Silver Moonティーダはゆっくりと、夢の中から抜け出すようにして目覚めた。
頭の中の重さが段々と薄れて行き、目を開いた時には意識がはっきりと戻っている。
心臓がドキドキと脈打っている事に気づくのと同時に、身裡に残る疼きのかけらを感じていた。
そして隣に寝ているアーロンの姿を見たときに、その疼きの正体を思い出してしまう。
鼓動の激しさと共に酷い喉の痛みを覚えたティーダは、そのまま水を飲む為にベッドを抜け出した。
漸くの事でベッドに倒れ込む前まで、そこで繰り広げられていた行為の名残のように、
床の至る所に服が投げ捨てられているのが目に入る。
やや広く開けられたブラインドを通して、冴え渡る様な月が覗いていた。
その柔らかく輝く銀貨の様な月の光は、ベッドに横たわるアーロンの体の上に滑るように注いでいる。
薄っすらとヒゲの生えた顎の線と、男を感じさせる荒々しい喉元を照らして、
鎖骨の上に深い影を形作ったその光は、広い肩に浮かぶ血管までも映し出している。
目の前に横たわる体から視線を逸らすことができないまま、
月の光に誘われるようにして、ティーダは更に目を凝らしていた。
発達した上腕が筋張った腕に繋がる様や、それに続く無骨そうな手の形を、
滑らかな月の光がくっきりと照らし出している。
力強い癖に、この上もない優しさを秘めたその手は、平らに引き締まった腹筋の上に置かれている。
それを見つめるティーダの脳裏には、眠りに就く前まで晒していた、自分の狂態が甦っていた。
物音が全く聞こえないように静まり返ったその晩は、
夜空を包むような満月の光が、煌々と降り注いでいたのだった。
部屋に入った途端、ティーダは背後から強い力で抱きすくめられた。
そのまま壁際に押し付けられると、アーロンの唇がティーダの髪に触れ、
吐息と共に囁きがくすぐるようにその中を通り抜ける。
「お前が欲しい」
首を捻ったティーダの目の端に、アーロンの欲情に輝く瞳が映った。
ティーダがふと、からかう様に口にする、
「らしくないじゃん、アーロン。何時もクールで自分の思ってる事なんて、
めったに口にしないくせに」
アーロンはそんなティーダの言葉を無視して、指で金色の髪を梳き始める。
そうする一方で、もう片方の手をシャツの下に忍び込ませると、手の平で胸の突起を円を描くように愛撫する。
乳首が硬くなって行く感覚の、熱に疼くような刺激が背筋に広がると、
思わず開いたティーダの唇の隙間からは、ピンク色の舌が小さく覗くように見えた。
軽く仰け反るようなティーダの首筋を、アーロンの舌がゆっくりとした動きで這い降りるにつれて、
壁に突いたティーダの両手が身動ぎするように震えた。
熱い吐息が零れると、ティーダは自らの腰をアーロンの体に擦り付けるようにする。
「ん・・・ねぇ、キス・・・して・・・」
甘えるように囁き、背後のアーロンに腕を伸ばすと、両手を首のつけ根に回していた。
アーロンの片手が伸びると、ティーダのジーンズのジッパーを開けて、ジーンズを引き下ろし始める。
その間もう一方の手は、ティーダの胸の突起を挫くように軽く摘まんでいる。
「ぁん・・・キスしてよ」
荒くなって行く呼吸を抑えるようにして、ティーダが尚も言い募る。
そんなティーダの言葉など耳に入らないかのように、
アーロンがティーダの穿いているジーンズを、膝の上まで引き下ろすと、
中途半端に留まったジーンズが、ティーダの足の動きを不自由にしてしまう。
下着までずらされると、剥き出しになったティーダの腿を、見かけよりも器用に動く指が、ゆっくりと這い回りはじめた。
腿の裏側を撫で下ろした手が前に回ると、内腿の敏感な部分をくすぐる様に這い上がって行く。
そのくせ、硬く立ち上がりはじめた部分のすぐ脇まで辿りつくと、
焦らすようにその先端を掠めただけで、そのまま這い降りて行く。
「・・・はっぁ・・・あ・・・」
思わず漏らした喘ぎに被せるようにして、アーロンの低い声が降って来る。
「そんなにあわてるな・・・」
云いながら、微かに震える首筋に軽く歯を立てる。
「ぁっあ・・・ん・・」
ティーダの肌が粟立つと、体から力が抜けてゆく。
崩れ落ちそうになるティーダの上体を支えるようにしながら、
アーロンの手が尚もティーダの乳首を刺激し続ける。
ティーダが首に回していた腕を、アーロンの硬く勃ちあがる部分に伸ばした時、
アーロンは壁際に押し付けていたティーダの体を引くと、くるりと自分の体ごと向きを変えてしまった。
そうしながら、ティーダの体を床にむけて突き倒すようにした。
引き降ろされたジーンズのせいで、足が縺れたティーダは、そのまま両手を床に突いて四つん這いになっていた。
あっと思う間もなく、アーロンがその上に覆いかぶさると、ティーダのシャツを捲り上げていた。
そして剥き出された尻を、平手でぴしゃりと叩く。
じーんとする痛みを感じると、次には尻の窪みを伝って、指が滑り込んでいた。
そのまま蕾の位置を探り当てた指は、そこを掻き分けるようにすると、そろそろと侵入し始める。
ティーダが異物感を覚えたのはほんの最初だけで、じりじりと挿し込まれた指を根元まで咥え込んでしまうと、
体が反り返るような剥き出しの感覚を探り当てられた。
