澄みはじめている。カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、オオタカ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、アオゲラ、ヒバリ、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、メジロ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

7月30〜31日 多摩川水源〜笠取山

水干・笠取山は、何度訪れても多摩川の水源に来たなあと感慨深いところだが、意外にも多摩川の自然を守る会として来たのは2000年以来とのこと。作場平(ヤブ沢峠)笠取小屋(泊)水干笠取山笠取小屋(一休坂)作場平。このコースの魅力は、水源を実感することができるおいしい水、水源林の散策と野鳥の囀り、温かな山小屋、頂への登りに汗した後の爽やかな高原の風など、枚挙に暇ない。

中央本線塩山駅から作場平まではタクシーで約50分。往復ともにお世話になった。料金は片道9000円弱かかるが、2台に5人ずつ分乗したので1人あたりは安くて済んだ。天候は初日の昼頃に遠くで雷がなったが幸い遠のき、夜に小雨が降った程度で概ね晴れ。

植物(花)・・・ウスユキソウ、キオン、コウリンカ、マルバダケブキ、ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリ、ヒメトラノオ、シモツケソウ、シモツケ、オトギリソウ、キバナノヤマオダマキ、センジュガンピ、イブキトラノオ、バイケイソウなど。昆虫・・・アサギマダラ、キベリタテハ、コエゾゼミ、エゾハルゼミ、ミヤマツヤハダクワガタなど。野鳥・・・アオバト、ホトトギス、ハリオアマツバメ、ビンズイ、ミソサザイ、ウグイス、メボソムシクイ、アカハラ、コマドリ、ルリビタキ、ホオジロ、アオジ、ウソ、コガラ、ヒガラなど。哺乳類・・・ニホンリス、ニホンジカ。この一帯でもシカの駆除がはじまった。