多摩川散策日記2002年7月)

文:上田大志

 

 

7月2日 多摩大橋上流(44km付近左岸)

曇り、蒸し暑い。今日は昭島市立玉川小学校が、多摩川で体験活動をする日(5年生62人)。6月25日に行う予定だったが、雨で今日に延期。サポートスタッフの都合がつかず、野鳥と水質の2班での活動となった。

 僕の担当した野鳥班では、@目で見たのか/声を聞いたのか→Aどんな鳥だったのか(大きさ、色…)/どんな声だったのか→Bどこで→C何をしていたのか、というように、目と耳でじっくり観察してみることにした。多摩川上流処理場からの排水路では、期待どおりカルガモの一家を間近に見ることができた。子ガモたちはすっかり大きくなって、ちょっと見ただけでは親鳥と区別がつかないが、動作はまだあどけない。子どもたちは「かわいいー!」と一瞬で夢中になる。水辺に出て、第三紀露頭の楽しい河原をワイワイ歩いていくが、あいにくカワウやダイサギなど、大型の水鳥は不在。また、飛んでいる鳥に気付いた子がいても、みんなが「どこどこ?」と探しているうちに見えなくなってしまう。オギ原から飛び出したキジも、すぐに飛び去ってしまい、見られたのはほんの数人だった。まとめの時間に、今日はどんな鳥がいたのか、子どもたちに答えてもらった。全員が見ることのできた鳥は少なかったが、ホオジロとセッカの声が耳に残った。

水質班では、処理場からの排水路内と、それが合流する前の本流の2地点で水を汲み、「クリーンメジャー」で透視度を計ったり、「パックテスト」でCODとアンモニア濃度を測定した。正味1時間の活動としては、若干欲張りすぎの内容だったかもしれないが、水のにごり具合もパックテストでの測定値(色)も、それぞれの地点で違っているのが目に見えてわかり、子どもたちの満足度は非常に高かったようだ。

玉川小の多摩川体験学習は7月11日にも予定されている。今度は実際に川に入り、魚などを捕まえて観察してみるとのこと。とても楽しみだ。

 

7月4日 大丸用水堰上流〜京王線鉄橋上流(33〜35km付近)

晴れ、暑い。梅雨の合間の真夏日。多摩市立連光寺小学校の4年生(2クラス70名)が、総合的な学習「川となかよし」で、多摩川(大栗川との合流点)にやってきた。

子どもたちは、学校の活動で多摩川に来るのは初めて。まず多摩川の自然にふれて自分の興味を見つけようということで、「水の中に入ってみよう+生き物を捕まえてみよう」と「原っぱの探検をしよう+鳥に親しもう」を、それぞれクラスごとに交替して活動した。

前日までぐずついた天気が続いていたが、川は増水もなく澄んでおり、水の中に入って、思い切り活動することができた。みんな「網の使い方が難しかった」と言っていたが、ドジョウやジュズカケハゼなどの魚、ザリガニ、ハグロトンボのヤゴ、アメンボなど、ほとんどの子が何らかの“生き物”を捕まえることができた。

“白い鳥”、“赤い花”、“ゴミ”など、自分がありそうだと思うものを考えて、子どもたちひとりひとりがつくった「ビンゴゲーム」。実際に原っぱを探検してみて、どうだったかな?

鳥の観察。みんなが楽しみにしていたカワセミは見られなかったけれど、「あのシラサギは足がオレンジ色をしているよ!」、「あのツバメは背中が白いよ!」と気付いたり、空高く囀るヒバリの声を聞いてみたり、カラスの巣を見つけたり、目の前を大きなアオサギが飛んでいくのを見たりした。また、右に広がる森の中からは、姿は見えないけれど、「ピー」、「ギャー」、いろんな音が聞こえてくる。「冬にはパンダみたいなカモが泳いでいたんだよ」と教えてくれる子もいた。

他にも、ショウリョウバッタ(チビ)を捕まえたり、「ウェー、ウェー…」とウシガエルの声、「チョンギー」と鳴くキリギリス、シマヘビの抜け殻、コクワガタの死骸、縞模様の石など、今日はいろんな発見があった。「川となかよし」では、今後同じような興味をもった人同士でグループをつくり、学習をすすめていく。

