第117回日本外来小児科学会報告 2014. 4月  名古屋 

 

@ 鳥インフルエンザH7N9

生きている鳥から人へ直接感染する。中国では生きているニワトリを買ってきてその場で殺すので、感染しやすい。日本の様な販売方法では感染のリスクは少ない


A 誤った情報の不幸

横紋筋肉腫の30代女性、インターネットで陽子線治療が良いとの情報を信じ、適切な化学療法を受けず、全身に転移してしまった。


B ADHD(注意欠陥多動障害)の発症年齢の定義

ADHDの発症年齢の定義が7歳前から12歳前に変更になりました。


C 子宮頸がんによる死亡

日本では1970年には1500人だったのが、2012年には2700人。他の先進国はワクチンが普及し、減少している。先進国で増加しているのは日本だけ。CPRS(複雑な痛みを訴える症状)は思春期女子特有の痛みの反応が原因と思われ、ワクチンによる副反応とは断定できない。


D 酵素補充療法

代謝疾患のポンペ病、ゴーシュ病、ファブリー病、ムコ多糖症、低ホスファターゼ症など、いままで治療法がなかった疾患に治療法が見つかっています。


E 不登校

全国で11万人。中学生では39人にひとり。絶対数は減っているが、割合は減っていない。原因としていじめがいわれているが、実際は2%。情緒不安定が26%、人間関係が15%、学業不振が9%、などが主な原因。最初は身体症状(頭痛や腹痛など)を訴える。原因追究したり、「悩み事はないの?」と最初から聞いたりするのは良くない。登校刺激は避けるようにといわれていたが、そうとは限らない。


F 停留精巣:1歳で1%。今では3−9か月の固定術が望ましい。移動性精巣は手術不要。
G 包茎:尿線不良の時は、ステロイド軟膏を塗ってなおす。<チンチン痛い>というときは包皮炎のことが多い。包皮剥離は禁忌。

H 2次性徴の目安

男子:10歳で精巣が3mlをこえる、11歳で身長がグットのびる、12歳で恥毛出現。
女子:9歳で身長がグット伸びる、10歳で乳房腫大発現、11歳で恥毛出現、12歳で初経。