多摩川散策日記2004年12月)

文:上田大志

 

 

12月3日 一之瀬高原

快晴。ノスリ、オオアカゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、ツグミ、エナガ、ウソ、コガラ、ヒガラ、ハシブトガラス。

 

12月4日 大丸堰周辺

曇り、肌寒い。カイツブリ、カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、カワアイサ、キジ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ツグミ、ジョウビタキ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月5日 大丸堰周辺

快晴、暖かい。台風27号から変わった低気圧の通過で、4日深夜から5日早朝にかけて60mmほどの雨が降り、季節外れの台風一過の青空になった。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、コガモ、カルガモ、コジュケイ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、イソシギ、セグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、カワラヒワ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月7〜8日 大井川

仕事で大井川へ。南アルプスの3000m級の山々を水源として駿河湾に注ぐ延長168kmの大井川。「東海道の川越」で知られた水量豊かな大河も、現在はいくつものダムに水を取られ、下流部の姿にその面影は感じられず(このときは大雨の後で増水していたようだが)、広大な石河原ばかりが目に付く。この川の上流部は、ダイナミックな渓谷がどこまでも続く、大イワナと大アマゴの楽園なのだが。

 

12月11日 福生の松林会館で「カワラノギク・プロジェクト」の会合があり、羽村大橋下流で計画されている治水工事への対応や除草作業のスケジュールなど、今後の活動について話し合った。

 

12月12日 明治神宮

曇り時々雨、寒い。明治神宮で行われたNACOT(NACS-J自然観察指導員東京連絡会)の観察会に参加。

八十数年前につくられた神宮の森が、年月とともにマツ類からスギ、ヒノキなどの針葉樹、さらにカシ、シイ、クスノキなどの常緑広葉樹中心の森へと変わっていくことを見通して、計画的につくられたこと、また実際そのように遷移していることを実地で学び、東京の森林について知るよい機会になった。

野鳥は宝物殿前の池でオシドリ、マガモ、カルガモ、ホシハジロなどのカモ類、森の奥ではシロハラ、その他コゲラ、シメ、メジロなど。

 

12月17日 大丸堰周辺

快晴。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月18日 水元公園

快晴。NACOTの定例観察会で水元公園へ。カモの塗り絵をしたり、野鳥へのエサやりの問題を考えたりしながら、小合溜の水辺で「冬の水鳥たち」をじっくりとかんさつした。

解散後、園内を散策。ワンドの周辺はバードサンクチュアリになっていて立ち入り禁止、観察舎が設けられている。

カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、コガモ、カルガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオタカ(幼)、バン、オオバン、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、シメ、ムクドリ、シジュウカラ、メジロ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト。

 

12月19日 和泉多摩川〜二子玉川

晴れのち曇り。多摩川の自然を守る会の定例自然観察会。

・小田急線の鉄橋工事が続いている。いつの間にか土手を横切る踏切がなくなった。

・いつも楽しみにしている土手の陽だまりで、ハルノノゲシやヒメウズが咲きはじめている。

・ピカピカだった多摩川決壊の碑が古ぼけてきた。できたばかりだと思っていたが、もうすぐ6年になる。

・宿河原堰下流の転落防止柵が危険。2001年の洪水で壊れた後も補修されず、どんどんボロボロになっている。2002年に頑丈に作り直された対(右)岸と対照的だ。自然の川に柵などほしくないが、ここは人工物によって切り立った岸壁になっていて、下もコンクリートの護床工。きちんと整備した方が良いと思う。

・カモ類が少ない。いつも見ている大丸堰付近だけかと思っていたが、多摩川以外でも少ないらしい。この冬は全般に渡来数が少ないのかもしれない(年々減ってきているような気がする)。

・若いオオタカが10羽ほどのカラスに囲まれながらも、上昇気流に乗って高度を上げていった。

・東名高速の上流は流れが大きくカーブしていて、出水のたびに左岸側が削られ、水面との高低差も大きくなっている。今年は大きな被害はなかったようだが、籠マットが露出している。

