多摩川散策日記2005年2月)

文:上田大志

 

 

2月3日 大丸堰周辺

快晴。崖から湧き出した水が凍ってつららになっている。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カモsp、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、オオバン、ユリカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、アカハラorシロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、エナガ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

2月4日 大丸堰周辺

快晴。中州に渡った人がゴルフをはじめると、ノスリは狩り場を追い出されてしまう。近くの場所でネズミを捕らえて食べているのを確認しているので、飢えてしまうようなことはないと思うが。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、ヒドリガモ、キジ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、イカルチドリ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、エナガ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

2月5日 お台場海浜公園

快晴。NACOTの東京探検観察会でお台場海浜公園へ。カモ類(スズガモとオナガガモだけだったが)の行動や、カモメ類の年齢(若鳥→成鳥)などに注目しながら、海辺の水鳥をじっくりとかんさつ。沖合の第6台場や鳥の島は、(カワウの糞で)木が白く枯れてしまっているが、人が立ち入ることのないカワウたちの楽園だ。芝生にはツグミとタヒバリの冬鳥コンビ。枯れ枝に止まったヒヨドリとツグミを目と耳で比べる。松の林に入ると風がさえぎられ、ポカポカと暖かい。茂みの陰にアカハラが登場すると、みんなフィールドスコープに釘付け。カラスが騒ぎ出し、何事かと空を見上げる。ビルをバックに飛ぶノスリを見たのははじめてだ。

身近な自然の再発見をテーマとする東京探検観察会は、まさに自然かんさつの原点といえる観察会であり、今年で第6期を迎え、リピーターを中心に毎回多くの参加者が集まるとのこと。これをきっかけに、自然保護に取り組む仲間を増やしていくことができればと思う。

カワウ、オナガガモ、スズガモ、トビ、ノスリ、イソシギ、セグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ、ハクセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、スズメ、シジュウカラ、メジロ、オナガ、ハシブトガラス、ドバト。

 

2月9日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ。オオタカがコサギを捕らえ、ヨシ原に運んで食べ始めた。しかし、「よく見えない」とヨシ原に入ろうとした人がおり、オオタカは獲物を捨てて飛び去ってしまった。野生動物のためはもちろん、一緒に観察を楽しむ者として、周りどうしで声を掛け合って、遠くから静かに見守りたい。

カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カモsp、キジ、ミサゴ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、イカルチドリ、イソシギ、セグロカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、アカハラorシロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、エナガ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

2月10日 睦橋上流

晴れときどき曇り、暖かい。愛鳥モデル校の福生第五小学校で全校野鳥観察会があり、自然環境アカデミーのボランティア講師の一人として3年生に同行した。

学校から多摩川までは歩いて3分とかからない。さっそく土手の上から、草原〜石河原〜流れ〜対岸の林〜空、と鳥を探してみると、ダイサギが目に入ったのに続いて、アオサギ、カルガモ、ツグミなどが次々とやってきた。石河原の奥にセキレイがいるのを見つけた子が、「セグロセキレイの方だよ」と教えてくれた。かなり距離が離れているのに、一瞬で識別できてしまうところがさすが五小生だ。川原に下りて、鳥の声に耳を澄ました後は自由観察。対岸のニセアカシアに止まるアカハラをじっくり観察。遠くにはカワセミの姿も。イカルチドリのピウピウ・・・という声に春の訪れを感じる。フィールドスコープでカラスの巣を見てみると、枯れ枝のほかに青や白の針金が使われているのがわかった。何者かに頭がちぎられたような魚の死体や、かたまって落ちている羽毛なども見つけた。最後にみんなで川原のゴミを拾って、学校に戻った。

かんさつした鳥は、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、アカハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ムクドリ、シジュウカラなど。

 

2月12日 大丸堰周辺

晴れのち曇り。左岸側の澪筋が減水し、簡単に中州に渡れるようになってしまった。カイツブリ、カワウ、コサギ、カルガモ、トビ、オオタカ、ノスリ、イカルチドリ、キジバト、カワセミ、アオゲラ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、シジュウカラ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト。

 

2月13日 根ヶ布

晴れときどき曇り。青梅さとやま市民会議のさとやま散歩。梅岩寺の境内を抜け、コウヤボウキの綿毛を見たり、ヤマガラを間近に観察したりして、永山北部丘陵へ。斜面にはフユイチゴの群落が見られるが、実はテンにでも食べられたのか、きれいになくなっている。北谷津の枯野にはカシラダカの群れ。小さな沼は整地されて狭くなってしまったが、アカガエルは卵を生みに来てくれた。トビ、アオゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、トラツグミ、ジョウビタキ、エナガ、カシラダカ、カワラヒワ、ウソ、ヤマガラ、メジロ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

