第116回日本小児科学会報告 (2013.4月、広島) 

 

最新の知見で、皆様に役立ちそうなことを報告いたします。

 

@ 漢方薬の医療が進歩しています。

夜驚症、音声チック、乗り物酔い、冷え症など、ご相 談ください。アトピー性皮膚炎、ADHDも従来の治療に漢方を加えることで、症状を緩和することができます。

 

A けいれん重積:定義は30分以上続くけいれんです。

ご家庭では、5分以上続いて軽くなる気配がない時はさらに続くことが多いので、救急車を呼んでかまいません。(時計をみて持続時間を確認してください。)ダイアップ座薬をお持ちの時は、お使いください。

 

B タンデム・マススクリーニング:生まれて数日後に先天性代謝異常の検査をしたことと思います。少量の血液を採って、紙にしみこませて検査します。この対象の疾患が6から25に増えることになりました。埼玉県では2012.4月から行われています。まもなく沖縄県以外の全国で行われるようになります。これにより、発見される病気が増え、赤ちゃんの突然死や原因不明だった脳炎脳症を減らせます。

 

B 食物アレルギー:<食べられる範囲まで食べる>が基本。アレルギーの原因をその食品と考えるより、その中の成分を考えます。ピーナッツでアレルギーが出たからカシューナッツで出るとは限りません。食物アレルギー+アトピー性皮膚炎の人は、秋(1012月)生まれに多く、春(46月)生まれには少ない傾向があります。乳児湿疹の赤ちゃんは、食物アレルギーを心配するより、とにかくステロイド軟膏などで皮膚を良くすることが大切です。それにより、腸管粘膜のアレルギーも出にくくなります。

 

D 皮膚疾患のレーザー治療:レーザーでなおる病気が増えています。太田母斑や血管腫はかなり良くなります。扁平母斑には効きません。脂腺母斑や色素性母斑などは7歳まで待って、局所麻酔で切除すると良いです。

 

                       平井こどもクリニック

 

                       院長 平井 克明