「総合的な学習」、「水辺の楽校」、「多摩川流域リバーミュージアム」…。多摩川の自然を守る会が創立以来掲げてきた「多摩川自然教育河川構想」を実現できる日は近い。

学校に戻り、みんなと一緒に給食を食べた帰り道、関戸橋を渡って左岸へ。潅木の上で朗らかに囀るホオジロやキジなどを観察。“よみうりワンド”がなくなってしまった。そういえばここには昨秋の洪水以降来ていない。ふれあい教室で魚やカメの世話などをして帰る。

 

7月6日 多摩大橋下流〜日野用水堰(43〜45km付近/左岸)

晴れ、暑い。「多摩川と生きる昭島市民の会」の魚類調査。同会では、毎月魚と植物の調査を交互に行っている。調査といっても、川の大好きな大人たちが子どもと水遊びをしながら、身近な自然の中で休日を楽しく過ごすのが目的だ。

八高線鉄橋下から日野用水堰上流まで500mほどの区間を、鉄橋上流の流れが緩やかな浅場、堰下の早瀬、堰上の湛水面(水際)の3つにわけ、それぞれの環境にどんな魚が棲んでいるのか、手網や手づかみ!で魚を捕まえながら観察していく。

ゲットした魚は、カワムツ、オイカワ、アブラハヤ、ムギツク、モツゴ、コイ、ニゴイ、ギンブナ(多)、ドジョウ、シマドジョウ、ギバチ(1)、ナマズ、ヨシノボリ、ジュズカケハゼ(多)。その他ハグロトンボのヤゴ、ヌカエビ、スジエビなど。サナエトンボが羽化した抜け殻もたくさん見られる。

“ワンド型ビオト−プ”の観察。杭にカワセミがとまっている。ワンドと本川の間のオギ原は、オオヨシキリの楽園だ。

会員の小峰さんが経営するラーメン屋さんで昼食後、多摩大橋の下流へ。11日に玉川小の子どもたちと魚とりをするので、その下見に来たのだ。しばらく歩くと、コンクリートの水制?が何本かあり、その間が水たまりになっている場所を見つけた。水の中には、小さな魚がいっぱい!ブロックの隙間からは冷たい水も噴き出している。周りにはオレンジ色のヤブカンゾウが咲き乱れ、オニグルミの木がたわわに実をつけている。「これは良い場所を教えてもらったゾ」とうれしくなる。「総合的な学習」にとって、地域の方々の協力ほど心強いものはない、と思う。あとは11日の天気が心配だ。

 

7月9日 多摩川流域懇談会第28回運営委員会

多摩川に清流を取り戻すために、まず現状を知り、課題を整理する「水流実態解明プロジェクト」。次回の「水流解明キャラバン」は8月末頃、二ヶ領用水および平瀬川で行われる見通し。多摩川市民フォーラムからは、いろいろな立場の人々が情報を共有する場として、シンポジウムの開催が提案された。

 

7月11日 多摩大橋下流(43km付近左岸)

今日は玉川小の活動日のはずだったが、台風6号が襲来し、16日に延期。

10日、朝から断続的に雨が降り続き、夜には風も強まった。翌朝、すっかり晴れ上がっていたので活動場所を見に行くが、多摩川は茶色く濁った激流がゴーゴーと流れていた。起伏のある土丹の上を流れているので、水流は上下に波打ち、飛沫を上げている。魚とりをする予定の水たまりも、もちろん濁流の中。どこだかわからない。

TRMのホームページで、流域各地の雨量と流量をチェック。累加雨量は、奥多摩の小河内で249mmに達し、237mmだった前年8月22日の雨量を上回った(同9月11日は649mm!)、是政橋近くの多摩出張所では97mm(8月22日は206mm)。流量は、11日の未明に調布市の石原や大田区の田園調布などで、警戒水位に迫ったことがわかる。

 暑い。蕎麦屋を探すが見つからず、国分寺まで我慢して戻り、ホッと一息…。

 

7月12日 宿河原(22km付近右岸)