 

2月17日 大丸堰周辺

晴れときどき曇り、暖かい。丸石河原をイカルチドリが飛び回り、上空を「チュルルル・・・」とヒメアマツバメの群れが通り過ぎていく。ノビル採りに来ている人も(あまりの量に呆れたが)。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、コガモ、キジ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、オオバン、イカルチドリ、セグロカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、アオゲラ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ツグミ、ジョウビタキ、エナガ、アオジ、スズメ、ムクドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

2月19日 水元公園

雪のち雨、寒い。NACOTの定例自然観察会「外来種いいんかいin水元公園」。葉の形やつき方、樹皮などの特徴を読み上げて、それに当てはまる樹木をクイズ形式で探しながら観察。レストハウスで温かいそばやうどんなどを食べながらまとめをした。目に付いた鳥は、カワウ、コサギ、カルガモ、ヒドリガモ、オオバン、ユリカモメ、モズ、ウグイス、アカハラ、ツグミ、ハシボソガラス、ドバトなど。

 

2月20日 六郷橋下流(右岸)

曇り時々雨。多摩川の自然を守る会の定例自然観察会。

京急大師線港町駅から、井王寺を見て多摩川へ。河港水門の対岸は六郷のヨシ原と干潟。かなり距離があるが、フィールドスコープで干潟を歩き回るセイタカシギなどを観察。川面を水上スキーが走り回り、高水敷では「ラジコン・ヘリ禁止」「ゴルフ禁止」の立て札の前で、それぞれが堂々と行われている。堤内側は味の素工場。

サッカーをする子どもたちと応援する親たちで賑わうグラウンドの先で多摩川から離れ、川崎大師へ。境内には長十郎梨の「種梨遺功碑」がある。池には数十匹のアカミミガメ(イシガメ1匹)と太りすぎで見るからに体が重そうなコイ。また、ドバトを仕留めてくわえていく猫を目の当たりにし、外来種やエサやりの問題を考えさせられた。

カンムリカイツブリ、カワウ、コガモ、カルガモ、オカヨシガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、トビ、チョウゲンボウ、オオバン、セイタカシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、メジロ、ハシブトガラス、ドバト。

 

2月24日 大丸堰周辺

曇りときどき晴れ。川岸の柳が何となく色づいてきたように感じる。今日もオオタカがコサギを捕った。たっぷり栄養を摂ってじょうぶな子?を産んでほしい。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、トビ、オオタカ、ハヤブサ、イカルチドリ、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、モズ、アカハラ、ツグミ、エナガ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト。

 

2月25日 大丸堰周辺

曇り。日差しがなく寒い一日だったが、早春らしく昨晩積もったぼたん雪は昼までにほとんど消えてしまった。両足にリングがつけられたカワウの幼鳥を目撃。左足のカラーリングに「F58」。どこで放鳥された個体なのだろうか。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、イカルチドリ、セグロカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、モズ、アカハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

2月26日 大丸堰周辺

曇り。日差しがなくて風があると寒くてじっとしていられない。今日も「F58」のカワウを確認。昨晩はこの近くで過ごしたのだろうか。それとも離れたところにあるねぐらに帰って、早朝また飛来したのだろうか。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、コジュケイ、ミサゴ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、セグロカモメ、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、モズ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、シメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト。

 

2月27日 睦橋〜平井川合流点〜秋川合流点、永田橋下流

晴れ。睦橋を渡って右岸へ。早朝の冷え込みは厳しかったが、沼に張った氷は薄い。昨秋の出水で流れが変わり、夏に子どもたちと泳いだ五日市線鉄橋下(平井川合流点)の淵がなくなってしまった。丸石河原を秋川合流点へ。今年はイカルチドリの求愛シーズンが早いような気がする。オオタカのディスプレー・フライトもはじまった。オギ原を探検していたら、ベニマシコのペアが出現。セイタカアワダチソウのたねを食べていたようだ。午後は自然環境アカデミーの鳥類標識調査を見に永田橋下流へ。

カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ノスリ、チョウゲンボウ、イカルチドリ、セグロカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ツグミ、ジョウビタキ、エナガ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、ベニマシコ、シメ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。