多摩川散策日記2002年1月)

文:上田大志

 

 

1月3日 睦橋〜平井川合流点(49〜50km付近/右岸)

 福生南公園には凧揚げをしている人が大勢おり、正月らしさを感じるとともに、この『多摩川散策日記』を書き始めて1年経ったことに気付かされる。

睦橋上流に点在する池には薄氷が張っているが、橋の真下の“釣り堀”には20人ほどの釣り人。枯れたガマの茂みから、オオバン一家が頭を前後に振りながら(泳いで)出てきた。河川敷に下りると、個性的な大小の池に加えて、オギ原やハリエンジュの林、コゴメヤナギやネムノキなどが育つ、いきものたちの楽園が広がっている。突然目の前をすっと影が横切った。ノスリは頭上高く一直線に舞い上がると、ゆっくりと旋回に移った。

昨年9月の洪水で(たぶん)、水際は広大な石河原になり、頭くらいの大きな丸石がゴロゴロしている。また五日市線の鉄橋付近は、平井川が合流してくる右岸側の洗掘と河床低下が著しい。

夕暮れの芝生広場(あきる野市総合グラウンド)に凧揚げをする親子の影が長く伸びている。

観察できた野鳥は、カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、コガモ、カルガモ、トビ(3)、ノスリ(2)、バン、オオバン、イカルチドリ、ドバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ(1)、セグロセキレイ(多)、ヒヨドリ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ(多)、スズメ、カワラヒワ、シメ、ムクドリ、シジュウカラ(多)、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ソウシチョウ。

 

1月6日 上河原堰上下流(25〜26km付近/左岸)

調布市民プール(もちろん休園中)では、マガモとカルガモの群れがくつろいでいる。上河原堰上流の送電線には、いつもカワウの大群が留まっているのだが、今日はどうしたことか1羽もいない。中州のオニグルミの木にはノスリ。時々地面に舞い降りては、また木の上に戻る。ネズミでも狙っているのだろうか。反対側の中州に目を移すと、高木にオオタカが。カラスがギャーギャー騒ぎ立てている。

昨年9月の洪水で堰下流左岸は大きく削られ、水際線が崖のようになって続いている。“小ワンド”付近も足元から深くえぐられた。瀬と淵のコントラストがいい。“大ワンド”は洪水で土砂が堆積したことに加えて、最近の減水ですっかり浅くなってしまった。オオフサモはほとんど見られない。また今回、ワンド内に湧水を確認することができなかった。

高水敷の芝生広場は、冬休み最後の日曜とあってか、土手を滑り下りる子どもたち、凧揚げや草野球を楽しむ家族連れなどで大いに賑わっている。

観察できた野鳥は、カイツブリ、カワウ、コサギ、マガモ、カルガモ、トビ、オオタカ、ノスリ、ユリカモメ、キジバト、ドバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、キセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、アオジ、スズメ、ハシボソガラス。

 

1月12日 中野島〜稲田堤(25〜27km付近/右岸)

6日に観察した場所の対岸を歩いてみた。

上河原堰下流の澪筋は完全に左岸寄りの1本になり、右岸側はとにかく広い石河原になった。25km付近には水制が並んでいるが、流路は干上がり、わずかに残った水たまりにコイやオイカワの群れが取り残されていて憐れ。ただ水の澄んでいるところが見られ、伏流水が出ているかもしれないので、幸運ならば助かるかもしれない。

 “大ワンド”では何やら工事が始まっており、ショベルカーが2台うごめいている。流れを挟んだ対岸なので、確認することはできなかったが、どうやら洪水でワンドの上流側に堆積した土砂を取り除いているようだった(もし違っていたらご指摘ください)。

 カラスがトビにまとわりつくが、トビの方はまったく気にする様子はなく、優雅に輪を描いている。そのうちカラスはあきらめて帰ってしまった。オオタカとノスリはほぼ6日と同じところにいる。と、さっきのカラスとオオタカが追いかけっこを始めた。しばらくしてオオタカは鉄塔高くとまった。冬は草花や虫などは少ないが、藪が枯れて見通しが開け、野鳥もじっくりと観察することができる。

