”お願い、もうやめて”
加奈は、この一連のできごとが、例の神とか言ってるやつの仕業と気づく。
必死に、お願いするが、自分の指は、シャツのボタンを外していってしまった。

加奈の胸は、それほど大きいものじゃなかったが、
細身の体のせいもあり、谷間が十分にできるほどだった。
その胸を見せ付けるように、露にする。

加藤は加藤で、おかしな事とは思ったようだが、目の前に、
加奈の胸元がある以上、視線を背けることができなかった。

「触る?やわらかいよ。」
加奈は、またとんでも無いことを口にしていた。
キモイ相手に、自分の胸を差し出すように、突き出していた。

「いいんですか?」
相変わらず、加藤は、加奈に敬語を使う。
「私の胸じゃ、不満?」
加奈の手が、自分の胸に移動して、その柔らかい胸を自ら、鷲づかみにした。

”お願い....もうやめて”
加奈は、必死に叫ぶが、体は、言うことを聞かなかった。
加奈の思いとは、裏腹に、加藤の汗ばんだ手が、加奈の胸に向かってくる。

”や、やめなさい!!”
そう思っても、言葉にはならない。
自ら差し出した、胸に、加藤の指の感覚が伝わる。
”気持ち悪い....”

体は、動かなかったが、加藤の手の感触だけは、克明に感じる。
その時だった。
また加奈の脳裏で、あの声が聞こえてくる。

『もう無視しないか?』
加奈に、否定などできなかった。
”無視しないから、やめなさい!!”

そのときだった。
加奈の体に自由が、戻った。
加奈は、加藤の手を払いのけ、はだけた胸元をシャツで隠す。

別に、加藤が悪いわけではなかった。
ただ、むしょうに腹が立って、加藤の顔面を平手でたたく。

「ウザイ!!」
「パチン!!」

加藤の顔面からの音と、加奈の叫びが同時に起こる。
加藤は、何が起こったのか解らないまま、立ち去る加奈を見送った。
頬は、痛かったが、加奈の胸の感触を思えば、気まぐれとはいえ、ラッキーだとも思っていた。

加奈は、その場を立ち去ると、恥ずかしさがこみ上げる。
”自分で、見せた..露出狂って思われたら....”
ぞっとした。

『楽しいな。』
男は、まるでゲームを楽しんだかの様に、話しかけてくる。
”もう、こんなことしないで!!”

加奈は、返答しながら、家路を急ぐ。
『意外に、恥ずかしがり屋?』
その質問に、加奈は、絶句する。

「誰だって恥ずかしいわよ!!」
思わず、夜道で声を挙げてしまった。
ここでふと、加奈は、疑問をぶつける。

「どうすれば、私の頭から出てってくれるのよ?」
その質問に、神は、簡単に答えた。
『契約どおりでしょ?』
「契約?」

加奈は、繰り返す。
『巫女を好きなようにさせてもらう代わりに、願い事をかなえるのが契約なもんで』
その返答に加奈は、噛み付く。

”好きにさせたんだから、私をお姫様にして消えなさいよ”
加奈は、強気になる。
それを神は、察した様だった。

『さっきから偉そうに.. 身の程を知ってもらうしかないかな』
男の声のトーンが変わった。

加奈は、それでも怯えず、頭の中の声に立ち向かう。
「変なことしないでよ!!」
そういいながら、足を進める。

学校から5分ほどの、駅前に着いたときだった。
改札に向かおうとした体が動かなくなる。
そして、まだ、疎らだったが、人気の残るロータリーの中心に加奈は、歩かされていた。

”な、何させる気?”
必死になるが、体は言うことを聞かなかった。
『お仕置きしてやる。』

太い声が、加奈の頭の中をめぐる。
加奈は、柄の悪そうな、目の前にいる見知らない若者に、近づいていった。
その若者は、加奈が近づいてくるのを感じ取った様だった。

若者は、加奈より先に、声を掛けてきた。
「ねえちゃん。 何か用?」
普段であれば、加奈にとって、声を掛けるどころか、視線も合わせたくないような若者に向かって、
加奈は、返答していた。

「お、おなにーしても良いですか?」
加奈は、唖然とした。
自分は、何を言っているのだろう。 顔面があっという間に、真っ赤になっていくのが解った。

それ以上に驚いているのが、若者だった。
初対面の可愛い子が、訳のわからない事を口走ってきたのだ。
「...は?  って 良いけど..」

その返答が、あったと同時に、加奈は、自分の腕が動くのを感じる。
”や、嫌!!”
必死に抵抗するが、自分の手が、スカートの上から、股間をさすり初めていた。

その様子を若者は、食い入る様に眺めている。
”わ、私...何やってるの?”
加奈は、若者の視線を浴びながら、ロータリーの中心で、必死で股間をさすっている。

「あ、あれ見ろよ!」
そんな声が、遠くから聞こえる。
その声と同時に、ロータリーにいるほとんどの人が、加奈に、視線を向け始めていた。
”み、見ないで!!”

