多摩川散策日記2005年6月)

文:上田大志

 

 

6月1日 大丸堰周辺

晴れときどき曇り。カワウV、ゴイサギV、コサギV、ダイサギV、アオサギVC、カルガモV、キジVS、コジュケイSC、トビV、イカルチドリVC、イソシギVSC、コアジサシVC、キジバトV、カワセミVC、アオゲラVSC、コゲラVC、ヒバリS、ツバメVC、イワツバメVC、ハクセキレイVC、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、セッカVS、ホオジロVSC、スズメV、カワラヒワVC、ムクドリVC、シジュウカラS、メジロS、オナガVC、ハシボソガラスVC、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

 

6月4日 永田地区

曇り。カワラノギク・プロジェクトで実験区の除草作業。参加者は8名と少なかったが、合計3時間半ほど頑張った(暑くも寒くもなくて助かった)。ハクビシン?の糞を目撃。たわわに実ったクワの実がお目当てのようだ。解散後激しい雷雨に。

 

6月5日 永田地区

曇りときどき晴れ。カワラノギク実験区の除草作業(つづき)。優占しているイタドリを中心に除去したが、今日は明治大学の学生を中心に20名以上の参加があって作業ははかどった。

 

6月6日 大丸堰周辺

晴れ、暑い。交通公園前で、侵食箇所の仮復旧工事が始まり、ダンプが土を運び込んでいる。カワウV、ゴイサギV、コサギV、ダイサギV、アオサギV、カルガモV、コジュケイSC、トビV、ハヤブサV、チョウゲンボウV、イカルチドリVC、イソシギC、コアジサシV、キジバトV、カワセミVC、アオゲラC、コゲラC、ヒバリVS、ツバメV、イワツバメVC、ハクセキレイV、セグロセキレイV、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、セッカVS、ホオジロS、スズメVC、カワラヒワVSC、シジュウカラS、メジロC、ハシボソガラスV、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

 

6月10日 野川(三鷹市大沢)

曇りのち雨、入梅。羽沢小の5年生が理科でメダカの卵を観察するということで、学校のすぐ前を流れる野川へ。産卵のピークを過ぎていたようで親メダカの数は少なかった。

 

6月11日 大丸堰周辺

曇り。重機の騒音以外にはほとんど聞こえない。昼休みにやってきたホトトギスの声に癒される。カワウV、ゴイサギV、ダイサギV、アオサギVC、カルガモV、キジVS、コジュケイSC、トビV、オオタカV、チョウゲンボウV、コアジサシV、キジバトV、ホトトギスVS、カワセミVC、アオゲラSC、コゲラC、ヒバリVS、ツバメV、イワツバメVC、ハクセキレイV、セグロセキレイV、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、ホオジロS、カワラヒワV、メジロV、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウVS。

 

6月12日 大丸堰周辺

晴れ、暑い。日曜にもかかわらず重機が動いていてがっかり。今日は巨大土嚢づくりが行われていた。カワウV、コサギV、ダイサギV、アオサギV、カルガモV、キジS、コジュケイS、トビV、オオタカV、チョウゲンボウV、イソシギVS、コアジサシV、ヒメアマツバメV、カワセミVC、アオゲラC、コゲラS、ヒバリVS、ツバメV、イワツバメVC、セグロセキレイV、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、セッカS、ホオジロVS、スズメVC、カワラヒワVSC、シジュウカラS、ハシボソガラスV、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

 

6月13日 一之瀬高原

晴れ。カラマツ林はエゾハルゼミの大合唱につつまれていた。

 

6月14日 小菅

晴れ。ハチクマ、トビ、オオタカ、ノスリ、ツツドリ、ホトトギス、イワツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、キビタキ、オオルリ、ホオジロ、イカル、ヤマガラ、メジロ、カケス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

 