上河原堰の上流に出ると、オカヨシガモとヒドリガモの群れの中に、カンムリカイツブリが1羽。真っ白な長い首が目立つ。対岸の広場では、消防署の演習?が行われている。  

今日は風もなく暖かい。カイツブリがキュルキュル…とさえずり、ボート乗りを楽しむ家族もいて、一足早い春を感じさせる一日だった。

観察できた野鳥は、カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、トビ、オオタカ、ノスリ、イソシギ、セグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ、ドバト、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

 

1月13日 大丸用水堰付近(33km付近左岸)

多摩川ふれあい教室の空き時間で多摩川観察。朝は薄曇り、日中は穏やかに晴れ、昨日に引き続き暖かな一日になった。

ハリエンジュ林前の原っぱには大勢の親子が遊び、水に入っている子どもたちまでいる。大丸用水堰の上流(左岸側)はすっかり浅くなった。開けているゲートは5門中3門だが、流れている水量そのものが少なくなったようだ。モトクロッサーが2人いて気になる。

 突然、羽音が聞こえるくらい近くにノスリが現れた。“これは願ってもない幸運”とばかりに双眼鏡を覗き込む。今年に入ってから多摩川でノスリに会えなかった日はないなんて!白っぽい両翼に目玉のような黒い模様、扇形に開いた尾もよくわかる。カラスが1羽、彼の存在に気付き追いかけ始めるが、ノスリは悠然と飛翔を続ける。ところが“応援”のカラスが次々と駆けつけ、ノスリは5羽の“敵”を相手に空中戦を挑む。アクション映画顔負けの展開にみんな見入っている。やがてノスリはたまらず中州のオニグルミに舞い降りる。すかさず5羽のカラスも同じ木に舞い降りる。カラスたちはギャーギャーとわめき立てるが、ノスリはピクリともしない。そのうちカラスは1羽、また1羽と去り、枯れ枝にはノスリ1羽だけが残った。

観察できた野鳥は、カワウ、コサギ、カルガモ、コジュケイ(声/対岸)、ノスリ、ユリカモメ、ドバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、ホオジロ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシブトガラス。

 

1月14日 上河原堰付近(25〜26km付近/左岸)

ワンドの工事が気になったので、車で出掛けたついでに多摩川に寄った。今日は月曜日だが祝日(成人の日)。でもショベルカーは忙しく働いている。思った通り、ワンドの上流側に堆積した土砂を取り除いていた。今後の経過を見守りたい。

今日はわずかな時間だったにも関わらず、ノスリばかりかハヤブサまで間近に観ることができた。すっかりバードウォッチングにはまってしまったが、野鳥を追い立てるような結果にはならないように気をつけたい。

 

1月15日 是政橋〜交通公園(31〜34km付近/右岸)

日本野鳥の会奥多摩支部の主催で「多摩川大丸堰周辺探鳥会」が行われた。

30名ほどの参加者は、みんな根っからの鳥好きばかり。文字通り「60の瞳」が多摩川の周りを360度見渡しているので、チェックリストはあっという間にいっぱいになる。今日も穏やかな晴れの1日。ポカポカ陽気に誘われて、梢ではホオジロが囀り始めた。大丸用水堰下流(左岸側)の砂利河原でバックホーが1台動いている。河床材料の調査が行われているようだ。堰上流の湛水域はカモたちの楽園。ピューと口笛を鳴らすヒドリガモがかわいい。でもパンダガモ(ミコアイサ)は今日も見られない。中州には釣り人が入っているが、オニグルミの木には今日もノスリの姿がある。広いオギの枯野はアオジたちの楽園だ。ドバトの群れが一斉に舞い上がる。ハヤブサにでも追われているのだろうか。大栗川の渡渉点は浅いが長靴は必要だ。交通公園前の芝生で昼食。