加奈の叫びは、声になることは無かった。
大衆の視線を浴びながらも、加奈は、スカートの指をさらに、食い込ませる。
かってに動く、くせに、感覚、感触は、加奈にストレートに伝わる。

”み、みんなの前で、オナニーしちゃってる...”
そう思うと、背筋から、脂汗が噴出すのが解った。

「す、すげー」
野次馬が、加奈を取り囲みはじめる。
それと同時に、加奈は、徐々に、スカートを捲りあげながら、指を小刻みに動かし始めていた。

「あっつう。」
加奈の口から、嗚咽がもれる。
嗚咽だけは、簡単に、実声になって、もれていた。

夜のロータリーに、加奈の太ももが現れる。
”お、お願い許して...”
加奈は、許しを求める。
その声に、応答するように、例の声が聞こえた。

『ちゃんと契約守るか?』
あの声だった。
”ま、守ります。”

加奈は、このときは、そういうしか無かった。
「あっ。」
急に、自分の腕に、自由が戻る。
加奈は、慌てて、捲り上げられたスカートを元に戻した。

「もう終わりかよ。」
調子づいてきた若者が、加奈に声を掛けるが、加奈は、それを無視するように、
それどころか、顔を真っ赤にさせなから、集まっていた群集から、逃げるように走り出した。

電車に乗るつもりだったが、改札には、向かえなかった。
恥ずかしさのあまり、少しでも人の居ない方にめがけて、走り出す。

「あの子、変態?」
そんな声を聞きながら、加奈は、必死でその場を逃げ出した。

『ずいぶん恥ずかしがるじゃん』
人気が無くなったころ、加奈に話かける声があった。
「いい加減にして!!」

思わず、加奈は、誰も居ない場所で、叫んでしまった。
加奈は、実際に響く声に自分が驚き、頭の中で考える。

”ひどいわ。 もうあの駅使えないじゃない。”
半べそをかきながら、加奈は、抗議する。
ただ、そんな時には、返答が無かった。

加奈は、とぼとぼと、夜道を歩く。駅に戻ることは、恥ずかしくてできなかった。
”どうなっちゃってんの?  もしかして夢?”
現実とは思えない状況に、加奈は、今を疑ってしまう。

『夢のわけないだろ?』
都合の良いときだけ返答してくる相手に、加奈は、また驚く。

”こ、これは耳鳴りよ!! さっきのも私の幻影。そうに決まってる!!”
加奈はそう思おうと必死になっていた。

『無視するなって言ったろ? 現実だよ!げんじつ』
加奈の思いとは裏腹に、的確に答えが戻ってくる。
そして、声は、加奈を畳み掛ける。
『さっきのオナニー気持ち良かっただろ? 夢だと思うなら続きでもやるか?』

そして、誰も居ない夜道で、加奈は、また自分の腕の自由が効かなくなる。

今度は、いきなり、スカートの中に手をいれ、ショーツの上から、指を沿わせ始める。
加奈は、まるで羞恥心が無いかの様に、膝をガニマタに広げ股間を突き出しはじめた。

「げ、現実って認めるわよ! 契約も守るから!!」
加奈は、慌てて返答するしかなかった。

『何度も言わせるなよ。』
そういって、加奈の体の自由が戻った。

”とりあえず、早く帰らなきゃ..ど、どうやって帰ろう...”
加奈は、公衆の場所から逃げたかった。
いつまた、危うい目にあわせられるか解ったものでなかったからだった。

ただ、電車も使えない。  終バスは終わっていた。
『タクれば良いじゃん』
気軽に、声を掛ける主がいた。

”む、無理よ。 お金持ってないし....”
学生の加奈にとって、4,5駅先の自宅にタクシーを利用する金額は、高過ぎだった。
『財布に金、入ってるじゃん』

加奈は、安易な返答に、若干いらいらしながら、返答する。
「タクシー乗れるほど、入ってないわ!」
露天で数千円で買ったLVらしき財布を開ける。

「.....」
見慣れない万札が1枚入っていた。
『ほらタクシー乗れよ』
声が笑っていた。

「こ、このお金!!」
加奈は、びっくりしたが、神の行為に甘えることにする。
”早く帰って、整理しないと...”

その一心で、神のいたずらとは知らず、見覚えないの無い、1万円札を利用することにした。