快晴、暑い。TRMでせせらぎ館へ。宿河原堰は、まだ引上げ式ゲートが上がっており、水がどうどうと流れているが、水色は少し落ち着き、カフェオーレのよう。辺りをぱっと見渡しただけでは、今回の洪水によって地形が大きく変わったところはなさそうだ。転落防止柵の内側にゴミが流れ着いた様子がないので、ピーク時の水位もそれほど高くなかったと思われるが、平水に戻れば、植生の流失、中州や河原の形状の変化などに気付くだろう。堰柱に太い丸太が引っ掛かっている。堰下の浅瀬には、カワウ、ササゴイ、コサギ、ダイサギ、アオサギなどが多数群れている。建設コンサルタントの方が2名、洪水の影響調査として、堰上“ビオトープ”の測量にみえた。

 

7月13日 宿河原(22km付近右岸)

曇り、朝のうち小雨、のち晴れ、昼過ぎにまた雨、そして夕方には虹も…TRMでせせらぎ館へ。

宿河原堰のゲートはまだ上がっているが、砂利の中州が現れてきた。水色は緑がかった灰色。昨日は1台しか映っていなかった魚道カメラは、3台とも作動しているが、まだ水が濁っているので何も見えない。カワウ(多)、コサギ(多)、ダイサギ(多)、アオサギ、カルガモ、トビ、ウミネコ(1)、ツバメ、スズメ、ハシブトガラス、ドバト。

 午後は、NPO法人多摩川エコミュージアム「キック・オフ=発会式」が行われた。多摩川流域全体を“まるごと博物館”にしようと、せせらぎ館を拠点に活動を続けてきた川崎の市民グループのネットワークが、7月から「特定非営利活動法人多摩川エコミュージアム」として新たなスタートをきったのである。「多摩川自然教育河川構想」の実現がまた一歩近づいた。

 

7月14日 宿河原(22km付近右岸)

晴れ、風が強いが暑い。TRMでせせらぎ館へ。多摩川の流量、水色に前日から大きな変化はない。カワウ、コサギ、ダイサギ、コアジサシ、ウミネコ、ハクセキレイ、ハシブトガラス、アヒル、ドバト。

東京都水道局のHPで、奥多摩湖の貯水率をチェック。12日9時現在で88%とのこと。

 

7月15日 水流解明キャラバンについての打ち合わせ

“二ヶ領用水・平瀬川キャラバン”の実施が8月31日に決まり、両川の水質、水量に関する見どころを、1日(貸切バス)でまわることになった。

「地域の市民団体が以前からフィールドワークやセミナーを活発に行っており、課題についてはある程度整理できているので、今回のキャラバンはそれを踏まえた具体的な取り組みにしよう」という意見もあったが、「今回のキャラバンで様々な人が共通認識をし、課題の改善を促進するきっかけにしよう」ということになった。

暑い。ニイニイゼミが鳴いている。日本列島にまた台風が近づいている。

 

7月16日 台風7号が襲来

玉川小の予備日だというのに、またしても台風!9月に延期となってしまった。ただ、房総半島に上陸したというのに、多摩川流域への影響は思いのほか小さかった(ようだ)。TRMのホームページで見る限り、下流部では、ややまとまった雨になったが、上流部の雨量はごくわずか。水位の大きな変動も見られない。

 

7月17日 宿河原(22km付近右岸)

曇りときどき晴れ、にわか雨あり。TRMでせせらぎ館へ。

多摩川の流れは落ち着き、濁りもとれてきた。カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コアジサシ、シジュウカラ、ハシブトガラス、ドバト。魚道(カメラ)には、たくさんの魚たち。屋外モニターの試験放送を行っている。

多摩川の水質をテーマに活動されている市民グループの方に、流域の市民活動団体や「多摩川市民フォーラム」の取り組み、「水流解明キャラバン」などを紹介する。また、府中市の市民団体「環境問題懇談会」が「府中かんきょう市民の会」に発展し、活躍していることを教えていただく。みんなの活動をつなげ、“いい川づくり”の輪を広げていきたい。

 

7月18日 「総合的な学習の時間in多摩川プロジェクト」情報交流会

多摩川センターでは、流域の学校が多摩川で総合学習に取り組むために、学校どうし、および先生方とセンターとの情報交流会を定期的に行っている。今回はこの1学期に、各学校がどんな取り組みをしてきたのかを発表し合った。また、多摩川センタ−やTRM、地域の人の関わり方についても話題になった。

 