僕は午後から仕事なのでここまでしか参加できなかったが、一行は府中四谷橋まで歩くと言っていた。この後はどんな鳥たちを観ることができたのだろうか。

僕が確認できた野鳥は、カイツブリ、カワウ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、コガモ、カルガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、コジュケイ、トビ、ノスリ、イカルチドリ、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、キジバト、ドバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、シメ、ムクドリ、シジュウカラ、メジロ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

 

1月17日 多摩大橋〜拝島橋(44〜46km付近)

昨晩から冷たい雨がしとしとと降り、厳冬に後戻り。いや「寒の内」らしい寒さと言うべきだろう。昼過ぎになってやっと雨が止み、現地観察に出掛ける。八王子から八高線で小宮まで。“東京最後のローカル線”も、ついに1996年に電化されたが、今でも始発駅では扉を自分で開けて乗り込むのだ。駅から多摩川までは、10数年前にできた住宅街の中を通って、ゆっくり歩けば30分はかかる。

魚道建設を含めた日野用水堰の改築工事はまだ始まっていないが、対(左)岸でユンボが1台動き回っている。堰の上流はとても自然豊かなところで、いつもは多くの野鳥が観察できるのだが、今日は少ない。雨は上がったが、どんよりと曇っていてとにかく寒い。休日にはサバイバルゲーマーのたむろする清掃センター前には誰もいない。大型トラックが異常に多い国道16号に出て拝島橋を渡る。橋から上流方向を見ると水際が切り立っている。赤茶色の第3紀層が洪水で削られて、“ミニミニキャニオン”(かなり大げさだが)ができている。コゴメヤナギの大木群が目印の拝島自然公園にも誰もいない。

今度は左岸を下流へ。高水敷の不法耕作地帯(畑)がなくなったので、迂回することなく川沿いの小道を歩いてゆける。堰まで戻ると、さっきのユンボが何をしていたのか良くわかった。工事のための機材や車両などを堤内(街)から搬入するスロープをこしらえていたのだった。そこでは間もなく“ワンド”造成工事も始まる。昭島の市民団体が熱望している“水辺の楽校計画”が実現に向けて動き出すことになるのだ。休日には大勢の人と車がひしめく八高線鉄橋下も、今日は実に静かなものだ。左岸側の澪筋がほとんど干上がって、第3紀の河床が剥き出しになっている光景は、何とも不思議で表現しがたい。多摩川上流処理場の排水は温かいようで、湯気がたち、青草が茂っている。多摩大橋は車がビュンビュン通るくせに、歩道の幅は40cmほどしかないというとんでもない橋。景色を楽しむつもりなら命はない?!さすがに近々架け替えられるようで、地質調査が行われている(右岸高水敷)。橋をどうにか?右岸に渡りきり、日野駅行きのバスで帰路についた。

観察できた野鳥は少なめで、カワウ、コサギ、マガモ、カルガモ、トビ、セグロカモメ、キジバト、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシブトガラス。

 

1月20日 調布取水堰〜小田急線鉄橋(13〜23km付近/左岸)

多摩川の自然を守る会の定例自然観察会。

東急線の多摩川駅から、まず亀甲山古墳〜多摩川台公園へ。シメがみんなの目を楽しませてくれる。高台から「多摩川八景」の眺めを楽しんだ後、水際に出る。

水鳥は他と比較してヒドリガモが圧倒的に多い。対(右)岸には“ホームレスホーム“が立ち並び、その増加ぶりに改めて驚く。等々力緑地上流では、洪水で洗掘された岸の応急処置だろうか、右岸の水際に土嚢がたくさん積まれている。武蔵工大グラウンド脇の竹薮を通り抜けると、“東急ゴルフ場の渡し”がある。舟が通りやすいように、洪水で大きく変わった地形は整地されている。この辺りまで来ると、砂利の河原が目立って増えてくる。河口から15kmほどしかないことを考えると、多摩川が“急流”河川であることを実感する。野川合流点一帯の“中州”に繁茂していた草木は、洪水でほとんど流失した。また最近の減水のために、本川から野川に向けてつくられた分流は干上がり、少し上流側に新たな水路が開削されている。

