男性内定者と、百合は、そのまま移動を開始した。
中型の貸切バスに乗り込む。男性内定者は、何も言わず、奥から詰めてくる。
必然的に、採用担当者の女性と、百合は、隣合わせで着座した。

バスが、施設に向かい発車する。
そんな中で、採用担当者が、呟いた。
「百合さん。本当に良いの?」
その呟きに、百合は何も答えられなかった。が、最後の担当者の言葉が、厳しかった。

「自分で決めたことですからね。 会場で、お医者様に迷惑を掛けないで。
病院にお願いして、毎年、格安で受け持ってもらっているの。来年の事も考えてね。」

その命令とも思える要望に、百合は、何も言えず、うなずいた。
バスが、会場に到着する。
そこは、公民館に併設された小さな体育館だった。

百合を含めた内定者7名が、会場に入る。
”何も無い....”
それが百合の感想だった。

体育館には、所々に、計測器が設置されている様子が一瞥できる。
それは、何も隠すことができない事を意味していた。
準備室のような部屋があったが、そこには医師控え室とあり、更衣室など無い様だった。

百合たちは、体育館の端に集められる。
その脇には、10ほどの鉄製のロッカーが、並べられていた。
「それでは、ロッカーに検査着とが入っていますので、着替えてください。」

採用担当者は、努めて普通を装っているようだった。
「私は、先生を呼んで参ります。」
そう言って、医師控え室に向かった。

男子生徒たちが、ちらちらと、百合の方を見る。
それでも、一瞥するだけで、ロッカーに向かって言った。
”き、着替えもここ?”
百合は自分で決めた事とは言え、現実に、男性の前で、着替えを行わなくてはならないことに恥かしさを覚える。

そんな時、、ロッカーを開けた男子学生から、「まじ?」という声が聞こえる。
その意味は、百合も、ロッカーを開けることで理解した。
ロッカーの中には、水色のワンピースとガウンの合いの子のような検査着があった。

”こんなの1枚?”そう思ったのもつかの間だった。
ロッカーの扉の裏に、恐ろしい指示が記載されていた。

*アクセサリー、靴下、下着等は、身に付けず、検査着のみを着用の事。
”ぜ、全裸に、これだけ?”
百合に恥かしさがこみ上げる。

周りをちらっと見ると、行動の早い男性が、既に、検査着を上からかぶり、なにやら、ごそごそしている。
百合は慌てて、目をそらした。
その男性の衣服の裾から、男が、自分のブリーフを取り出したからだった。

”わ、私も早くしなきゃ”
百合は、羞恥を堪えながら、リクルートスーツの上着を脱ぐ。
着替え終わった男性の視線が、自分に向いていることが解った。

ただ、凝視するわけではなく、いわゆるチラミ状態で、文句も言えない。
百合は、何も言い返せず、ブラウスとスカートを着たまま、検査着を羽織った。

百合は、なるべく隠すように、
検査着の下で、ブラウスをうまく抜いた。
女性なら、よく経験する絶対に見られない方法で、スカートも脱いだ。

そして、百合の手が固まる。
後、身に付けているのは、下着と、ストッキングだけだったからである。
”み、見せたくない...”

裸を見せることではなかったが、自分が、身に付けていた下着を男性の前で、脱ぐことが恥かしい。
それでも、百合は、必死の思いで、ストッキングと、ショーツを脱ぐ。
同僚の視線が、チラ見から、凝視に変わる。

百合の長く、細い足から、白いショーツが、引き下ろされる姿は、男達にとって、
その辺の女性の全裸より、刺激的だった。
しかも、ショーツを足から引き抜く際、どうしても、百合は、前かがみになる。
薄い検査着に、百合の臀部が押し付けられ、双丘のように、小ぶりの尻の形が手に取るように解った。

”見ないでよ...”
百合は、視線を集めている自分のショーツを畳む暇も、与えられなかった。
視線からどかすように、直ぐに、ロッカーに仕舞う。

そして最後の難関だった。
ブラを外すことは容易だったが、こんな薄い着衣では、胸の見せたくない場所まで、透けてしまう。
誰にも見られない角度で、すばやくブラを外すと、胸を隠すように、腕で覆った。

全員が、着替えを終えた頃、採用担当が、医師を連れて戻ってきた。
「今日、お世話になる吉田医師です。」
このとき、吉田と、百合の視線が絡みつく。

”よ、吉田!”
百合は、自分の立場が、さらに悪くなっていくことに恐れおののく。
このとき、吉田も驚いていた。
その驚きを、採用担当者の女性は、勘違いしたのか、へんな言い訳をする。