7月19日 国分寺

晴れ、暑い。昼休み、涼を求めて「お鷹の道/真姿の池」の散策。湧き水の小川と雑木林の木陰がうれしい。

 

7月20日〜21日 小菅村

快晴、猛暑。関東地方梅雨明け。多摩川の自然を守る会、夏の水源合宿。

台風6号の影響が残っているのか、日原川は白濁している。

奥多摩駅から路線バスで小菅村へ。今夜の宿、広瀬屋旅館に荷物を置き、付近の自然観察。オカトラノオ、タマアジサイ、レンゲショウマ(つぼみ)、ヤマユリなどの花。谷沿いには、ツリフネソウやギンバイソウが涼しげに咲いている。おたまじゃくしのたくさんいる水たまりが干上がりかけていたので、子どもたちと沢から溝を掘って、水を導き入れる。沢の水を飲む人、手を浸す人、顔を洗う人…みんな思い思いに水辺でのひとときを楽しんでいる。ヒグラシが鳴き出した。小菅の湯につかり、汗を流す。

宿に戻って夕食。多摩川源流研究所の中村さん、井村さんとの交流。熱い思いがみんなに伝わる。

夜の自然観察。夏の大三角やアルクトゥルスがよく見える。若者グループが河原で花火をしている。賑やかだ。静かな裏山、諏訪神社の境内林。残念ながら何もいない。

早朝散歩。ヒグラシの合唱で夜が明ける。期待した野鳥はホトトギスとホオジロくらい。代わりにソウシチョウが賑やかに囀っている。

朝食後、宿の車で雄滝へ。シオジやカツラの天然林。勢い良く落ちてくる流れ。自然の中に身を委ねるよろこび。爽やかな風が体を駆け抜けた。

歩いて白糸の滝へ。コミスジ、テングチョウ、コムラサキ。スミナガシの奇妙な幼虫。谷間にオオルリの声が響く。オオダイコンソウ、カワミドリなどの花。岩を滑り落ちてきた一条の流れは飛沫となって、熱った顔に降りかかる。

こんな素晴らしい小菅渓谷も、村の中心部は村営釣り場になっており、重機で真っ平らに整地された河川敷を車が砂煙を巻き上げながら走り回っている。そこには木陰はおろか草1本生えていない。すると虫も鳥も少ない。

都会からやって来る僕らや子どもたちに、思い切り釣りを楽しんでもらおうという考え方にはもちろん賛成である。でもそれは“源流の素晴らしい自然の中”でなければ、ただの釣り堀と変わりがない。たしかに管理釣り場とする以上は、流れを岩で区切って、そこに養殖魚を大量に放流するなど、多少なりとも人の手を加える必要はあるだろう。しかし、源流の豊かな自然を破壊して、そこに車を乗り入れさせるなどは言うに及ばず、駐車スペースはきちんと決めてそれを徹底させ、自然の土手、木陰、石の河原などはそのまま残すべきである。その方が訪れた人も「ああ源流に来たんだ、自然はいいなあ」と思うだろうし、本気で源流にこだわった村づくりをしているんだとアピールすれば、少々不便であっても、大多数の人はそれを理解して、足を運んでくれるのではないだろうか。

観察できた野鳥は、トビ(多)、クマタカ(1)、ホトトギス、コゲラ、ツバメ、イワツバメ(多)、ハクセキレイ、キセキレイ(多)、ヒヨドリ、ミソサザイ、ウグイス、オオルリ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ヒガラ、ヤマガラ、カケス、ハシブトガラス、ソウシチョウ(多)。

 

7月23・24日 二子橋上流(18km付近/右岸)

23日:快晴、猛暑。24日:晴れときどき曇り、暑い。毎年恒例の「夏休み多摩川教室」。低水敷に繁茂していた植生は、台風6号による出水でその多くが流失し、石河原が広がった。僕ら多摩川センターが企画・担当したコーナーは「多摩川のゴミを調べよう」。

来場者に多摩川の河原からゴミを拾ってきてもらい(ひとり3つ以上)、種類ごとに分け、模造紙に貼り付けて展示した。

ゴミ拾いに参加した人数は23日(1日目)56人、24日(2日目)62人。集まったゴミは多い順に、タバコの吸殻329、花火の燃えかす261、食品の容器・包装117…と続く。空き缶、ペットボトル、鉄板!?などの目立つゴミは、1日目でその多くが回収され、2日目はタバコの吸殻、小さなビニール片などが中心になった。2日間の終了後に河原を見渡すと、開始前と比べて随分きれいになったなと感じる反面、目立たないゴミは限りなく落ちていることを思い知らされた。