兵庫島でユリカモメの大群を眺めながら昼食。親水池は水が抜かれ、底にたまった泥がすくい出されて、周りに積まれている。その工事はごく最近されたようで、積まれた泥はぐちゃぐちゃ。今後、どこまで整備が行われるのだろうか?それにしてもコンクリートで固められた親水池の底だけでも何とかならないものだろうか…

R246の新二子橋をくぐる。対岸にはパークゴルフ場やグラウンド、そして自然のままの河原。河川利用のあり方についてみんなで考えながら上流へ歩いていく。警視庁の交通安全指導センターでは、バイクの講習が行われており大勢のライダーが音をたてて走り回っている。だだっ広い目黒区砧総合運動場は、日曜にもかかわらず誰もいない。河川敷の広い面積が特定の活動と人のために占用されている現状がある。東名高速多摩川橋上流(左岸)は、洪水が来るたび大きく洗掘される場所だが、昨秋の洪水がまた強烈で、蛇籠の列は壊れ、5〜6mほどの崖になっている水際線は、グラウンドの中にまで入ってきた。

狛江水辺の楽校はすっかりきれいになった。洪水直後、辺りにはありとあらゆるゴミや大小の流木などが散乱していた。これらを片付けるのは容易ではなかったはず。地元ボランティアの方々の努力には本当に頭が下がる。付近の地形が洪水で大きく変わったことは、自然の川の力を学ぶことができる、ここの貴重な財産だ。河原には、本流とつなげた小さなワンドが掘られている。“じゃぶじゃぶ池”パート2といったところか。子どもたちが手軽に遊べるようにということだろうが、個人的には余計な整備に思える。もっともちょっとした増水でなくなってしまうだろうが…

自由広場まで歩いて解散。引き続き「狛江みんなの土手の会」の会合があった。狛江市内の多摩川の堤防天端は、さまざまな利用者が“共存”できるように、アスファルト舗装をせずに、あえて砂利のままにしてある。堤防上をサイクリング道路と位置付ける東京都の「武蔵野の路」計画が再び大きな問題になっている。

観察できた野鳥は、カイツブリ、カワウ、コサギ、マガモ、コガモ、カルガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、トビ、イカルチドリ、ハマシギ、イソシギ、セグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ、ドバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、シメ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシブトガラス。

 

1月21日 宿河原堰(22km付近右岸)

小雨は朝から降っていたが、午後3時頃、突然真っ黒な雲が広がり、雷を伴う激しい雨になった。荒れたのは短時間だったが、思った以上に多摩川は増水していた。宿河原堰では引上式ゲートと、起伏式ゲートの1門を開けて対応しており、茶色く濁った水がどうどうと音を立てて流れていた。増水した多摩川を見るのは昨秋以来久しぶりで、最近渇水気味だった多摩川が生き返ったようにさえ見えた。

今日は多摩川市民フォーラム第2(飲める水にする)研究会。いよいよ始まる「水流実態解明プロジェクト」の実施に向けて、市民として何ができるか、すべきかを話し合った。

 

1月26日 多摩大橋〜拝島橋(44〜46km付近)

多摩川センターが主催する「リバースクール」第5回(今年度の最終)講座。今回のテーマは、「多摩川の自然は…」。自然豊かな日野用水堰周辺の多摩川はいきものの楽園であるとともに、河川敷ではサバイバルゲームやラジコン飛行機などが行われている。魚道設置を含む堰の改修工事が始まり、「水辺の楽校」を目指す市民グループの提案によって、ワンドの造成工事も始まる。豊かな自然と人為的に復元していく環境。最終回ということで、リバースクールを通して感じた「多摩川らしさ」について、そして今後、川とどう付き合っていくかも考えた。

東京の天気予報は夕方から雪。朝から厚く雲が垂れ込め、しかもここは八王子とあって寒さは格別だ。集合地の小宮駅で、夕方までずっと外を歩くことになる参加者を前に、ちょっとだけ申し訳ないな…と思う。