滑るように動く指がその一点を擦り上げる度に、床に突いた両手を踏ん張るようにして、ティーダの腰が蠢いてしまう。
「ん・・・んぁあ・・・」
触れられてもいないのに、今や反り返り切った芯からは、透明に光る雫が溢れ出て、
腰の動きにつられて揺らめく度に、今にも先端から滴り落ちそうだった。
アーロンは指を引き抜くと、その潤い切った先端から零れる露を掬ってから、またもやその指をティーダの秘所に突き立てる。
更に、もう一方の手がティーダの前に回されると、痛い程に張り詰めたその根元をきつく握り締めてきた。
そうしておいて、理性の飛んだ呻き声を上げるティーダが、絶頂に達する気配を見せる度に、
アーロンは、 わざとその指を引き抜いて焦らした。
そして次には指を一本増やすと、又同じようにしてティーダの内部を掻き回し続ける。
月の光が照らし出す寝室には、嬲り立てるアーロンの指が動くにつれて、
ピチャピチャという粘液の音に混じる、ティーダの啜り泣く声が聞こえていた。
ティーダは、四つん這いにされたまま、哀しげに許しを請う声の合間に、
アーロンの指が引きずり出す快楽を求める喘ぎ声を上げ続ける他なかった。
床を掴む様に握り締めた両手を震わせながら、さんざん啼かされて、
声の枯れ切ってしまったティーダが、背後にいるアーロンを肩越しに見上げた。
そうして狂おしく腰をくねらせると、掠れた声で何度目かの哀願をする。
「・・・あぁぁ・・・もぅ・・・いかせて・・・」
潮時と見たアーロンが、ぬめる音をたてて指を引き抜くと、自らの猛るような雄をあてがい、一気に腰を進めた。
「くっ・・・はぁっ・・あっ」
奥深くまで貫かれたティーダが、掠れた悲鳴を上げると、アーロンが遠慮のない動きでティーダを追い立て始める。
そして二三度激しく揺さぶられると、さんざん弄られ尽くされたティーダが、
背を反らせるようにして、あっけなく白濁した精を吐き出していた。
「あっぁあ〜・・・」
それでも、アーロンの動きは止まなかった。
「あっ・・・アーロン・・・や・・だって・・・やめてよ・・・」
激しく突き上げられ、前にのめりそうになりながら、
ティーダの頭がだんだんと下がって行くと、とうとう床に着いてしまった。
アーロンの両手が、沈みそうになるティーダの腰を引き上げ、なおも執拗に攻め立てる。
腰を高く掲げたまま貫かれるうちに、ティーダの雄が、知らぬ間に硬さを取り戻し始めていた。
果てることのない熱を孕んだその部分が、疼くように快感を求め、
ティーダの中心を貫くアーロンの熱に導かれるように、見る間に勃ち切ってしまう。
「お前のここは、嫌がっていないようだな・・・」
アーロンが意地悪く云うと、喉の奥で低く響く笑いを漏らす。
そうして伸ばした手で、ゆっくりとティーダの芯を扱き始める。
的確に快楽を搾り出すような指の動きに煽られて、波のような恍惚感がティーダの全身を飲み込んでいた。
「ん・・・ん・・ぁ・・いや・・・」
振りほどこうとしても、アーロンの腕ががっちりとティーダの腰を掴んで、
焼け付くような中心に更に熱を送り込んでくる。
ティーダが最後に登りつめた時には、体がガクガクと震え、
アーロンの雄を咥え込んだ内壁が、きつく締め付けるようにすぼまっていた。
それを見届けたアーロンは、長く深いため息と共に、ティーダの中に放っていた。
そしてティーダは、心臓が破れそうに脈打つ中、目の前が霞むと、そのまま意識を失ったのだった。
冷たい水の入ったグラスを、痛む喉に押し当てるようにして、ティーダはベッドの端に腰掛けていた。
銀色に輝く月の光の中で、瞼を閉じたアーロンの顔に影が差している。
「・・・まったく、加減ってものを知らないオッサンだよな」
呟いてふと、キスをせがんだのに、行為の途中で一度も口づけを交わさなかった事を思い出す。
感じたいのは快感だけじゃないのにな・・・。
そう思いながら、水で冷やされた唇を、アーロンの暖かい唇に寄せていた。
すると、眠っているとばかり思ったアーロンの唇が、ティーダに応える様に動くと、
静かな呟きを漏らす、
「満月は人の中にある狂気を誘うと云うな・・・」
そしてそのまま、ティーダの体に深く腕を回して抱き締めると、窓のブラインドを閉じた。
中天には、寝静まった街並みを見下ろすように、銀色の月が煌々と輝いていた。
「Distant Memories」のBath'n' Well様から頂いた小説です。
そもそもの事の始まりは、うちの裏にUPした絵にお話しを付けたいと言う
有り難いお言葉を掲示板に頂き、「是非に読みたいです!」とお返事を
したらこんなにも素敵な小説が返ってまいりました。
もう〜最高に素敵にエロ!あ…エロだけじゃあなくて、アーロンが
とっても男臭くて好みのど真ん中。ティーダも〜色っぽいやら可愛いやら。
小説を読んだ瞬間、「好きだぁ〜!」と絶叫しそうになりました。
自分の描いたイラストにお話しを付けて貰えるのって、ホントに
絵描き冥利につきちゃいます。しかもこんなに素敵な小説をだなんて。
あ〜ん、ありがと〜。とっっっっても嬉しいです。
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