”どうして...どうしてこんなことに。”
百合は、とぼとぼと、絨毯敷きのフロアをエレベータに向かう。
業界トップの会社であり、本来この会社に就職できることは喜ばしいことだった。
就職を断ることもできず、内定式に向かうしかなかった。
百合は、101会議室に向かう。
エレベータの中や、1Fのフロアでは、輝いて見える先輩社員が忙しそうにしていた。
”私もこんな風に働けるのかしら”
リクルートスーツを着ている美貌の百合は目立つのか、社員たちも百合に視線を送ってくる。
その視線は、初々しさを応援するような視線であり、百合の入社経緯など知っているはずも無かった。
”そう...専務にさえ逆らわなければ誰も知らない”
百合は自分にそう言い聞かせた。
101会議室には、大勢の内定者が集まっていた。
まだ、採用室の面子はおらず、内定者だけであった。
1次採用の子達は今までに数日の研修を既に行っているようで、
ほぼ顔見知りのようだった。女子社員も1/3ほど混じっており、既に後ろで雑談している。
テーブルには三角コーンが乗せられ、氏名が記載されていた。
百合は自分の席がどこか探すが、なかなか見あたら無かった。
「2次採用?」
女子の一人が百合に声を掛ける。
「はい。」
百合が答えると、女子社員が集まってくる。
「席が見つからないの? 配属希望は、営業部?総務部?」
優しい言葉だった。
”ど、何処採用....”
希望は、デザイン部であったが、本当に配属されたかどうかは百合には確認できていなかった。
「まだ、確定してなくて....」
どうとでも取れる返答をする。
百合のネームプレートを見た子が、直ぐに席を見つけていた。
「百合さんの席はここみたいよ。」
その席は最前列の一番端だった。
百合が自分の席に着席すると同時に、人事の担当が会議室に入ってくる。
「内定式を始めます。」
その言葉に、全員が緊張の面持ちで席に付くと静寂が会議室に訪れた。
「まずは専務から祝辞の言葉を賜ります。」
人事担当者が、坦々と進行させる。
この事からも、専務の会社における立場が百合にも伝わる。
大手企業のこの会社の代表取締役は銀行出身の名ばかりの社長であり、
債務超過にも陥っていないこの会社では、専務である狩森が逆に銀行を指定できる立場だった。
「専務をお呼びしますので、皆さんそのままでお待ちください。」
そう言って担当が会議室から応接室に狩森を呼びに行った。
「専務に会えるなんてどうせ、今日と入社式ぐらいかな。」
社員がいなくなった会議室がひそひそ声でざわめく。
”あの専務は何者よ”
自分を物の様に売買されたような形になった百合はまったく好意や尊敬などもてなかった。
会議室が一瞬で静寂になる。
人事担当者が、自分の部長と一緒に専務を案内する。
人事部長は明らかに腫れ物に触るかのごとく専務に対応していた。
「せ、専務お言葉をお願いいたします。」
人事部長が狩森に言葉を掛ける。
狩森が、秘書の玲子を引き連れて会議室に入ってくると片手を挙げ、内定者に挨拶する。
「内定、おめでとう。 堅苦しい挨拶は、入社式で社長から聞いてください。」
フランクで親しみやすそうに狩森は内定者たちに声を掛けると笑い声が会議室に起こった。
「人事部長、続きを頼むよ。 私は時間が空いたので見学してるから。」
狩森はそういうと、会議室の隅の空いている席に座る。
その席は百合の隣だった。
ただ、狩森は百合に視線すら向けず、会議を見守った。
「それでは配属先を通知します。」
担当者がそういうと、人事部長が緊張の面持ちで人事を発表し始める。
「青木さん 業務部一課 ...浅野さん 総務3課..」
氏名された者は、神妙な面持ちで受け入れていた。
ただ花形のデザイン部への配属は、誰もいなかった。
最後の方に、2次採用の数名が配属先を呼ばれる。
「以上です。」
人事部長がそう言うと百合に視線を向ける。
「白木 百合さん。 申し訳ないんだけど、決定が遅れてて別途...」
人事部長が百合に声を掛ける。
そもそも、先ほど内定連絡が経営戦略部よりあったばかりだった。
「は、はい。」
百合は興味がなさそうに返答する。
その時、狩森が声を出す。
「デザイン部にしようか。」
その意見は絶大であった。
「か、かしこまりました。手配いたします。」
人事部長が狩森に驚いたように返答すると、内定者のほぼ全員から羨望と嫉妬の視線が百合に向けられた。
”デザイン部....” ずっとあこがれて来た部門であり、業界トップのこの会社でその仕事ができる。
ただ百合は複雑な心境だった。
”何されるかわかんない”
その恐怖があった。
ただ、人事部長の態度を見れば弱みなど握られていなくても、この専務にとって百合たち内定者などは物以下かも知れなかった。
一般的な事項が終わると懇親会が始まった。
簡易な立食パーティーだった。
「デザイン部ってすごいわね。」
同期の内定者が、百合に話しかけて雑談が始まった。
そんな中、狩場が余興を始めた。さりげなく玲子が百合に近づく。
「百合さんちょっと良いかしら?」
玲子が百合を外に連れ出すと、奥の役員会議室に連れ出す。
「な、何でしょう...」
百合は恐る恐る玲子に確認する。
「思ってる通りのこと...」
玲子はそう言って、会議室の鍵を閉めた。
「お、思ってる事って!」
百合が逃げ出そうとする。
「逃げたら、人生狂っちゃうから従って。百合さんは狩森専務が買ったんだから。」
それは威圧以上の迫力だった。
「何...何を。」
その答えは、百合の思っていた通りだった。
「デザイン部に配属されたんだから、内定者を代表して社則を朗読してもらいます。」
”そんな事なら...”