アオジやツグミを観察しながら、駅から多摩川までの散歩を楽しむ。日野用水堰の改修工事の進み具合は、ぱっと見たところ17日とあまり変わっておらず、堰本体にはまだ手が付けられていない。もう1月終わりという割にはゆっくりかなという印象。土手際の民家で飼われている子牛と白い犬がかわいい。砂利で整備された斜面沿いに上流へ。粗大ゴミが放置されている。排水路を渡り、ハリエンジュ林を抜けると清掃センター前に出る。サバイバルゲーマーが10人ほど(今日は少ない?)行動中。辺り一面に散乱している白いプラスチックのBB弾の数は半端じゃない。拝島橋の上から多摩川を観察。第3紀層が露出している地形は、ずっと見ていても飽きない。それにしても赤茶色をしている。以前はもう少し黒っぽかったような気がするのだが、気のせいだろうか。流れている水の量は少ないが、底まで透き通って見える。この辺までの多摩川は、下水処理水の影響をあまり受けておらず、本当にきれいなのだが…

拝島自然公園で昼食。コゴメヤナギ林が残されているものの、周りは人工的な芝生の広場。今日は土曜日だが、寒さのためか僕らのほかにはほとんど人がいない。

午後は左岸を下流へ歩く。不法耕作地の撤去後は土の散歩道が続いているが、ここには近く昭島市が遊歩道を予定しているという。舗装されて“サイクリング道路”になってしまうのだろうか。カマキリの卵やホオジロ、コゲラ、カワラヒワなどの小鳥を観察。日野用水堰。工事車両用の通路は水際までできている。瀬替えをしたときに水を通す管(大きい)などの資材が置かれている。ワンド予定地を見学。2時から工事の説明会が行われるそうだが、まだ関係者は来ていない。

八高線の鉄橋下で、参加者は3つのグループに分かれて「多摩川らしさ」について話し合った。さまざまな意見が出されたが、みんなに共通していたのは、「大都市東京の中に残された身近で貴重な自然空間、そしてその多摩川をより良くするために大勢の人々が熱心に活動している(きた)」ということ。

3紀露頭の印象的な河原を歩いていくと、多摩川上流処理場の排水が本流に流れ込む。昭島市民プール前でまとめをした後、“危険な”多摩大橋を渡り、バスで日野駅へ。喫茶店に入り、暖かさにほっと落ち着く。みんなであたたかなコーヒーを飲みながら、これまでのこと、そしてこれからのことを思い思いに語り合い、すばらしい時間を過ごした。

 日が暮れると、予報どおり雪が降り始めた。

観察できた野鳥は、カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、コガモ、カルガモ、コジュケイ、イソシギ、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ジョウビタキ、ホオジロ、アオジ、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、シジュウカラ、ハシブトガラス。

 

1月28日 羽田〜六郷橋(1〜6km付近/左岸)

多摩川と語る会「第22回多摩川ウオッチング〜多摩川左岸の河口と干潟のみち」に参加。

川崎側から大師橋を渡って、左岸(東京側)の河口へ。干潟とヨシ原が広がる右岸の景観とは対照的に、漁船の係留された岸壁が続き、漁師町を思わせる。しばらく行くと海老取川(といっても運河だが)の合流点。穴守稲荷に参拝して、境内で昼食。隣には羽田らしくJALの訓練センターがあり、お揃いの制服を着たパイロット?たちが通り過ぎる。

“六郷干潟”に着くころには、かなり潮が満ちてきた。ユリカモメとオナガガモの大群。給餌をする人がいると、たちまち大騒ぎがおこる。何の調査だろうか、足輪をはめられたセイタカシギが1羽。最近中流部ではぱったり見かけなくなったホシハジロもたくさんいる。一方中流部で繁栄?を誇っているヒドリガモはほとんどいない。

六郷橋を渡って稲毛神社〜川崎駅に向かうという一行と別れて六郷土手へ。

観察できた野鳥は、カンムリカイツブリ、カワウ、コサギ、ダイサギ、コガモ、カルガモ、ヒドリガモ(少)、オナガガモ(多)、ホシハジロ、キンクロハジロ、トビ、オオバン、セイタカシギ、セグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ(多)、キジバト、ドバト、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、オオジュリン、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。