6月17日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ。崖線林にミズキの白い花が目立つ。あれ?先月咲き終わったはずなのに・・・別種のクマノミズキだろうか。“アメフリバナ”ホタルブクロも咲きはじめた。緊急補修工事の方は、土嚢の製作とともに据え付けも行われている。河川管理者に問い合わせたところ、今月いっぱいで完了する予定とのこと。オオタカが何度もドバトの群れに襲いかかったが、そのたびにハシブトガラスやチョウゲンボウに突っかかられてハンティングは成功しなかった。彼らはドバトを助けようとしてそうしたのではないのだが、いずれも絶妙!のタイミングだった。カワウV、コサギV、ダイサギV、アオサギVC、カルガモV、キジS、コジュケイS、トビV、オオタカV、チョウゲンボウV、イカルチドリVC、イソシギV、コアジサシV、カワセミVC、アオゲラC、コゲラC、ヒバリS、ツバメV、イワツバメV、セグロセキレイV、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、ホオジロVS、スズメV、カワラヒワVSC、メジロC、ハシボソガラスVC、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

 

6月18日 大丸堰周辺ほか

曇りのち晴れ、蒸し暑い。

カワラサイコとテリハノイバラが見頃。深紅のノカンゾウが咲いている。オオマツヨイグサの花も。今年はレンリソウが開花しなかったが、その理由はわからない。堤防法面の除草はまだ。コイの産卵が続いている。カワウV、ゴイサギV、ササゴイV、コサギV、ダイサギV、アオサギV、カルガモVC、コジュケイS、トビV、オオタカV、チョウゲンボウV、コチドリVC、コアジサシVC、キジバトV、ホトトギスS、カワセミVC、コゲラC、ツバメVC、イワツバメVC、セグロセキレイVC、ヒヨドリVC、ウグイスS、オオヨシキリS、セッカS、ホオジロVS、スズメVC、カワラヒワVSC、ムクドリVC、シジュウカラVSC、メジロVC、ハシボソガラスVC、ハシブトガラスVC、ドバトV、ガビチョウS。

四谷のノジトラノオは、数は少ないながらも存在しておりホッとした。今年はどの花も花期が遅い。ここも1週間後に来れば見頃だろう。

 

6月19日 小作堰〜永田橋

曇りときどき晴れ。多摩川の自然を守る会の定例自然観察会。

小作堰を渡り右岸へ。堰から下流の景観は、出水があるたびに大きく変わる。特に阿蘇神社の対岸付近は、丸石河原だったところが2001年秋の出水で消失して澪筋になっていたが、昨秋の出水で再び広大な丸石河原になった。カワラ〜と名のつく動植物は、このように変動の激しい環境に生きているのだが、河原植物の盛衰に一喜一憂してしまうのが現実。以前はたくさんいたカワラバッタはほとんど見られない。これから増えてくることを願おう。オノエヤナギが数株根付いている。

ツルヨシの繁茂するところを抜けると、数年前から水際が大きく侵食されており、ハリエンジュが何本も根こそぎになっている。ハリエンジュはかなりの高木でも根が浅く簡単に倒れてしまう。その下流はもともと流れが崖に接していて通行に苦労するところだが、いまは水が一段低いところを流れているので楽勝。

玉川上水を取水するためにつくられた羽村堰は、この張り出した丘陵にぶつかった水流が左岸側にまとまって流れていく場所を選んでつくられた。いまから350年以上もむかしに。「投渡堰」のしくみにしても、自然の力に逆らわずにうまく利用、共存していこうという考え方は、治水工事に限らず今日私たちが最も見習わなければならないことだ。

郷土博物館前の川原で昼食後、伏流水の流れに群れるオイカワや満開のテリハノイバラを観察し、はむら自然友の会が育てているカワラノギクを見て、羽村堰下橋を渡り左岸へ。堰下の河川敷内駐車スペースは有料(500円)になったが満車状態。徴集した金はどのように使われるのだろうか。羽村大橋の下に営巣しているイワツバメを見て解散。

その後、有志で永田のカワラノギク実験区へ。先日除草して側に積んだままになっているイタドリなどを、離れたところまで人力で運んだ(車で回収する際に付近に生えているカワラノギクを踏みつぶさないように)が、蒸し暑くて疲れた。

 

6月25日 大丸堰周辺

快晴、猛暑。土手のウツボグサが花を咲かせた。カワウ、ササゴイ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コジュケイ、トビ、チョウゲンボウ、イカルチドリ、コアジサシ、キジバト、カワセミ、アオゲラ、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

6月26日 多摩川中央公園周辺(「多摩川の達人になろう!」第3回講座)

