「な、何をさせる気!」
詩織は、保健という言葉が気になり、反論する。
理恵はその詩織を完全に無視すると、カバンから教科書を取り出す。
「高橋知ってた? 男と女で、保健の教科書違うんだよ。」
そう言いながら、該当のページを開くと高橋に見せる。
「うわ。すげ。」
そのページは、写真ではなく漫画ではあったが、女性のからだの仕組みが詳細に記載されている。
女性の断面図や機能が掲載されていた。
さらに、次のページには、性交の仕組みや、青少年のための性が、書かれている。
理恵は、無造作に詩織にそのページを確認するように促す。
「漫画じゃ良く判んなかったから、先生。 自分の体で説明してね。私たち生徒探すから。」
無茶苦茶な要求だった。
”こ、これを説明...”
この子達にまじめに教育することなんてできる訳なかった。
「せ、先生、保健の事は....」
逃れようと詩織は試みるが無駄であった。
「高橋、空いてる教室探して。」
理恵は実行に移すつもりの様であった。
「み、みんなを呼ぶつもり!!約束が違う...」
全ての衣服を奪われている。
この格好を、生徒たちに見られるわけにはいかなかった。
「絶対にしないわよ先生。」
詩織は頑なに拒むつもりだった。
理恵は、そんな詩織を生徒を諭すように話す。それはまるで生徒と教師が逆転したかのようだった。
「どうせ断れないでしょ、詩織先生。 生徒っていっても、5,6人だけだもん。」
含み笑いをしながら、理恵は続ける。
「学校全体とか、先生の家の周りに、今までの画像や録画をばら撒かれたら生活できなくなるわよ。
私たちだって、普通に考えてこんな事みんなにばれたらやばくなるでしょ?」
「5,6人が卒業するまで、影笑いされるぐらい我慢するしかないでしょ?」
最後は圧倒的だった。
”この子....”
詩織は絶妙に計算された理恵の説明にうなだれる。
理性で考えればその通りであった。
羞恥を我慢すれば、理恵に従うしかない事は理解できる。
ただ、この子たちに裸体、しかも局部をあからさまに嬲られることは目に見えている。
本能は拒否反応を示した。
「ゆ、許して....お願い理恵さん。」
詩織はもはや謝ることしかできなかった。
「謝られてもこっちは何の得もないでしょ? このまま帰ってばら撒かれるのを待つか、
授業させてくださいってお願いするかどっちにするの?」
理恵は、一歩も譲らなかった。
「許して...許して....」
詩織は、全裸にもかかわらず、汚い便所の床に崩れ落ちてしまった。
”決断なんてできない...”
自分を教材に保健の授業をするなんて決断することなどできなかった。
「もう大人でしょいい加減観念しなさいよ。 返事しないなら、ばら撒くから。」
理恵は最後通告をする。
「....」
崩れ落ちた詩織の中で心の葛藤が始まる。
そんな葛藤は、理恵には通じない。
「もういいわ。高橋。ばら撒く写真用意しましょ。」
理恵は高橋に終わりを告げると、全裸の詩織を残したまま、本当にトイレから出ようとする。
「ま、マジでおしまい?ばら撒くんか?」
高橋が驚いたように詩織と理恵を交互に眺める。
「そうよ。 いい加減、こいつムカつくもん。こっちを舐めてるのよ。制裁してやる。」
怒気をみなぎらせた理恵は本気のようであった。
「ま、まって!!」
詩織は理恵に下るしかなかった。
”恥ずかしい事させられるのよ...”
本能が、詩織に訴える。
ただ、悪意のない普通の生徒たちにまで自分の恥ずかしい写真を晒す訳にはいかなかった。
”好きに遊べばいいわ。 私の体で...”
詩織は脳裏に、理恵たちが嘲笑する中で、自分で性器を拡げ、羞恥に震える自分を想像する。
幸い高橋や、理恵は、3年生であった。もうすぐ冬の季節になる。
”あと数ヶ月...”
詩織は理性で、自分の羞恥を抑える決心をする。
”この子たちに恥ずかしいと思われないよう、飽きられるように、堂々とやれば早く解放される”
本能は”そんなことできるの”と問いかけるがやるしかなかった。
”飽きられれば言いのよ”
詩織は口を開いた。
「まって理恵さん。 先生保健の授業するわ。」
詩織は理恵に下った。
「あらそう。それじゃあ今から...3Aのクラスに来てね。生徒集めて待ってるから。」
理恵は何の関心も持たず、身を翻すと、高橋を引き連れトイレを後にした。
トイレに静寂が戻った。
詩織は周りを見渡す。
汚水に浸けられ必死に濯いだ洋服が洗面台に載っていた。
高橋に腐ってるといわれたショーツは、便所の床に投げ捨てられ、不運にも、高橋に踏みつけられていた。
”き、着なきゃ...”