「は、はい。」
そこまでは良かった。
玲子がポケットから道具を取り出した。
「朗読中にいろいろ指示するから、これイヤホン。耳に付けて。....後これも。」
玲子が取り出したのは、凸形の物体だった。
百合は、イヤホンを指示通り耳に付ける。
ただ、その凸形の物体は何か解らない。
「これは...」
百合が玲子に確認すると、玲子は躊躇無く百合に説明した。
「その突起を膣に挿入して。 百合さんが専務の指示に従わなかった時に電気が流れるから。」
玲子は無表情に手に持ったリモコンを百合に見せた。
”こ、こんな物...入れられない”
百合は玲子に詰め寄る。
「何のためにこんな事するんですか? 私なんか悪いことしました?」
ただ、玲子は冷静だった。
「貴方は専務の玩具だから...遊ぶのに理由なんかいる?」
百合は唖然としてしまった。
玲子の冷たく綺麗な顔が無機質に言葉を吐く。
「付けなさい。」
玲子は百合に命令しながら、自分のタイトスカートを捲り挙げた。
百合が玲子の行動を唖然として見守った。
玲子の長い足が捲れると似つかないガーターベルトのストッキングが露骨に見える。
そして、白いショーツの中に玲子が自分の手を差し入れると、がに股に足を拡げる。
股間から、百合に手渡した物と同じ器具が現われた。
「私も玩具。」
玲子が呟く。
そして、事もあろうか百合の目の前でまた、自分を陵辱する器具をショーツの中に戻す。
一瞬、玲子の美しい顔がゆがみ、眉間に皺が寄る。
それは、自分の性器に異物を挿入した証拠であった。
「何でも言われた事を素直にやればやるほど、狩森が飽きるわ。飽きられれば普通の社員に戻れるんだから。」
それが、玩具の願いだった。
百合は悔しさのあまり涙が出そうだった。
”玩具なんかじゃない...”
そう思いながら、スカートを捲る。
そして、玲子と同じようにショーツの中に凸状の金属をしまうと、突起物を自分の膣にあてがう。
”私...何してるんだろう”
金属の冷たい感覚が、全身を襲う。
そのまま、自分の体内に突起を差し入れた。
”あっ”
狩森の見えない首輪が百合の心を縛り挙げた。
「戻りましょう。」
2人は、何事も無かったように会議室に戻る。
まだ立食パーティーは相変わらず続いていた。
「百合さん。何処言ってたの?」
同期が声を掛ける。
「ちょっと。」
何気なく百合が会話する。
”性器に異物を入れに”とは言える訳も無かった。
そんな中、
女子社員が集まっているテーブルに狩森がわざとらしく近づいてきた。
「社則の準備はできたかね。」
百合に話しかける。
「...はい。」
百合が口惜しそうに狩森に返事をする。
返答を受けると狩森は太めの高級ペンをジャケットから取り出す。
「じゃあ、ここにいる子にメッセージを送ろう。」
白紙のメモ帳を机に置くと、ペンを捻り芯を出す。
何を書くのかテーブルの周りの内定者がメモを見つめる。
”あああっつううう”
ただ、百合は自分の体に異変が起こりその動揺を隠すので必死だった。
狩森のペンを捻ると捻る量に応じた電気が、百合の膣を襲った。
強くも無く、弱くも無く、まるで他人に指を入れられてかき回されている様だった。
誰も気づいていないが、よく見れば百合の足が内股になっていた。
”な、何...”
立っているのが辛いほどむず痒い刺激が百合の体内で起こっていた。
≪汗と恥をかけ≫
狩森はメモに書きなぐると、周囲を見渡す。
それは百合に当てた陰語であったが、新人たちはしっかり頷いていた。
狩森は明らかに動揺している百合にペンをわざとらしく見せながら、芯を閉まった。
”と、止まった....”
百合は狩森のペンを憎らしそうに眺める。
ただ、その視線を狩森は無視しながら、横にいた玲子に指示した。
「皆さんここで、社則の確認を行います。少し長いのですが聞いてくださいね。
百合さん。前で朗読をお願いします。」
玲子はそう言って、社則集を百合に渡した。
「...はい。」
百合は社則集を持って指し示された前方に向かうしかなかった。
”お願いだから...スイッチ入れないで...”
百合はそう願うしかなかった。
その願いが通じたのか、後ろで狩森が、ペンを振っていた。