「せ、先生、聞いていませんでしたか?  急遽女性が、1人診察を受ける事になっておりまして...
こちらのミスで、すみません。本人も、今日は、プライバシーに関しても納得しておりますので...」

この時、吉田の口元が、怪しく上がった事に、気付いたのは、百合だけだった。
”よ、吉田...変な事しないでよ!!”
百合は心の中で叫んだが、吉田は、別の事を叫んでいた。

”去年、僕を辱めた借りは、今日、返させてもらうからな...”
そんな事は、誰も気付かなかった。
吉田は、心の声を実行に移し始めた。

「担当者の方。私もかまいませんが、本人も納得されているのですね。後で、訴えられるのは、困るので。」
吉田が、担当者に確認する。
「そんな事はありません。  ねえ白木さん。」

担当者は、百合に確認を行う。
「...はい。」
採用担当者の手前、肯定の返答しか許されなかった。

吉田は、担当者に、さらに詰め寄った。
「途中で、泣かれたり、逃げ出したりすると、こっちもなんか、悪いことしてるみたいだから嫌なんだけど....
そんな事になったら、来年は、別の医院に健康診断を受け持ってもらってくださいね。」

吉田は、百合の変わりに、採用者を暗黙に脅す。
「そ、それは困ります。責任を持って私が対応しますので。」
担当者は、来年も安い費用で、検査をしてもらわなければならなかった。

「解りました。それでは、皆さん宜しくお願いいたします。」
吉田が、学生達に会釈をする。
「お願いいたします。」

全員が声をそろえる。
百合もまた、口に出して、吉田の言いなりになることをお願いするしか無かった。

「それでは、最初にカルテを作ります、体重、身長、体脂肪、胸囲、座高等、を計測ください。」
そう言って、計測機の前に、全員を集めさせる。

各、計測器の前に、椅子が10ほど並んでいる。
機器の袖机に、吉田が座り、初めの男子に、簡単な説明をした。
「解りましたか?」吉田が、男性に声を掛ける。
大した作業では無く、「はい。」と男性が返答する。

計測は、自分で行う方法だった。初めの男は、全員に見守られながら、自分を計測していった。
「身長171、体重86........」
その数値を吉田は、カルテに書き込んでいく。

その様子を見ていて、固まったのは、百合だった。
”こ、これを私もやらなくちゃいけないの!”
行為も、自分の体型を読み上げるのも嫌だった。

しかし、男性全員が、計測を終え、百合の番になってしまう。

胸のふくらみと突起を見せないように、計測機に近づく。
初めの計測器は、身長計のようだったが、同時に、体重、体脂肪が計れるものだった。
”嫌....”
百合は、そう思ったが、許されるわけも無かった。
身長計に挙がると、待機している男性達と、向き合う方向だった。
当然のように視線が百合の胸元に集まった。

腕で、胸を隠しては、いるが体脂肪を計るために、金属バーをこれから、握らなければならなかった。
百合の顔が、見る見る羞恥で赤くなっていった。
”早く終わらせちゃおう...”

百合は、胸から腕をどけ、金属バーを握り、計測スタートを押す。
「うぃーん...」
上から降りてくる身長を測るレバーの降下速度が、異様に遅く百合には感じられた。

目の間の、同期達とは、視線が合わない。
なぜなら、全員の視線は、百合の胸元を凝視していたからだった。
”は、恥かしい.....”

百合の豊かな胸は、薄い布、一枚では、到底隠しきれるものではなかった。
Dカップを越えそうな胸と、締まったウエストは、その辺のグラビアモデルでも敵わないほどであり、
グラビアモデルと違うところは、さらに、胸の先端に、ちいさな突起が息づいていた。

”そんなに、ずっと見無くても.....”
百合の顔は、赤面する。
皆、声を挙げたりは、せず、静粛に待機していたが、視線は、百合に奪われていた。

長い時間と思われた計測が終わる。
「身長162、体重...46..体脂肪...18です。」
女性が、自分の体型を披露するのは情けないが、百合は、どうにか声を挙げる。

そのまま、さらに嫌な計測に入った。
一度見られてしまったとはいえ、百合は、また胸を隠しながら、座高計に座る。
”...!!”

検査着の裾は、短く、椅子のような座高計に座ると、膝上まで、検査着が捲れてしまう。
百合は、必死だった。
胸を隠しながら、膝も、押さえる。

当たり前だった。
ショーツが見える処では無い、この検査着の下は、何も着用を許可されていないのだった。