参加者には、アンケートにも協力してもらった。“なぜゴミがそこにあるのか”という問いかけには、ほとんどの人が「河原で遊んだ人がそのまま捨てていった」と答え、意見・提案としては、「自分で出したゴミは持ち帰って始末しよう」が「ゴミ箱に捨てよう(ゴミ箱を設置しようを含む)」を大きく上回った。「周りがきれいになればなるほど、人はゴミを捨てにくくなる」というのもあった。納得。

 

7月25日 「水と緑と食の祭典」実行委員会

水や森林の保全と源流域の地域振興を考える交流の場「水と緑と食の祭典」が、10月19〜20日に小菅村で開催される。この企画には小菅村、多摩川源流研究所、日本下水文化研究会、多摩川流域の市民団体などからなる実行委員会を結成して取り組むことになり、その第1回が立川市中央公民会で行われた。

参加者は25名ほど。自己紹介で各自が源流に寄せる思いを語った後、祭典のメニュー、実行委員会の組織、予算などについて話し合った。次回は9月11日に行われる。

 

7月26日 大丸用水堰(32km付近左岸)

快晴、猛暑。多摩川ふれあい教室へ。翌27日の「ラブリバー多摩川」(主催:むさし府中青年会議所)で子どもたちと魚とりをするので、その下見と準備に来たのだ。

多摩川の流れは透きとおり、さらさらと心地良い音をたてて流れている。台風6号による出水で、川底にたまったヘドロや石に付いたヌルヌルがきれいに洗い流されたのだ。

コサギがたくさん飛んでいる。明日は楽しいイベントになりそうだ。

 

7月27日 大丸用水堰(32km付近左岸)

快晴、猛暑。「ラブリバー多摩川」の“水中探検隊”に参加。マスクとシュノーケルで水中観察をした後、手網で魚とりを楽しんだ。

暑さのためか、魚は流れの緩やかな堰上にはほとんどいない。タモロコやモツゴ、ナマズまでが、流されそうな堰下の早瀬に、ちょっとした日陰を見つけて隠れている。「きっと魚も涼しいところで休んでいるんだね」。オイカワ、アブラハヤ、タモロコ(多)、ムギツク、モツゴ(多)、ドジョウ、シマドジョウ、ナマズ(1)、ヨシノボリ、スジエビ(多)、コオニヤンマのヤゴなどなど。

 

7月30日 兵庫島(18km付近左岸)

曇りときどき晴れ、暑い。

6月に市民と河川管理者が共同で実施した「川の通信簿」による多摩川の親水空間の点検。NHKから「おはよう日本」で紹介したいと依頼がきた。翌朝、生中継をすることになり、その打ち合わせで兵庫島へ。

“復旧”されて間もない河原は、台風6号による出水で、またまた激しく洗掘された。親水池と本川の低水護岸。両側をコンクリートで固められているのだから当然だ。親水池の水は濁り、ヘドロ臭い。きっとかなりの土砂が堆積しているのだろう。また同じように直すのかな?花火などのゴミ激多!

 

7月31日 兵庫島(18km付近左岸)/宿河原(22km付近右岸)

晴れ、猛暑。NHKニュース「おはよう日本」の撮影(生中継)があり、6:45に兵庫島へ。「誰もが川に親しめるようにという配慮から、傾斜の緩やかな護岸が設置されているが、自然のままの石河原でも良いのでは?」というようなことを話したつもりだが、限られた時間の中で、うまく伝えられただろうか。

その後、TRMでせせらぎ館へ。宿河原堰下には、信じられないほどの数のアユが群れをなしている。台風6号による出水で流されてしまったのだろうが、再び魚道を元気に上っていく姿が、館内のカメラで確認できる。頼もしい。アオサギが3羽、ダンスをしている。カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ウミネコ、ツバメ、ハクセキレイ、ムクドリ、ドバト。

夜は狛江の花火大会。多摩川センター、エコミュージアム、ふれあい教室、地域の方…みんなで楽しいひとときを過ごした。