全ての衣服と下着は、既に着れる状態ではなかったが、全裸で校内を歩くことなどできなかった。
清潔好きな詩織にとって許せることではなかったが、仕方なくショーツを拡げる。
そして、足を通す。
ブラや濡れた服は必死に絞り直し、少しでも乾かすが、身に着けると、
ずっしと重く、冷たかった。
”このまま逃げ出したい....”
詩織はそう思うが、逃げることはできなかった。
少し気を落ち着かせようとする。
”ひ、酷い....”
手洗いの鏡に映った自分の姿は、濡れ鼠のようだった。
それでもとぼとぼと、廊下に向かう。
詩織が思っていたよりも時間は過ぎ去っていたようだった。
夕暮れになっており、校内に人影は無かった。
それだけに、廊下に自分の足音が響き、寂しさが募った。
ほとんどの教室は明かりが消えている。
気味が悪いほどだったが、詩織はこれから身に振りかかる事でそんなことを考える余裕は無かった。
階段を登ると、光が漏れる教室があった。
それが、詩織の目的地3Aだった。
ばれない様に、そっと中を伺う。
教室には、高橋と理恵を含む6人の生徒がいた。どの生徒も、素行が悪く扱いが難しそうな子たちであった。
詩織の鼓動が高まる。
”恥ずかしがっちゃ駄目。 相手を喜ばせるだけ”
必死に自分に言い聞かせると、教室の入り口を開けた。
引き戸の開閉の音に、生徒たちが振り返る。
「ま、マジで!」
何処まで知らされてるのか、本当に詩織が教室にやってきたことに驚いている様だった。
理恵も高橋も何も言わず、にやにやしながら、詩織を眺めていた。
「り、理恵さんの要望で補習をします。」
詩織は羞恥で死にそうだったが、あくまで教師を貫くつもりだった。
”保健だって授業と思えば..”
詩織は羞恥の教壇に立った。
「理恵さん。判らないところは何処ですか?説明します。」
詩織はとりあえず、理恵に確認する。
「25ページの図3」
単純な答えが返って来た。
「25ページの図3で....す..ね。」
詩織は教科書を開けて愕然とする。予期していたとは言え、いきなりの図であった。
そこには女性の下腹部の断面図が記載されており、各器官に矢印が向けられそれぞれの名称があった。
「a..aから説明します。」
詩織は必死に冷静になると、授業を開始した。
「aは陰毛と呼ばれ各器官を守るためにあります。
bは、外陰唇と言い性器を覆うための皮膚です。
cは、陰核で、敏感な場所です。
dは...」
詩織は羞恥に顔を赤くしながら、教科書を読み上げる。
まだ大学を卒業したばかりのしかも美貌の詩織が、読み上げるには苦難の文字であったが、
理恵は、いつもどおり冷静に反応した。
「先生。絵が解りにくくって。実物で説明してもらえません。」
通常ではありえないお願いであった。
”き、来た...”
詩織は覚悟を決めていたとは言え、教壇で立ち尽くしてしまう。
「....」
教室に静寂が流れる。
「理恵。やるわけねえだろ?」
一人の男子生徒が静寂に耐えれなくなったのか、顔面を蒼白にしている詩織と、理恵を見比べながら声を挙げた。」
理恵は相変わらず冷静にその男子生徒に答える。
「そうよね。先生が教壇で股拡げるわけないわよね。 ごめん。帰りましょう。」
理恵はそう言いながら、詩織を睨むと笑った。
詩織は生きた心地がしなかった。
理恵の最後の笑みの意味は明らかだった。
「せ、先生...教える..わ..」
詩織は教壇の上から一番言いたくない事を言わされたのだった。
詩織の上ずった声に生徒達は驚きの表情をする。
ただ、誰も声を挙げる者はいなかった。
「理恵さん。約束は守ってくれるのよね。」
最後の賭けであった。
全てをここの生徒達に貶められた上、結局写真もばらされるのはご免だった。
「解ってるわよ。ここのメンバーだけの秘密にしてあげるわ。卒業まで我慢しなさい。」
理恵が詩織に答える。
「ほ、本当ね...」
詩織が答えた時だった。
「くどいわね。当たり前でしょ?こんな楽しい玩具、卒業まで楽しまない理由がないわ。」
とんでも無い理由であった。
ただ、詩織はそんな理由でも受け入れる他なかった。
そして詩織は教壇に座った。
神聖と思っていた教壇の段差は、自分の見せにくい場所を露にする場所にうってつけだった。
”....こんなために教師に...”
詩織は6人の生徒の前でタイトスカートを捲りあげる。
ストッキングは、先ほど理恵達に汚されたため身に付けていなかった。
高校生には眩し過ぎる艶かしい詩織の太ももが現われ、その奥にもう純白とは言えないショーツが見え隠れしていた。