・高水敷はこの先、対岸も含めてグラウンドばかり。野球やサッカーはともかく、警視庁のバイク講習が騒がしい。

・チョウゲンボウのホバリングを眺め、水辺の石河原とオギ原にホッとする。

・筆者は所用があり、昼食後は先に二子玉川へ。新二子橋上流のグラウンド群は大勢の利用者で賑わっている。いつもながら洗掘された兵庫島の川原を見て、駅へ。

・カイツブリ、カワウ、コサギ、ダイサギ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、トビ、オオタカ(幼)、チョウゲンボウ(成)、イソシギ、ユリカモメ、ヒメアマツバメ、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、モズ、ツグミ、アオジ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト。

 

12月20〜22日 肱川・小瀬川

仕事で肱川(愛媛県)と小瀬川(広島・山口県境)へ。

20日:羽田から空路松山、松山から車で大洲付近の肱川へ。四国の川を味わう間もなく松山に戻り、権現温泉の宿に一泊。

21日:松山港からフェリーに乗り込み、瀬戸内海の眺めを楽しむこと2時間半で広島港。山陽道を通って山口との県境を流れる小瀬川へ。宿は対岸の岩国。

22日:悠然と飛ぶクマタカを間近に見られたのが何よりの収穫。弥栄ダムを見て、帰路は広島空港から羽田へ。

 

12月23日 大丸堰周辺

晴れ。久し振りに左岸を歩いたら、土砂堆積の進行が気になった。10月の出水によるものだろう。そのうち浚渫するようなことがあるかもしれない。自然環境面で配慮すべきことをまとめておきたい。地元小学校のカワラノギク実験地には、開花個体1本とロゼット数株。ヤブに入ったら、コセンダングサの一斉攻撃を食らい、たちまちハリネズミになった。

カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、キジ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、イソシギ、ウミネコ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、シジュウカラ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月24日 大丸堰周辺

晴れ。ウとサギで賑わう中州の丸石河原に若いハヤブサが舞い下りた。カラスの群れにもたびたびちょっかいを出す。かれらを襲って食べようとする様子はない。遊び相手になってほしいのだろうか。

カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、キジ、コジュケイ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、イカルチドリ、イソシギ、ユリカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月25日 永田地区

晴れ。カワラノギク・プロジェクトで実験区のタネとりをした。推定10万という開花株が一斉に結実した様子は壮観。どの株もタンポポの綿毛を小さくしたようなかわいい頭花をたくさんつけ、もうタネがパラパラとほぐれる。冠毛の色には薄茶色のものと紫っぽいものがある。熟しているか否かではないようだ。粘着剤を塗りつけた5mのスタッフが何本も立っている。風で飛ばされたカワラノギクのタネが、どのくらいの高さのところを舞っているのかを調べているとのこと。

カワウ、ダイサギ、アオサギ、キジバト、コゲラ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、シメ、シジュウカラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

 

12月26日 大丸堰周辺

晴れ。先日の若いハヤブサがユリカモメを追い回し、いつもはカラスに囲まれても穏やかなノスリがピユー!と珍しく興奮している。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、トビ、オオタカ(成/幼)、ハイタカ(成)、ノスリ(成/幼)、ハヤブサ(若)、セグロカモメ、ユリカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、コゲラ、セグロセキレイ、キセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月28日 大丸堰周辺

晴れ。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、キジ、トビ、オオタカ、ノスリ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、ユリカモメ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、アカハラ、ツグミ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ガビチョウ。

 

12月29〜31日 安比高原

なかなか雪が降らず、23日にやっとオープンしたという安比高原スキー場だったが、この数日で新雪が降り積もり、滑走感たっぷりのロングクルージングを楽しむことができた。ただ、今年は年内に帰京するのでUターンラッシュとは無縁だと思っていたのに、大晦日は全国的に雪で福島以南の東北道は通行止めに。大渋滞の国道を14時間もかかってようやく帰り着いた。