晴れ、暑い。「多摩川の達人になろう!」第3回講座。今回のテーマは「多摩川で活動するために〜水辺の安全確保」。夏本番を前に、川遊びの際に注意すべきことを学んだ。

まず室内で、川の事故の多くが水辺で発生していることから、水辺で活動する際の心構え(川の特徴、危険箇所、服装など)を学び、夏の野外活動における注意点を考えながら多摩川まで歩いた。その後、全員がライフジャケットを着けて、流れのある瀬の横断と、万一に備えて流されてしまった人の救助法(スローバッグ・レスキュー)を体験した。

参加者からは「実際に川に入って体験しておくことが重要だと実感した」という声が多数寄せられた。川にはこういう危険があるという心構えを持ち、さらにそれを体験している人が増えることで、不幸な事故は確実に減るだろう。

次回は7月24日、「多摩川の魚」をテーマに行う。

* * *

●川の中を歩いてみて

水面は穏やかなようでも、水中で歩くのは思っていたよりも難しかった。<4名>

・石に滑って転びそうになった。<2名>

・石の上面に苔が生えていて滑りやすくこわい。<3名>

・玉石が滑りやすいことは体験して初めてわかった。<2名>

・川に入ると石についた苔で足が滑るので、わらじやフェルトなどがついた履物が良い(腰を落ち着けて渡ることを心がける)。

・川底の石を見ながら足場を選ぶのは難しく、歩幅が大きくなりがちだ。

・川の中の大きな石の裏側は、深いくぼみができていて足をとられる。<2名>

・浅いと思って足を踏み入れたときに川底の深さに驚いた。<2名>

・深い瀬は川の中が良く見えず危険度が高い。

見かけよりよりも川の流れが強く、かなり負担が大きかった。<2名>

2人で渡ると1人よりも本当に安全なのだろうか(バランスが難しい)。

・水中を歩くときは、前の人がリーダーシップをとらないと危険度が増すことがわかった。

2人で川を渡るときには、1人で渡るときの2倍の注意が必要だと思った。

・浅瀬横断の適地を事前に選ぶことが大切だ。

・以前より川の中の苔が多く、大きな石もあったように思う。

・流れが速くても石に汚れがあることがわかった。

22℃の水温がちょうど良く気持ち良かった。

スローバッグ・レスキューについて

・スローバッグレスキューは、なかなか思ったところに飛ばなかった。

・スローバッグを投げて溺れた人を引き寄せるのは大変だった。

・スローバッグは普段から練習しておく必要があると思った。<3名>

・スローバッグの練習をもっとしたかった。<2名>

・水を含んだロープは重く、飛ばないことがわかった。

・水に浮かないロープは使ってはいけないことを初めて知った。

●その他の感想など

・実際に川に入って体験しておくことが何よりも大切だと思う。<3名>

・実際に川に入ってみなければわからないことが多いということを実感した。<2名>

・安全確保は事前準備と実演習の積み上げが必須だ。

・川に入るときはそのための服装が必要だ。<2名>

・川遊びで思わぬ事故が多いということがわかったように思う。

・川は見た目よりもこわい存在、2人で組んで両方とも助けてもらった。

・安全に対する意識付けができた。

・ライフジャケットの着け方がわかった。

・小学校の屋外授業としてとりあげてはどうか。

・水辺の安全確保について、少しでも多くの人に広めれば水の事故が防げると思う。

・万が一の場合に、落ち着いて行動できるか心配だ(日頃から練習しておくことが必要だ)。

・川遊びをしている人が少なかった、川での体験がないと急な事態に対する動きができないと思う。

・“水”は大事な成分だが、生命にとっても大事なことだ(「見たり、聞いたり、試したり」)。

講座への要望など

・もう少し体験のための時間が欲しい。

・時間が短くて残念だった(弁当持参で午後までやってもよかったのでは)。

・今回のような“水の安全”講座の開催に感謝している。

・講座内容、講師ともに良かった。

・この講座で安全用品などをドシドシ紹介してほしい(店、値段なども)。

・更衣室を準備してほしい。

・会場(川の志民館)にエアコンが入って良かった。

 

6月30日 大丸堰周辺

雨のち晴れ、蒸し暑い。ネムノキの花が咲きはじめた。ニイニイゼミの声も。カワウ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、コジュケイ、トビ、チョウゲンボウ、コチドリ、コアジサシ、キジバト、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。